十九ノ怪
あれから鬼さんは夕食の時も現れず、朝も目が覚めたらすでに朝ごはんが置かれていて鬼さんは姿を見せなかった。
俺を好いてみないカ?
鬼さんの言った言葉が頭に残る。あれはどういう意味なんだろう。
そのままの意味かしら。それとも別の、ほの暗い意図があっての言葉か。
どちらにしろわたしが鬼さんに好意を抱くなんてことは無いと思う。友好的に思うことはたまにあるけれども、やっぱり過去のことや現状のきっかけを思うと、心の底から仲良くやっていこうと思うのは難しい。
鬼さんの言う良い付き合いというのは、わたしの思う付き合いとどうも違うみたいだし。
目の前の朝食を見ても、昨日同様食欲が出てこない。
空っぽなはずの胃の中にまるで重い石の塊がずっしり入っているようで、気分も重くなる。
鬼さんはきっとわたしが折れて、それこそ鬼さんにとって都合の良い生きた人形に変わるのを待っているんだろう。質の悪いことにその過程を暇つぶしとして楽しみながら。
きっとあの時わたしが冗談でも『好いてみたい』と答えれば、それを自分の良いように歪曲し、了承したとみなしてその場で嬲ってきただろう。
普段は軽薄でいるくせに、常に隙あらばこちらの足元をすくおうと狙っている。それが鬼さんだし、そもそも鬼というものなんだろう。
「またふりだし、か」
はぁと深い溜息がこぼれる。
あくまで友達としての仲良くだなんて無理があったのかもしれない。そもそも鬼さんはそんな関係を望んでいるんじゃないんだろうし。
でもだからといって鬼さんの『お相手』をするなんて絶対に無理だ。抱きつかれるだけで嫌悪感を持ってしまうのに、そんなことになった日には正気でいられる自信がない。
「なんとかならないかなぁ」
一人呟いて、また深く溜息をこぼした。
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鬼さんが姿を現したのは朝食を終えて少し経ってからだった。
無表情にわたしを一瞥すると、籠の中に入ってくる。
「今日も一刻ダ。時間になったらまた戻ってくるカナ」
トンと畳の上にお香を置いて鬼さんは籠と部屋から出て行く。
あまりにもさっさと行ってしまったので思わず呆然としてしまった。
……やっぱり怒ってしまったのかな。
「御姫さん」
呼ばれて視線を下げれば、細い煙が立ち上り人の姿へ変わっていく。長い裾を翻す動作をして、宙に小さな人型が鎮座する。
「本日は私がお話をさせて頂きます」
「お話?」
「はい。どうぞお聞きください」
そう言って話しだした内容は、古典落語だった。
昔おじいちゃんがよく話をしてくれたから、全部ではないけれどだいたい覚えている。
けれど、落語独特のくるくる表情が変わったり大げさな手振り身振りなんてものはなく、紫さんは抑揚のないお経を上げるように淡々と話を続けた。そしてわたしが声をかける間もなく次から次へと話は変わっていった。
わたしが声を出す暇もなく、例え声をかけても、続けてしゃべるのを紫さんは止めなかった。
そして話は見計らったように、鬼さんが来る時間ピッタリに終わる。
時間が多少余っても、紫さんはお香の中へ逃げ込むようにその身を吸い込ませてダンマリを決め込む。
どんなに声をかけても返事はない。
そんな日が何日も、何日も続いた。
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「……では本日はこれにて」
小さな頭が丁寧に着いた両手に被さる。そして今日もまた、すぐさま細い姿に変わりお香の中へ引っ込んでいってしまった。
「紫さん待って」
声をかけてもやはり返事はなかった。紫さんも怒っているんだろう。
だったらなおさら無視されても……それでも、言わないと。
「ごめんなさい。以前わたしが余計なことを言ってしまったみたいで。変な詮索をするつもりはなかったんだけれど、紫さんの気に障ったみたいで。本当に……ごめんなさい」
精一杯の謝罪を口にしてみるけれど、聞こえていないのか、それともやっぱり無視をしているのか。紫さんからは返事がなかった。
やっぱり、だめなのね。
思わず落ち込んで肩が下がったとき、部屋の襖が開かれた。
「ン? 話は終わりか?」
「はい鬼様」
お香の中から凛とした声が、わたしではなく鬼さんへ返る。
やっぱり、怒っているんだ。
「オイ。紫を運んでやれ」
鬼さんが子鬼に指示を出す声がする。ほどなくして天井から子鬼が降ってきて籠の外でお香を受け取るとまた天井裏へと消えていった。
「……どうした鈴音?」
不意に声をかけられる。
「いえ。紫さんに、嫌な思いをさせてしまったみたいで。ちょっと落ち込んでいただけです」
「嫌な?」
「えぇ」
「やはり俺以外と話をするなんて無理じゃないのカ?」
「そんなことは……」
言いかけて口ごもる。
実際はどうなんだろう。あまり妖怪と友好的な会話なんてしたことがないから、自信たっぷりに『ない』とは言いきれない。
「苦痛ならやめた方がイイんじゃないか? 話し相手なんざいなくとも、俺が相手してやるカナ」
籠の中へ入りながら鬼さんがやや不機嫌な声を出して、わたしの傍らに立つ。
わたしが黙れば気まずい沈黙が流れた。
お互い何も話さず、いい加減この状態が辛くなった頃、考えを巡らし、少し逡巡してからゆるく首を振った。
「もう少し。もう少しだけ時間を下さい」
鬼さんと二人きりの世界に戻るのが怖かった。気まずくても、鬼さん以外の話し相手がいるというだけで精神的な負担も軽くなるのは事実で、この逃げ道を離したくはなかった。
けれども、それはあくまでわたし側の都合だ。
紫さんは鬼さんの命令で付き合わされているだけ。わたしの、わがままで。
だったらきちんと、伝えなければ。
「もう少しだけ、待ってください。……お願いです」
「ソウカ……なら好きにシナ。何をしても無駄ダガナ」
冷たい声と視線が降ってくる。
鬼さんはどう思ったのかわからないけれど、威圧のある気配に、思わず押し黙った。
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「紫さん聞いてください。どうしても謝りたいんです」
翌日。わたしは鬼さんが出て行ったのを見計らって、紫さんが話をし始める前に口を開いた。
「紫さんがせっかく話し相手になってくれたのに、気を悪くさせてごめんなさい。紫さんがわたしの話し相手を勤めるのが嫌になったのなら、どうぞ断って下さい。もう会ったりしません。わたしは常闇の常識や世間を知らないからって、言ってはいけないことを、きっとわたしは言ってしまったんですよね。本当に、ごめんなさい。今日も、嫌でしたら今から帰ってくださっても――」
「御姫さん。それ以上お喋りにならないで下さい」
鋭い声に喉の奥が締め付けられる。
紫さんにとって、わたしが話すことすら、謝ることすら、癪に触るのということ? もう何も話すな。そういうことなの?
ふるふると唇が震え、次第に涙で視界が歪んでくる。
わたしは一人舞い上がっていたんだ。やっと話し相手になるお友達が出来たと思って。
そしてその勢いのまま、つい先日まで仲直りが出来ると思い込んでいたんだ。
でも……けれども、紫さんにとって、謝罪の言葉すらもう鬱陶しいんだ。
わたしは紫さんにこんなに嫌われていたんだ。
「御姫さん。お話代わりに香を焚きましょうか?」
俯きかけたわたしに紫さんが声をかける。
探る様に目を向ければ、紫さんはいつもとは違って細い煙姿のまま、宙に漂いもせずお香から立ち上ってにいた。
「お香、ですか?」
「宜しければそちらで何かご用意して頂ければ幸いです」
お香と言っても……。
いきなり言われても何も持っていないわ。道具だって無い――あっ。
ふと思い出してすぐそばにある、机の引き出しを開ける。
確か鬼さんと遊んでいたときに見つけた入れ物があったはず。
『香を焚きなさい』と聞こえた声からすると、恐らくあれはお香なんじゃないかしら。
急く気持ちを抑えて、引き出しの中から文房具や雑用品と一緒にしまっておいた丸い陶器の入れ物を探す。
……あった。これだ。
わたしはそれを掴むと、紫さんに差し出した。
「これ、お香じゃないかと思うんですけれど」
言いながら陶器の蓋を開けて中身を見せる。
少しの間があってから、ふらりと大きく煙姿がゆらめいた。
「えぇ……そのようですね。それでは香炉の蓋を取った後、その粉をひと摘み中へ入れて下さい」
言われたまま、紫さんが立ち上っている香炉の蓋を静かに取る。
中には薄いクリーム色の灰が盛られ、その中央に四角いチップのようなものが置かれていた。そしてその中心に小さな木のかけらがポツンとあり、煌々と赤くなっているそこから煙が上っていた。
「この上に直接掛けても良いんですか? 紫さんは大丈夫なんですか?」
「その程度でこの紫、消えたりしませんよ」
クスッと笑みを含んだ声。久しぶりに聞いた穏やかな声に胸の内が少し温かくなる。
もしかしたらまだ、以前の様に仲良く出来るかもしれない。
懲りもせず、淡い期待が胸に灯れば自然と顔も緩んでいく。
「じゃあ掛けますね」
陶器の中の粉をひと摘みして、香炉の中へさらさらと掛ける。粉が舞い降り、木の破片を覆うようにして小さな山を作った。
「それでは蓋を閉めて下さい。少し時間がかかるのでお待ち下さい」
「分かりました」
頷いてその場で座り、香が炊けるのを待つ。
どんな香が香ってくるんだろう。手に入れた状況が状況だけに少し不安もあるけれど、今の鬼さんとの関係だとお香道具なんて揃えられないだろうし、焚き方だって教われそうにない。紫さんとだっていつ会うのを止められるか分からないもの。
これはちょっとした賭けでもあった。
負ければ今以上に苦しい立場に。勝てばこの状況から抜け出せる。半ばやけっぱちにそう判断して、紫さんにお香を焚いてもらうことにした。
このお香を焚いてどうなるかは、それこそ神のみぞ知るというもの。けれども、少なくとも今の紫さんとの険悪な状況からは抜け出す糸口になりそうなのだから。期待を込めて、香が炊くのを待った。
「御姫さん」
「はい?」
突如低い声で呼ばれ、顔を上げる。
煙その姿は相変わらずで表情もなにも分からないけれども、掛けられた声はひどく緊張を帯びていた。
「ひとつ、申し上げておくことがございます」
「はい……なんですか?」
「私は御姫さんを騙す為に参ったのです」
「え?」
「初めからそのつもりでお会いしました」
「どういうこと?」
「御姫さんは……鬼様のモノになるのです」
言われた意味が分からなくてポカンとする。
鬼さんの物って、それこそ既になっているし。今更そんなこと言われても。
「あのー、もう鬼さんに飼われている状態なんですけれど」
思いつめた言い方するから何事かと思っちゃった。
紫さんは今までわたしを鬼さんの友達とでも思っていたのかしら。いくら鬼だからって友達を籠に閉じ込めるなんてするはずないと思っていたんだけれど、違うのかしら。
「そうではないのです。……そうでは」
淡々としつつもどこか苦しそう。
そのことを気遣いながら、わたしは眉を寄せて紫さんを見た。
「それなら、どう、違うんですか? 具体的に言ってもらっても、良いですか?」
「……では……」
そう言ってから、ふぅと長い息を吐き出す音が聞こえた。そして一呼吸おくと、紫さんがゆらりとゆらめいた。
「御姫さんは鬼様の御慰め役になられるようになったのです」
「御慰め? それってなに――」
聞こうとして固まる。
紫さんのさっきまでの言葉と態度。それから今のセリフ。
よぎる嫌なイメージに血が逆流して頭から血の気が失せるような感覚が襲ってくる。
「……嘘よ」
「嘘ではありません」
「嘘に決まっているわ」
「嘘などではないのです」
「あり得ない。そんなこと出来っこない。無理よ」
「御姫さんの意思は関係ございません」
「だって、そんなの無理ですよ! だって鬼さんと約束しています!」
立ちあがって叫ぶ。
そうよ。無理に決まっている。だってわたしは約束を破っていないもの。鬼さんに帰りたいだなんて言っていないもの。
でもどうしてだろう。すごく不安になる。
じっと乱れた息を整えるのも忘れて細い煙を見つめる。
恐らく紫さんはなにか確信を持って言っている。そんな気がしてならない。
緊張と動揺から喉がしまって吐き気がしてくる。ぐっと両手に拳を作ると、知らないうちに手のひらには汗が滲んでいたようで丸めた指に湿り気を覚えた。
「どのように?」
「え?」
「どのように鬼様と御約束したんですか?」
「わたしが、その、あちらに帰るって鬼さんに言わなければ手は出さないって……」
一応用心して『帰りたい』という言葉を避ける。
口内が乾いていたようで、呟いた後唾を呑みこんだ。
「鬼様は御姫さんに『帰りたい』と言わなければ良いと仰ったんで?」
「そうです」
「鬼様にだけ?」
「え……?」
「鬼様にだけ、仰らなければ良いと?」
「どういう意味ですか?」
「鬼様はあなたが『帰りたい』と言ってはならない、と御約束されたのですよね。御姫さん、あなたは初めてお会いした日、私に『帰りたい』と言っておりますよ。……それがどういう意味だか、お分かりですか?」
淡々とした言葉に、息が、心臓が、思考が、それぞれ停止する。
あの時鬼さんはわたしに言った。『帰りたい』と言わなければ手を出さない、と。あくまで『帰りたい』と口にしなければ良いと。
けれども鬼さんにだけ言わなければ良いとは言っていない――?
それじゃあ、わたしは……。
わたしは言った? 言ってしまった?
……それこそ嘘だ。そんな覚えはない。わたしは言ってない。言ったはずない。
そう言おうとするけれど、顎が震えて、舌が張り付いて声が出ない。
思いだそうとしても、頭がそれを拒絶する。
「再現なさいましょうか?」
大きく煙が広がり、二つの人影を作り出す。呆然としながらそれらを見る。
一つの影は背筋を伸ばして正座をし、もう一方は小さな豆粒の様な影。ときおりふらふらと揺らめきながら影達は話し出す。
――おやそうなんですか。てっきり怨んでいるのかと。
耳に聞こえたくぐもった紫さんの意外そうな声。
鬼さんのことを好きかと聞かれて、嫌いではないと答えた私に、紫さんは驚いて言った時だ。
――確かに家族や友達とかから引き離されてしまった事はとても悔しいですし、今でもムカムカしますけれど、怨んでいるっていう感情までは不思議と出てこないです。
――もちろん帰れるなら『帰りたい』んですけれど。
今度こそざっと血の気が全身から引いた。そして強いめまいに襲われ、部屋全体がぐらりと傾いたような錯覚を覚える。
落ち着かせるように大きく呼吸をして俯けば、見えた手足はブルブル震えて真っ青を通り越して真っ白になっている。
「お……おにさ……んは、このことを……知っているん、です、か?」
ガクガク鳴る歯を抑えながら紫さんに訊ねる。
静かに空気が動いた気配がしたあと、小さく息を吐いた音がした。
「……私はお伝えしてはいないですが、恐らくご存知かと。呪いをかけたのは鬼様御本人ですからね。私がお教えする必要など御座いませんでしょう」
鬼さんはあの時からわたしが言ってしまったことに気が付いていたってこと?
そんな素振り、まったく無かったのに?
でも、もしかしてあの『好いてみないか』という意味も、暗にいつでも手を出せるってほのめかしていたってこと?
それでわたしは……鬼さんに……鬼さんと……
喉元に何かがこみ上げてきて両手で口を覆い、しゃがみ込む。
体全体が揺れ続けて呼吸も苦しい。
嫌だ……嫌だ……怖い……怖い……
同じ言葉何度も繰り返す。でもそんな事をしたって何も変わらないのだと、どこか冷静な部分がわたしを蔑む。もとから逃げ場なんて無かったじゃない、と。
「……そろそろ香が焚けてきたようですね」
静かな声が掛けられる。
でもとてもじゃないけれど、そんな気分に慣れない。お香なんて楽しんでいる場合なんかじゃない。
次に鬼さんと顔を合わせた時、普通に接することなんてわたしには出来ないだろう。きっとそれをきっかけに、散々痛めつけられて鬼さんに嬲られる日々がくるんだ。たとえ今すぐでなくとも近い未来そうなるんだ。
だってわたしにはもう身を守るものは何もないんだから。
「御顔を上げて下さいな御姫さん。悪いことばかりではないですよ。紅い鬼様の寵愛を頂けるなんて、本来弱い人間ではあり得ないことなんですから。怖いのなんて最初だけです。……常闇にだって慣れたではありませんか」
わたしは強く歯を食いしばった。
紫さんなりの慰めだったのかもしれない。励ましだったのかもしれない。
でもわたしにとっては全て逆効果だ。
「慣れ、たくなんて、ない、です……鬼、に、好かれ、たって、う、嬉しく、なんかない、です……。わ、わたしはただ……ただ……」
悲しいだなんてそんな簡単な感情を優に超えているのに、目から涙が滲み始め、小さな子供みたいに喉がひくついた。
そんなわたしを甘い香りが漂ってまとわりついてくる。完全な八当たりだと分かっているけれど、それすら疎ましいし今はどうでも良い。
もう少ししたら鬼さんがこの部屋に戻ってくる。
そしたらわたしは……
やめれば良いのに、また嫌な画が頭の中でひしめき合う。
それらが頭を完全に占領したときに、今度こそ涙が止まらなくなり、両手で顔を覆った。
「……御姫さんは鬼様がお嫌いなのですね」
ずっと泣いていたわたしを前に、紫さんが静かに呟く。
「……あい分かりました」
「え? ……な、に? 紫、さん?」
意を決した呟きに顔を上げたその瞬間、紫さんの体がぐらりと大きく揺らめいて部屋中に紫さんの煙が広がった。
「紫さん!?」
叫んだと同時に視界が急に悪くなり、不安に駆られて思わず立ち上がる。
「紫さん、いったいどうしたの?」
わたしの呼び声に返ってくる声も無くただ煙がわたしを包み込む。白い格子も机も、籠の外にある着物も何も見えない。それどころか、すぐ目の前すら何も見えなくなっている。
「……紫さん? どこに」
「鈴音ちゃん」
わたしの声に被せる様に、凛とした、透き通る声。
朦朧とした意識ではなく、はっきりとした感覚で耳に聞こえた綺麗な声。
動けず目を見開いて固まっていると、次第に晴れていく視界。
そこには籠の中、立ち上っているはずの細い煙はなく、美しい姿をした鬼女の姿があった。




