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執着と独占欲、狂気のショートストーリー集〜僕が君を愛してあげる  作者: 水波瀬 凪


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永遠に僕だけのもの

病み系(闇)ショートストーリーです。

気まぐれ更新。

本編連載中ですが、息抜きに書いてます

ダークな空気感

小春(こはる)、君はいつも僕を都合良く扱うんだね。


夜遅く、飲み過ぎたからと急に呼び出されたり、体調が悪いからと看病に来いと言ったり。


夜中に迎えに行ったのも、看病したのも確かに僕だった。



「どこかへ連れて行って」


そう言われて車を出したときも、小春はずっと楽しそうだったじゃないか?


だけど小春が好きになったのは、僕じゃない誰かだった。


彼氏とケンカしたときも、僕はいつも小春のそばで黙ってグチを聞いていた。


デートが楽しかったときも、こまめにLINEで報告してくるんだ。




小春が幸せならそれでいいと、彼女の恋を見守っていた。


いや、違う。


応援するのはさすがに無理だったんだ。


そんなものは表向きだけ。


いい相談役を装って、僕はいつも小春の近くにいたんだ。



そして夏が終わるころ小春の恋は終わった。



だんだん連絡がなくなり自然消滅をした恋。


小春は最近まで彼をひきずっていた。


そんな彼女のやけ酒にも、僕は朝までつきあっていた。


そして秋が過ぎ、冬になって春になる。


小春と初めて出会ったのも、春だった。


春に出会って、夏に楽しく過ごしたね。


夏は僕にとっていい思い出がたくさんある季節。


だけどその夏、小春はまた違うひとに恋をした。



いつもそばにいるのは僕なのに、僕を通り越していつも違う男に惹かれる小春。



いったい小春にとって僕は、なにが足りない?


そう聞いたこともあった。


「足りないものがあるとしたら、年齢かな」


恋人になれない基準があるとしたら、年の差だって小春は軽く笑った。


僕と君は8つ離れている。


小春が年上、僕が年下。



人間というのは残酷で、平等に歳をとるんだ。


生きている限り、その年齢差は永遠になくならない。


「生きている限り?」


僕はふと、気がついた。


この差だけが理由ならば、小春が誕生日を迎えなければいいんじゃないか?



僕は小春のそばにいたいし守り続けたい。


ほかの男の目に触れさせずそばに置いておきたい。


そのために僕ができること……。




その夜、僕は考えを行動に移した。


僕が何を考えているかなんて小春が知るはずがない。


小春の好きなものは知っている。


甘すぎるものは苦手なんだよね?


果物ならパインが好き。


僕は誰よりも小春を知っている。



小春はいつものように、笑顔で僕を部屋の中に入れてくれて、僕が持ってきたパインのゼリーを美味しそうに食べた。



……それに「毒」が入っている、


なんてことを知りもしないで。



小春は僕のそばで、静かに目を閉じた。


まるで眠るように、深海の底に沈むように堕ちていったね。



小春はもう来年の誕生日は迎えられない。


僕だけのものになった。


ずっと……ずっとずっとずっと。


ずっとずっと永遠に。



僕のそばで眠り続ける、キレイな人形になったんだ。



8歳の年の差がなくなる頃、僕は………

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