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死んだと思ったら魔界で生まれ変わった  作者: 鳥羽こたつ
第二章
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新編成戦闘

何度も同じミスをしてしまい、申し訳ないです…。

対策を考えなければいけないですね…。

「あの、今回のターゲットについてまだ聞いてないと思うんですけど」


ひとしきり全員が胃の中を出し切った後、俺は改めて隊長に今回の戦闘について聞き出す。目の前には森があり、辺り一面木でいっぱいだ。

隊長は未だに吐しゃ物を出している。思うと今までも運転中黙って外を見ていることが多かったが、元々車酔いしやすい体質なのだろうか。考えていると代わりにキードさんがタブレット端末を片手に説明をしに来てくれた。


「悪いね。まだ話せてなかった」


キードさんが見せてくれた画像には成人男性を二回り程大きくした猫背の巨人が何体か映っていた。

この姿、魔界で見たことがある。巨鬼、オーガとオーグレスだ。


「こいつらがこの森で検知されてさ。駆除と実験を兼ねてここに来たってわけ」

「実験?」

「あぁ。こいつの」


そう言ってキードさんは腰につけていたポーチから野球ボールほどの小さな黒い球を取り出した。球にはにっこりマークが付けられており、スイッチみたいなものが付けられている。

興味本位でそのスイッチを触れようとすると、さっとその球を取り上げられた。


「はいストップ。これ、安易に触れたらまずいやつだから」

「そうなんですか?それにしては扱いがぞんざいな気が」

「それは気にしない。で、これの説明ね」


そう言ったキードさんは、取り上げた球のスイッチを押す。すると、色のついた煙がもくもくと立ち上がった。毒々しい色だ、まるで毒ガスだな。


「凄い色ですね」

「まぁ、研究中の毒ガスだからね。魔族にしか効かない系の」

「え」


そんなものを作っていたのか。だとすると近寄らない方がいいな。そう思っていたが、キードさんはその毒ガス玉を俺に近づける。魔族だということを隠しているため仕方のないことだが、あの話をされた後だと流石に後ずさりしてしまう。


「名付けて『ボール型毒ガススプレー』!じゃ、これひとりずつ渡すから見つけ次第試してほしい」

「あ、は、はい」


キードさんは近づけてきたその毒ガス球を袋に入れて俺に手渡した。受け取ったはいいが、恐らく自分で使うことはないだろう。これで俺が苦しんでたら元も子もない。

しかし、戦闘の時はどうするか。これを使わせる暇もなくさっさと倒すしかないだろうか。だが、オーガたちの体は大きく、今までのように上に乗りかかって殴り続けることはできない。

オーガたちについての対策を考えていると、どうやら隊長の具合が良くなったらしく、キードさんから毒ガス球を受け取りに来た。


「それ、実は効かないとか言わないよな」

「それを含めての実験っすよ」

「ふざけんな。効くもの用意して来いよ」

「なかなかの無茶ぶりっすね」


キードさんは笑いながら毒ガス玉を入れた袋を隊長に渡す。隊長は中をちらっと見て確認すると、「行くぞ」と言って森の中へ歩みを進めた。

隊列は、先頭が隊長とキードさん。その後ろに俺、リモコさんとイオマさん、最後にディスプさん。といった感じだ。サポートの2人が先頭を歩いているのは一番地の利があり、物事の現状をとっさに判断できるため先頭を務めている。

その後ろの俺は自分でとっさの判断はできないものの、瞬発力はある。なので、先頭の2人の指示があればすぐに応戦できるのだ。それはディスプさんも同じだが、俺の場合は未だ完全な信用を得られていないため、眼の付けられるところにおいている、と言ったところだろう。

リモコさんは判断・戦闘ともにオールマイティに行えるため、イオマさんの指導を行っている。本人の性格もあって、イオマさんとの仲は友好なようだ。話している内容はわからないが、相変わらず仲良さそうに話している。

ディスプさんは安定感があり、視野が広い。また、気づいたことは即座に言ってくれる。それが最後尾を務めてくれている理由なのだろう。

やはり、このチームはやりやすい。イオマさんの実力だけが気になるが、実戦経験はあまりないらしい。そこは俺たちが全力でカバーするとしよう。


「そろそろだな」


突然隊長が足を止めた。何事かと思って前を見ると、洞穴のような空洞が岩壁にできている。その奥からうめき声のような音が聞こえた。


「この中にいるのは間違いなさそうですね」

「オーガかどうかはわからないがな」

「んじゃ、早速使ってみますか」


そう言ったキードさんはさっきの毒ガス玉を取り出し、スイッチを押した後に洞穴に向けて投げ込んだ。毒々しい煙が穴から漏れ出す。しばらくすると、先ほどのうめき声が大きくなり、中から2匹のオーガとオーグレスが出現した。


「2匹?複数匹の反応じゃなかったのか」

「2匹でも複数じゃないっすか。それよりも毒ガスの効果っすよ」


オーガとオーグレスは「ウォォォ」と大きな鳴き声を上げているものの、あまり苦しんでいる様子は見られない。毒ガスの効果というのは即効性のあるものではないのだろうか。ちらりとキードさんの方を見ると、何かを悟った表情をしている。


「みんな、ごめん」

「気にすんな、お前の責任だ」

「どっちですか…」


各々に武器を構えて隊列を変える。イオマさんは長い鎗を両手で構えていた。

先頭のディスプさんとリモコさんが駆け出し、隊長が銃を連射する。戦闘の始まりの合図だった。

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