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死んだと思ったら魔界で生まれ変わった  作者: 鳥羽こたつ
第四話
47/146

発信機の意味とは

8時更新が難しいかもしれないと思い始めてしまいました。こういうところから未更新が始まってしまうんですね…。

また、この作品はなんちゃって物理・化学です。すみません。

「ミロの教育だ?」


退院したオレを待っていたのは、大量の仕事とお偉いさんからの一通の手紙だった。手紙には長々とした挨拶文と、かしこまりすぎていまいち何が書いてあるのかわからない用件が書かれている。唯一読み取れたのは、『生物兵器が人間の命令に背かぬよう、しっかりと教育するように』ということだった。

馬鹿馬鹿しい。そんなこと実際にどうすればいいというんだ。あれやれこれやれというのならばやり方の手順書くらい用意してもらいたいものだ。大体そんなもの教育じゃない。洗脳だ。


「おいミロ」


試しに近くにいるミロに、一つ命令を出してみることにする。こいつができそうなことと言えば…。


「そうだ、お前そこに座ってみろ」


ミロは不思議そうな顔をして、おれの指示通り床が汚れているにもかかわらずその場に座り込んだ。まぁ、これくらいはやってくれるだろう。あまり目を離したくないし、他の指示出しは違うときにやってみるとするか。

おれはミロの開発に参加していた研究者を一人呼び出し文字の勉強を依頼すると、パソコンの前に座って休みの間に届いたメールを確認する。未読メール一覧を開封していくと、イオマから新しい武器の開発についての資料が届いていた。


「二重爆裂弾?」


タイトルにそう書かれている資料に目を通してみる。簡単にまとめると特殊な火薬を調合し、弾薬が着弾したときの衝撃を2倍にするとのことだった。だがまだ開発途中で、どうやら途中経過の報告書だった。完成するのかこれ。疑問に思ったおれは開発室に電話をかけてみることにした。


「あー、おれだ。イオマはいるか?」

「僕ですが」

「悪ぃ、声だけじゃわからなかった。ところで、おれが休みの時に送ってくれた弾丸の資料だがな」

「あぁ。二重爆裂弾のことですか」


詳しく聞いてみると、どうやら開発に行き詰っているとのことだった。期日までには完成させるから、安心してくれとは言われたがどうも不安だ。ここは一度現場に行って状況を見てみるべきだろう、そう思ったおれはパソコンのロックをかけて武具の開発室に向かった。



「邪魔するぞ」

「え、隊長?」


開発室には白衣を着た連中がビーカーやらフラスコやらを握ったり顕微鏡でプレパラートをのぞいたりしている。おれも昔はここで同じようにしていたが、傍から見るとどこかシュールな絵面だな。いや、大真面目にやっている人間に対して申し訳ないんだが。

イオマがどこにいるかを尋ねると、どうやら奥の部屋で例の火薬の調合をやっているとのことだった。そこまで連れていってもらうと、大真面目に火薬とにらめっこしていたイオマに声をかける。


「よぅ。調子はダメそうだな」

「隊長」

「今の状況を教えてくれ。少しはアドバイスできるかもしれない」


イオマから聞いた現在の失敗状況を、あらかじめ印刷しておいた二重爆裂弾の資料にメモとして書き込んでいく。そしてメモの内容と弾丸の構造を見比べて、幾つかの可能性を見出した。


「火薬の種類とタイミングですか?」

「あぁ、二つの衝撃のタイミングをずらせばうまくいくかもしれない。あくまで可能性だがな。予算の申請はおれがしておく」

「なるほど、ありがとうございます。試してみますね」

「あぁ。頑張ってくれ」


開発室を後にすると、おれの前をスタッフが走り去っていった。何だ危ねぇな。辺りを見渡してみると、何やらがやがやと騒がしくスタッフが走り回っていた。その走り回っているスタッフを一人捕まえて事情を聞き出してみると、大変なことがわかった。


「はぁ!?ミロが逃げた!?何やってんだよ!!」


話を聞いていると、先ほど勉強を依頼していたやつが休憩のため湯を沸かそうとして1分だけ目を離していると、その間にミロが消えてしまっていたらしい。何やってんだよ本当に。


「それでスタッフ総出で探し回っているってことか?」

「えぇ」

「でもミロには腕輪を付けていたはずだろ。例の囚人用の腕輪」

「それが、発信機の反応がないんです」

「何でだよ」


ミズキコウといい今回といい、あの腕輪をつけてても意味がないのではないのだろうか。今度あの腕輪を付ける奴がいたら監視の目を強めてもらおう。…いや、今回はそれよりもミロの話だ。


「拠点の中にはいないのか?」

「今のところ見つかっていません」

「わかった。おれはいったん外に出てみる。何かあったら連絡をくれ」


おれは拠点の外まで向かうと、一度近くにいた人間に聞き込みをしてみることにした。だが、目撃情報は獲得できなかった。仕方がない。当てがあるわけではないが一度遠くまで探してみることにしようか。

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