SF入門……でもねえ……?
最近、本屋でぶらぶらしていたらちょっと心を動かす本を見つけた。
もちろんSFだ!
「時をとめた少女」作者はロバート・F・ヤング。おもに1950年代から60年代の短編をまとめた本だ。
このヤング、という作家はSFの本流というよりはちょっと傍流の、いわゆる「イイ話」系の短編を主に書いている。
ちかごろ早川書房や、創元SF文庫では、50年代、60年代の「アメリカSF黄金期」といわれる時代の作品を再刊している。
どうもSF初心者向けに、こういったラインアップを出版しているようだ。
まったく賛成だ!
今、SFはあまりにも高度になっているんじゃないか?
はじめてSFを読んだ時の感動を、取り戻そうとしているのかもしれない。
その点、これら古典といってもよい作品は入門編として最適だ。
が、もっとSF入門にふさわしい作品がある。
ぼくの考えではそれは「ドラえもん」だ!
作者の藤子・F・不二雄はSFが好きで、さりげなくSF味のあるマンガを描いている。
「ドラえもん」を読んで、SFの面白さに目覚める、なんてのはあっていい。
でももっと読んでほしい藤子マンガがある。
それは「モジャ公」だ。
たぶん藤子・F・不二雄氏の本領が発揮されたマンガではないか、とも思っている。作者のことばによれば前作の「21えもん」というマンガが打ち切りとなって、この作品のためにあたためていたアイデアが残っていたので「モジャ公」に使ったということだ。
藤子マンガとしては珍しくホームドラマではなく、主人公は宇宙せましと飛び回り、冒険をくりかえす。
たしか一度、アニメ化されたが、肝心の宇宙冒険ストーリーはなくなって、登場人物たちが地球にやってきて地球人の一家と暮らす、という内容になっていた。やっぱり宇宙冒険ものってのは、日本じゃむずかしいのかねえ。




