第4話 初めての魔法
優斗と陽菜がルビラ達とあって、一週間がたった。
その間、ずっと魔法を教えてもらっていたため、初級魔法のほとんどと、中級魔法の一部は使えるようになった。
「二人とも魔法が使えるようになってきたわね」
と、ルビラが口を開く。
今、優斗と陽菜はお互いに魔法を出し合って、評価や問題点を模索している。
「そろそろ魔物相手でもいいんじゃないかな」
セストが言う。
「そうね。そうしましょう」
「この近くにゴブリンが二体いるわよ」
ルビラが言うと、マリィが索敵した。
「なら、二人だけで行ってきなさい。一応、バックにはベクターをつけとくわ」
「おう、何かあったら俺がなんとかするからよ」
ルビラの言葉に続き、ベクターが言う。
ということで、近くのゴブリン二体を倒すことになった二人は、茂みに隠れて二体の様子を伺っている。
二人の目の前には、豚のような顔をした、全身が緑色で腰に布を巻いている、1メートルほどの魔物がいる。
どうやら、あれがゴブリンというらしい。
右手には棍棒を持っていて、警戒心が微塵もなく、のんびりと話している。
「ゴブリンは弱いから普通に魔法をうつだけで倒せるはずよ」
ルビラがそう言ったので、優斗と陽菜は自分が一番得意な属性の魔法を使うことにした。
「まず、私から行くね」
そう言うと陽菜は魔力を練り始めた。
陽菜の周りに不可視の魔力が渦をまく。
「ライトボール!」
陽菜が言うと、直径1メートルほどの光り輝く球状のものが陽菜の前に現れ、とても早いスピードで一体のゴブリンに命中した。
「グギャ!」
命中しなかった方のゴブリンが仲間の即死を見て、周りを警戒したが、遅かった。
「サンダーボール!」
優斗が先程陽菜が放ったものと似たようなボールを、もう一方のゴブリンに放っていた。
二体とも声をあげる暇もなく死んでいった。
二人が放ったのは、光属性と雷属性の初級魔法で、魔法を使わない者でも知っている、いわば適正さえあれば使えて当たり前の魔法だ。
これらは最初にルビラに教えてもらい、一番長く練習した魔法であるため、二人ともこの魔法を選んだ。
「本当は炎属性がよかったけどな」
と俺は愚痴をこぼす。
「使わなかったのはなぜ?」
ルビラが聞く。
「いや、ここで炎属性の魔法を使えば、木に引火して大火事になると思ったんで」
「そう、大正解よ」
俺の返答をルビラが評価する。
優斗が言ったとおり、ここで炎属性の魔法のような火が発生してしまう魔法を使った場合、十中八九、木々に引火し火事になってしまう。
「ただ、雷属性も引火する可能性も十分にありうるわ。そこは及第点ね。まぁ、もし引火しても私なら水魔法で消せるけどね」
ルビラは自信たっぷりに言う。
「魔法適正はどんな感じなんですか?」
ふと、疑問に思った優斗がルビラに聞く。
「私?私の魔法適正は、基本四属性のうち、炎と水が8で、土は4で、風は3よ、炎と水に特化してるのよね。だから戦闘では炎を主に使ってるわ。あと、雷は5で氷は7。時空と無と闇が0で、光は3ってところね」
「8ってなかなかすごいですね」
陽菜が褒めると、ルビラは若干照れて言った。
「ま、この私だからね。当然よ!」
「総合的に見たら、マリィの方がすごいんだけどね」
セストが小さくこぼした。
「セストさんの魔法適正は?」
「ん?僕かい?僕は炎と水は5で、土が7で風は8。ルビラと違って土と風が得意なんだ。あとは、雷は6で氷は4。時空と無が1で、闇と光は0。上級六属性では、ルビラと比べて少し劣るって感じかな」
「みんな何やってるの?」
セストが言い終わったところで、マリィがこっちへ来た。
先程まで、索敵を行っていたのである。
「私とセストの魔法適正の話をしていたの」
「マリィさんの魔法適正は?」
「私はね〜、水と風が7で、炎と土は6。雷と氷は4で、時空と闇は0。光と無が7よ。すごいでしょ」
先程セストがこぼしたように、ルビラに比べると、一部劣るが、総合的にはマリィの方が上のようだ。
「確か上級六属性って基本四属性に比べて、7以上が出ることって珍しいんじゃなかったっけ?」
陽菜が優斗に聞く。
「そう言えば、前にマリィさんが言ってたな」
「そう。あくまでギルドで私が適性検査をした結果論だから、世界的に見ればそんなことないかもしれないけど」
「そう言えば、ベクターさんは?」
「さっきまでいたはずだったのに」
優斗の言葉に陽菜が続く。
「ああ、彼ならそこら辺の魔物を狩ってくるって言って、少し前に行ったよ。彼の適正は僕たちと比べて、少し低いから最後に言うのが恥ずかしかったんじゃないかな」
「まぁ、見た感じそんな気はしてましたが」
セストが言うと、優斗が苦笑いで続けた。
「彼の適正は、土は4だけどそれ以外は1なんだ。上級の方は、無以外は0で無は2なんだ」
「さっきから思ってましたけど、0ってありうるんですね」
3人の魔法適正を聞いた陽菜が言う。
「ありうるどころか、冒険者じゃない普通の人とかは0がほとんどよ。正直、どの属性も1さえあればこの辺の魔物はあらかた倒せるし、その魔物の部位を売る方が、畑を耕すよりよっぽど楽なのよ」
「まぁとにかく、明日で街に着くんだし今日はもう休もうか。明日の朝方に出発すれば、昼頃には街に着くからね」
そう言うとセストは道から少し離れたところで野営の準備を始めた。




