フェルミのパラドックスと、ドレイクの方程式について
久々に「科学的」な話題に戻ろう。
タイトルの「フェルミのパラドックス」と「ドレイクの方程式」をご存じだろうか?
前者は「なぜ宇宙人の存在を確認できないのか」という疑問で、後者は「この銀河系に宇宙人の文明はどれほど存在するのか」という問題だ。
宇宙人っているのか?
いやしくもSFを志向しているぼくが、こんな疑問を呈するのはどうなのか、と思われるだろうが、冷静に考えると不思議だ。
地球に生命が発生して三十億年、文明らしきものが発生して一万年。この間、地球人は孤独な存在を続けてきた。
今まで一度たりとも、宇宙人が存在する証拠を見つけられないでいる。
UFOはどうなんだ、と言われるかもしれないが、あれは宇宙人の存在を証明するものではない。未確認飛行物体、というのがUFOのことだから「宇宙人の乗り物」と証明されれば、それは「未確認」ではない。
作家のジェイムズ・P・ホーガンは自作でこんな理屈を開陳している。
毎年、UFOは目撃されている。その原因は多くは鳥や、飛行機の見間違いであったり、自然現象だったりする。が、ごくごくわずか、0・数パーセントほどは、その理由が説明がつかない本物の「未確認」な存在がある。
同じように毎年、世界中で交通事故は発生している。その原因は未熟な運転、車体の欠陥、道路の整備不良、酔っぱらい運転、あるいは居眠りなど、理由は様々なだ。
それでも年間、何件かは事故の原因が説明がつかない場合が存在する。どうしてこんなところで事故が起きたのか、どうにも理由が判らない事故がある。
そんなとき担当の警察官は「不明」としてファイルに書き込んで終わる。
そんな原因不明の事故の理由を「宇宙人」のせいにしたら、頭がおかしいとされるだろう。
同じように「未確認飛行物体」を宇宙人の乗り物、とするのも無理があるというものだ。
物理学者のエンリコ・フェルミはこんな疑問を呈した。
「もし宇宙人がいるとしたら、どうして確認できないのか?」
その疑問にいくつか回答がある。
一つ、宇宙人はいるが宇宙は広く、地球まで来られない。
一つ、宇宙人はいるが、あまりに発達していて、地球人には理解できず確認できない。
一つ、宇宙人はすでに地球に来ているが、地球人と見分けがつかない。しかしその正体はルーマニア人である(そんな馬鹿な!)。
いずれも「宇宙人はいる」という前提だ。
しかしその前提を引っくり返す説がある。
それは「宇宙人はいない。この銀河系で文明を発達させたのは地球だけだ」というものだ。
うわあ……。
なんて絶望的な説だろう。
さてドレイクの方程式だ。
詳しいことは検索してほしいが、要するにこの銀河系に宇宙文明があるとすれば、その数はどのくらいだろうか? ということを推測するための方程式だ。
N=R*×Fp×N℮×Fi×Fc×L
これが方程式だ。
この方程式の左端の「N」は文明の数。右端の「L」は文明の寿命となる。その他の記号については、検索すれば必ずヒットする。
ドレイクの方程式
これをコピペして検索しよう!
さて「N」と「L」だが、もし「N」が「1」となればどうだろう。方程式に各数値を割り当て、計算すれば右端の「L」が導き出されるのではないか?
すなわち地球文明の寿命が割り出されるのだ!
ある計算ではこの数値を約一万年、としている。
考えてみれば、地球に文明らしきものが現れてすでに一万年。
もしかしたらこの文明は終焉を迎えているのではないか?
こわいですねえ!
どうかこの方程式が間違いでありますように……。
ついでにちょっと自作の宣伝。
「宇宙船野郎~SF宝島~」というぼくの小説が、このテーマで書かれている。
よければ一読を……。




