ネイティブに聞いてみたいこと~その2~
前回の続きで、今回は〝訛り〟について考えてみたい。
海外の小説で、よくキャラの説明として「彼は南部訛りの紳士だ」とか「ひどいコクニー訛りで」などとある。
南部訛りとは、アメリカの南部の訛りである。二百年前ほど昔、南部上流階級の子弟は、黒人奴隷の乳母、召使に育てられることが多く、そのため黒人の喋り方が移ってしまった。それが現代に残る、南部訛りだ。
日本の地方でいえば、九州か?
黒人英語といえば、「フライング・ハイ」という映画で、ニューヨーク、ハーレム出身の黒人が、黒人特有の喋り方のせいで会話が通じず、通訳がはいるというヒドい描写があった。
なんでもハーレムの黒人の若者は、黒人同士の会話が白人にまねされると、言い回しをかえて、新しい言葉にしてしまうそうだ。日本でいえば、渋谷のヤンチャなアンちゃんたちの言葉か?
コクニー訛りとは、ロンドンの下層階級で話されるもので、「H」の発音が省略されるという特徴を持つ。イギリスでは上流階級と、下層階級では話される発音が違っているという。
このコクニー訛り「オースティン・パワー2」でギャグとして描写されていたが、あいにくぼくはこのギャグがよくわからなかった。なにしろ英語そのものが、わからないから。
翻訳するなら「ひ」が「し」になってしまう、江戸下町言葉がぴったりかもしれないな。
映画で訛りといえばアーノルド・シュワルツェネッガーが「オーストリア訛り」で有名だ。かれの出世作「ターミネーター」で、「未来のロボットがオーストリア訛りなんかい?」とつっこまれていたっけ。でもオーストリアはドイツ語圏だから、ドイツ訛りとはいわないのかね?
戦争映画などで、戦艦の機関長はたいてい「アイルランド訛り」「スコットランド訛り」という設定だ。SF映画でいえば「スター・トレック」のスコッティ機関長(吹き替えではチャーリー)がスコットランド出身という設定になっている。
頑固で、仕事一徹というイメージがあるのかもしれない。
もし翻訳するなら、関東圏の茨城、栃木などの「だっぺ」言葉がふさわしいのかも。
どちらもイギリス連邦の国だが、なぜか「ウエールズ訛り」のキャラは見かけない。英米でウエールズ訛りは、どんなイメージなんだろう。埼玉?




