戦いは終わらない
録画した番組を見てたら凄くワインが美味しそうで、ついつい買ってしまいました(安物)。
コンビーフとワインの組み合わせが好きです。
「ディスプさん!?」
「これは驚いたな」
私たちは目を覚ましたディスプさんの元へ駆け寄った。体に力を入れているようだが、まだ上体を起こすことはできないようだ。
「無理しないでください。悪化します」
囁くような声量で「悪いな」といい、ディスプさんは再び目を閉じる。しばらくすると、すぅと寝息が聞こえてきたため、どうやら眠ってしまったようだ。ここに運ばれてきた時とは異なり、安らかな寝息だ。
「まさか、こんなに早く回復するなんて…。ディスプくんって本当凄いよなぁ」
「でも、安心しました」
その言葉にはキードさんも頷いて、柔らかい笑みを浮かべていた。
それにしても、まさか受け答えができるほど回復するなんて、流石に驚いた。キードさんも言ってたけど、ディスプさんって本当に凄い。あの回復力は見習いたいところだ。…どうやって身につけるかはわからないが。
「これで明日には真相が聞けそうだね」
「はい、良かったです」
いつまでも医務室に留まっているわけにもいかないので、額に乗せた濡れタオルだけ交換して部屋を出ることにした。一つ安堵の息を吐くと、何だか嬉しそうな表情を浮かべたキードさんが視界に入る。
「嬉しそうだね」
「当たり前じゃないですか。無事な仲間がいて悲しむ人間なんていません」
「そうかもしれないけどさ、それを除いても嬉しそうだよ。もしかして」
「何です?」
キードさんはニヤニヤと笑いながら、「いや、何でもない」と言って私の前を歩き出した。一体何を言いたかったんだろう。
少し考えてみて、もしかしたら恋愛感情に引っ掛けてからかうつもりだったのかもしれないと思った。私がディスプさんのことを好きだとか。…うーん、想像つかないな。異性を好きになるってどういうことなんだろう。
どんな異性が好き、か。そういえばあまり考えたこともなかったな。しばらく歩きながら考えてみるが、いまいち具体的な答えが浮かばない。優しい人が良いだとか、嘘をつく人は嫌だとか、そんな漠然とした回答しか出てこなかった。
それを考えるとディスプさんは私の好みに当てはまるのだろう。彼は優しいし、正直だ。でもディスプさんのことを特別視できるかと考えると…できない。
ごめんなさい、ディスプさん。なんだか上から目線で考え事をしていました。
〈魔族観測。魔族観測…〉
すると、まるで私の考え事を遮るかのようなタイミングでサイレンが鳴り響いた。魔族の反応があった場所のあとに、出動するメンバーが指名された。その中には私の名前も含まれている。
「行かなきゃ…」
となると、まずは隊長代理の部屋に向かわなくては。その部屋を目指して私は廊下を駆け抜ける。少しでも早く、魔族を倒すために。




