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死んだと思ったら魔界で生まれ変わった  作者: 鳥羽こたつ
第二章
23/146

信用を得るためには

昼休みが、欲しいです。

最近毎話新しいキャラクターが出せてて楽しいです!好きなキャラが増えてきています!

「どうしたんだよ、やましいことでもあんのか。えぇ?」


目の前の守護隊隊長は詰め寄るように兜越しの俺の目を視ようとする。恐らくこれが蛇に睨まれた蛙、というやつなのだろう。

俺はその場で立ちすくみ、動けなくなっていた。俺が魔族だとこの人たちにばれたらここにはいられなくなる。居場所なんてまた探せばいいとわかっているはずなのだが、どうしてだろうか。俺は拒絶されることを恐れて兜を外せずにいた。


「取れませんってか。ふざけんな。いいから中見せてみろ」


そう言うと隊長は俺の頭に手を伸ばし、外そうと兜にその手をかけた。

そのタイミングを見計らったかのように、天上のランプが赤く光りだした。時同じくしてウー、ウー、と警報音が鳴る。サイレンだ。


〈魔族観測。魔族観測。北東のマフォースント遺跡跡より魔族らしき存在を複数観測。守護隊の出動を命じます。繰り返します。魔族観測。魔族観測…〉


「ちっ」


ひとしきりサイレンが鳴ると、今度は魔族が現れたという内容のアナウンスが聞こえた。何度か繰り返すアナウンスの中で、隊長は一つ舌打ちをすると俺の兜から手を離す。


「出るぞ、リコ」

「え?あ、了解です!」


そしてリモコさんを連れてエレベーターの方へ向かうが、ぴたっと止まり俺の方へ振り向いた。


「何やってんだ、お前も来るんだよ」

「え?」

「お前を野放しにしておくわけがないだろ。まさか、今から抵抗でもする気か」

「いや、そんなことは…」


そうだ、これはチャンスかもしれない。今ここでこの人たちと協力して魔族を倒すことができれば、兜を外さずとも俺を信用してくれるかもしれない。


「俺も戦います。戦わせてください!」

「知るか。お前の意見は聞いてない。行くぞ」

「はい!」

「よし、じゃあオレも」


ディスプさんは俺たちの後ろについて来ようとするが、リモコさんが腕をクロスさせてそれを阻止する。


「ダメですよ。貴方は怪我をしているんですから、安静にしていてください」

「でも」

「言い方が違うぞ、リコ。怪しい奴のお仲間だってことで身元を確認させてもらう。だからここでおとなしくしてろ」


チン、と鳴って開いたエレベータの中から白衣を着た男が二人ほど出てきてディスプさんの両腕を抑えるようにして拘束した。ディスプさんは抵抗するが、よほど抑える力が強かったのか男二人は微動だにせずそのままガラス張りの実験室に連れていかれた。言い方は悪くなるが、まるで出荷される家畜のようだった。

俺たちはエレベータに乗り入口まで戻ると、そこには驚くことに軽自動車が一台停まっていた。

…驚いた。ほとんど地球と変わらないじゃないか。

運転席には、眼鏡をかけた短髪の男がこっちを見てへらへら笑っていた。左耳にピアスを開けており、どこかチャラい印象を与える男だった。


「うーっす、お待たせっす。新入りっすか?こいつ」

「いや、リコが連れてきた得体のしれない奴だ。一向に兜を外そうとしねぇ。監視のために一緒に連れていく」

「マジっすか。大丈夫なんすか?自分、後ろからグサッとやられるの嫌っすよ」

「安心しろ、死ぬときは三人一緒だ。多分な」

「うっわ。全然嬉しくない」


そんなやり取りを終えると、俺は車内に押し込まれ、その隣に隊長が乗り込む。そして助手席にリモコさんが乗り、発進する。

その道中にて、運転手であるチャラそうな人が唐突に話しかけてきた。


「そういえばさ、あんた、名前はなんてーの?」

「え?」

「だから、名前だよ。あるでしょ?あ、自分はキード。キード・ボイア。よろしゅー」


キードさんはひらひらと片手を振り、鼻歌交じりに車を運転する。これから戦いに行く雰囲気だとは全く思えない。ただのドライブのようだった。


「えっと、俺の名前は」

「待て、それよりもお出ましだ」


隊長が顔を向けている方に、俺とリモコさんが目を動かす。

そこにいたのは舌を出し、俺と同じようにぎょろりとした目と爬虫類の鱗が特徴的な魔物だった。リザードマンだ。


「行くぞ」

「はい。活動開始ですね!」

「うーす。自分、移動しまーす」


俺とリモコさんと隊長が車を降り、それぞれの戦闘体制をとった。リモコさんは剣を構え、隊長は拳銃をくるくると回して取り出し、俺は拳を握って構えを取る。

絶対に勝つ。勝って、この人たちの信頼を勝ち取って見せる…!!

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