表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人と妖怪とetc.  作者: 那々氏さん
第6章 幻想闘技・人妖
92/120

第83話 闘技大会編 大江の鬼と花の大妖怪

 

「さぁみなさん続々と敗退者が出る中草原ではとてつもない戦いが続いております!」


「あれで全力じゃないとか……もう同じ生物とは思えないわね」





「マスタースパーク」


 本当に加減しているのか疑問に思える威力で幽香がスペルを放つ。


「オラァッ!」


 向かってくるビームを真正面から殴り、打ち消す。


「こんな子供だましじゃ話にならないわね」


 日傘を閉じ、肩をすくめる。

 を

「ハッ、だったらもっと面白いモン見せてもらおうか!」


 地面を抉って幽香のもとまで一瞬で跳ぶ。


「フンッ!」

「はッ!!」


 勇儀の拳と幽香の傘がぶつかり合う。


「その傘何でできてんだ? やけに硬ぇじゃねぇか!」

「私が妖力を流し込んでるからかしら……ねッ!!」


 同時に飛び退き、勇儀が再び突撃体勢に入る。


「させないわ」


 幽香が勇儀に向かって指を向けると、地面を割って人間ほどの太さの蔦が一斉に向かう。


「ちっ、邪魔くせぇ!」


 近づいてくる蔦を片っ端から引きちぎり、粉砕する。

 それを見た幽香は、傘を置いた。


「これで最後ッ!」


 迫る最後の蔦を引きちぎった時に勇儀が見たのは、両手をこちらに向けた幽香だった。


「跡形もなく散りなさい」


 さっきよりも強力な、およそ威力の形容などできないほどのレーザーが放たれる。


「……ッ!!」





「おぉっと、ここで幽香選手の強烈な一撃が勇儀選手に直撃だーッ」


「もうあれ面倒くさくなったからやっちゃったみたいなノリでしょ。てかあの威力死んでないよね……?」


「あれを受けてしまった勇儀選手は果たして!」





 少しずつ煙が晴れていく。

 幽香の放ったレーザーは、草原に大きなクレーターを作り上げた。


(少し不意打ち気味だったけど……まぁいいわ。こんな大会さっさと終わらせて……)


「ッ!?」


 振り向き、感覚的に体の前で腕を交差させる。

 その直後にあまりにも大きな衝撃を受け、吹き飛ばされる。


「げほっ……っとにいきなりやってきやがって……」


 勇儀はむせながらも、流暢に服をはたいて土埃を落とす。


「中々決着つかねぇなぁ……幽香さんよぉ」


 軽く首を回しながら幽香を流し見る。


「えぇ……そうね。じゃあ次で終わりにしましょうか……」


 顔を上げた幽香は、凄絶な笑みを浮かべていた。


「私は次の一撃を全力で撃つ」

「いいねぇ、じゃあアタシもそれに乗ろうか」


 二人がゆっくりと構えをとる。

 幽香は右腕へと妖力を集中させ、勇儀は左腕に力をこめる。


 二人の間を、風が吹き抜ける。


「オラァァァッッ!!」

「ハァァァァッッ!!」


 二人の拳がぶつかり合う。

 轟音とともにその衝撃が大地を揺らす。二人の拮抗した力はやがて行き場を失い、最も伝わりやすい地面へと移動する。





「い、一体どうなったんでしょうか! 巻上がる砂埃のせいでよく見えません!」


「ん、少しずつ晴れてきたわね……」


「だんだんと見えるようになり……あーっとこれはーッ!!」


 ようやくカメラが写し出した風景には


「両者とも無傷で立っております!」




 二人が睨み合う。


「本気じゃなかっただろ、アンタ」

「ふふ、こっちのセリフね」


 静かに睨み合ったあと、幽香が日傘を差す。


「興が醒めた、もう帰るわ」


 幽香が手を上げる。


「アタシも明日のために今日はこんくらいにしとくか」


 小さな声でそう呟く。


「おい! 風見幽香!」


「……何よ」


 ゆっくりと振り向く。心底だるそうな顔で。


「またやろうぜ! 今度は割と本気で!」


 幽香はそれに答えずに、そのまま歩き出す。ただ、最後に小さく手を振った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ