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もうちょっと未来予測について……

 DVDとかブルーレイとか買っていると、つい見ないまま放り出しっぱなしの作品がたまってくる。

 というわけで、買ってから数年、見たことのないDVDを観ることにした。

 その作品は1953年公開の「バンド・ワゴン」。主演はタップの神様、フレッド・アステア!

 いうまでもなくMGMのミュージカル映画で、改めて今の時点で見ると驚くことが多い。

 ひとつは、今の日本にある娯楽が、ほとんど揃っていたこと。映画冒頭、主演のアステアが踊る場面で、日本でいえばゲームセンターのようなところなのだが、そのゲーム機が今に会ってもおかしくないほどバラエティに富んでいた。それとインスタント・フォト。ほら、証明写真や免許の更新のとき利用する個人がセルフ式で写真を撮る機械。こんなのも、当時からあったんだなあ……。

 もうひとつは映画の登場人物がやたら煙草を喫うこと。とにかくひっきりなしに喫煙の場面があって、列車の車内でも平気で煙草をふかしている。今だったら考えられない描写だな。

 ああ! そういえば宮崎駿監督の「風立ちぬ」が、やたら主人公が煙草を喫うので話題になったな。そのせいでアカデミー賞をのがしたとか、なんとか。


 と、ここまでは枕の部分で、これから本題。

 見ないDVDもあれば、何回か繰り返して観るDVDもある。

「スター・ウォーズ(SW)」と「スター・トレック(ST)」のシリーズは何度か繰り返し、見ている。

 どちらも未来の世界(SWは遠い過去、とあるけど)を舞台としているが、判らないのはどういう経済で成り立っているのか、ということ。

 SWのほうはどうやら貨幣経済が残っているらしい。今のところ最新作の「フォースの覚醒」において、主人公が金銭をやりとりしている描写があった。もっともそれは辺境だけのことで、コルサントなどの中央ではどうなっているのか判らない。

 STのほうもよくわからない。あれだけの宇宙船を建造するのだろうから、材料の調達、建造に当たる作業員の確保、設計者の報酬なんかどうなっているんだろう。

 SWのほうは多量のドロイドが存在するので、単純作業などは機械にまかせっきり、ということも考えられる。だがSTシリーズでは、アンドロイドのデータ少佐以外、ロボットはあまり登場しない。テレビシリーズではちょこっと出たりするが、そうありふれた存在ではなさそうだ。だからロボットが存在するとしても今の自動組み立て機と同じで、社会に浸透はしていないのかもしれない。

 そこで浮かんでくるのが「ハイパーデフレ」の世界なのかもしれないということ。

 ハイパーデフレとは、ハイパーインフレの反対語で、モノの値段がゼロ以下になってしまう世界のこと。

 つまりあまりに供給能力が高くなって、需要を追い越してしまい、物の売り買いという概念が存在しないのだ。

 どんなものでも、食料でも衣服でも、あるいは住居でも総ての物がタダで手に入る世界。

 わあ、楽でいいなあ……なんて感想が出てくるだろう。

 でもそんな世界でも、人間は何か役目をおわないと生きていけない。

 いいですか、衣食住がタダということは、それ以外で何か目的を持たないと他人からは尊敬されないということですよ。のんべんだらりと、ただ喰っちゃ寝て、食っちゃ寝てすれば、他人からは軽蔑される世界だ。あ、今でもそうだけど、たぶん、未来世界ではそれがさらに厳しい視線にさらされるだろう。

 未来ではぜいたくな生活、という概念すらないのかもしれない。そういうことを体験したければ、ホロ・デッキのような仮想現実があるし。

 他人に尊敬されるために、未来では必死に努力してそれなりの地位を目指すことになるのかもしれない。地位に昇っても報酬は「あいつはよくやっている」という評価だが、それが金銭の代わりとなっていろんな特権を手に入れることになるのかも。

 なんだ、どんなに未来になっても、人間はエデンの園に住むわけじゃないんだな。

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