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エルフの少女グラティア〜永遠の命を持つエルフに人族が恋をしたら、こうなってしまう〜  作者: くろくまくん


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「ラ・メーラ」の料理は思っていた記憶より美味かった

ムジカの提案とアルドの要望もあり、少しお高めではあるが「ラ・メーラ」に行くことに。


果たしてラ・メーラの料理の味は…?

「あっ、とりあえず料理来たみたいだし、難しい話はあとにしよう!おーい、こっちだよ〜」


 料理を運ぶ店員に手招きして催促するムジカ。


 運ばれてきたラ・メーラは想像以上のものであった。


「うわぁ〜!すごく美味しそう!!」


 アルドが興奮して立ち上がる。私も実は興奮していた。3人の頼んだものが同時に運ばれてきたが、そのどれもが美味そうだったのだ。まず、私が頼んだ「魚介たっぷりのあっさりシーフードラ・メーラ」だが、まさに言葉通り魚介をふんだんに使われていた。イカやエビ、貝類などの様々な種類の魚介をたまに豪快な店などがやるような、どんと丸ごととかそういう視覚的なインパクトはないのだが、あえて上品なひと口サイズに綺麗に切り揃えられており、しかもひとつひとつが丁寧に下味をつけられているのが、見るだけで分かる。もちろん魚介だけでなく、それに合うような野菜が一緒に煮込まれていて、彩りも綺麗だ。私はそれをひと口スプーンですくい、食べた。


「む。美味い…」


 あっさりの言葉通り味は濃くなく、魚介の色々なダシとほのかに感じる塩気だけの味付けであった。さらに卵でくるまれたご飯は、白身魚を一緒に炊き込んだであろうご飯にキノコや野菜をこれまた細かく刻んだものを混ぜていて、卵と、そして魚介の具材、そしてあっさりだが深みのあるスープととても合う。


「あれ?グラティアが言葉を失うほど、って結構美味しいっていうことだよね〜?よっぽど美味しかった?僕もあとでひと口欲しいな〜」


「いや、これは私が注文したラ・メーラだ。食べたければムジカもまた頼むといい」


 ムジカが苦笑する。そのムジカとアルドが2人で頼んだラ・メーラもまた私のとは違うが、とても美味そうだ。


「この『ゴールデンスペシャルラ・メーラ』美味しいっ!上にかかってるソースはちょっぴりピリ辛だけど、野菜とお肉も柔らかくてすごく上品な味だよ」


 アルドが今食べているのは、ソースが少しスパイシーな感じの茶色いものがかかっており、そのラ・メーラ本体も、中のご飯は同じく薄茶色で、ひき肉と細かく刻んだ野菜と一緒に炒めたようなご飯のようだ。あっさりのあとに少し食べてみたい…これはこれで美味そうだ。きっとエールに合う味に違いない。


「アルド〜、この定番の『ふわふわラ・メーラにチーズソースを添えて』も絶品だよ〜。卵がふっわふわで、このチーズソースを付けながら食べると、すごく美味しい!」


 ムジカの「定番ふわふわラ・メーラ」も捨てがたい…うむむ、やはり前に来たときはあまりにも貴族達がムカつき過ぎて、味わうこともしてなかったからか。これからは、頑張ったご褒美はこの店にしよう。決めたぞ。


「ムジカさん、言ってたように半分こずつにしましょうね。このセットのサラダとスープも美味しいです!」


 私は半熟卵の野菜サラダと、チキンスープにしたが、アルドは生ハムとフレッシュ野菜のサラダとオニオンスープ、ムジカはベーコンのポテトサラダと海藻のスープにしていた。どれもセットに付くようなオマケとは思えないほどしっかり作られている。


「あ、もしなんだが…せっかく3人で違うものを頼んだことだし、小さい器をもらって、少しずつ分け合うのも、たまには良いと思うのだがどうだ?」


 ムジカがにんまりしている。クソむかつくやつだ。


「あ〜、やっぱりグラティアも僕たちが頼んだラ・メーラ食べたくなっちゃったんでしょ?僕はいいよ、元々そのつもりだったし。アルドは?」


「はいっ、僕もグラちゃんのシーフードのも少し食べてみたいし、みんなで分け合えば楽しく食べれるしいいと思います」


 というわけで、店員に皿をいくつか持ってきてもらい、みんなで分け合った。うむ、やはり味が色々あったほうが良い。分け合うと言うのは素晴らしい。


「みんなで食事、楽しいね〜。僕は色んなところを旅しながら色々な種族と関わることがあるから慣れてるけど、グラティアとアルドはマグヌスからほとんど出ないから、新たな出会いというのはないんじゃない?」


 まぁ、そう言われればそうかもしれない。


「あぁ。だがこのルミノース王国、というかマグヌスでは色んな種族が住んでいるから、ここにいる限り自然と多種族と関わることにはなるぞ。人族の中でも私は苦手だが、貴族達とも関わってはいる」


「グラちゃんって、すごく長く生きてるんですもんね、ムジカさんもですけど。ていうことは、僕の父だけでなくて、その父や、そのまた父、ちょっと想像できないですけども、僕のご先祖様とももしかしたら関わっているかもしれない、ってことですよね〜?」


 アルドがラ・メーラをもぐもぐ食べながら話す。体が大きくなったから、よく食べるようになった。よく食べることはいいことだ。


「確かにそうだな。まぁアルドの父も知らぬ間に関わっていたくらいだから、私は認識していなくても、もしかすると、ということはあるかもしれない。私が知らなくても、相手は私を知っていることはいくらでもあるぞ」


「グラティアはあまり深くは政治の方にも関わらないからね〜、僕もそうだけど。長命な種族はどちらかと言うとその国に深く関わって、国の中枢ちゅうすうにいたりすることが多いからね。確かルミノース王の側近も確かエルフ族だったような。貴族たちは自分達自身は力も弱いし限られた命だから、多種族の力と繋がりを金で買えることは買い、自分達の子孫に受け継ぐことで、それを途絶えることなく繁栄させようとしている。グラティアが毛嫌いするのもわかるけどね…まぁ上手くやっていれば、金には困らないからいいんじゃない?」


 ムジカは普段気楽にしているようだが、わかっていることはきちんとわかっている。色々な国を巡り見聞けんぶんを広めながら、他国の情報もきちんとおさえているムジカは、割とそれぞれの国から重宝ちょうほうされているような気もする。


「あまり僕にはわからないことも多いですけど、ムジカさんやグラちゃんは今まで生きてきて、僕らが今こうやって普通に暮らせている基礎というか、基盤を作るためにお仕事をしてきてくれていたんですか?」


「ん〜。まぁ大げさに言うとそうかもしれないけど、そんな大したことはしてないよ。アルドは今のところすぐには貴族たちと深く関わることはないだろうけど、もしかしたら少しは接することはあるかもね。例の冒険者ギルドも管理しているのは貴族だよ。基本的に王国が管理しているからね。嫌なことを言うけども、力と金はとても密接に繋がっている。だから、僕やグラティアは力を持っているから、望まなくても自然と貴族とも関わることになるというわけだよ」


 ムジカはワインが進んでほろよいになっていることもあり、いつもより良く喋っている気がする。


「ムジカ、あまり難しいことを言ってもアルドはわからないと思うぞ。それより先ほど言っていた、冒険はどうする?私とムジカはSランクだからどこでも行けるが、アルドはまだ登録したてだから、受ける依頼は限られている」


「あ、そうそう。それも話そうと思ってたんだけど、とりあえずは街を出ることも目的のひとつだから、港町のポルトゥスに行く依頼を受けてみたらいいかなと思うよ」


 私の問いにムジカはすぐ答えた。それに反応するアルド。もうラ・メーラはほとんど食べ終わっている。


「あっ、港町ってお魚がいっぱい食べれるところですか?僕行ってみたいです!」

 

「さすがアルド、よくわかってるね〜。やはり旅の醍醐味だいごみは食事、グルメだよね〜。あ、その前にさっき見てたここのデザート!どうしようか?甘い物は別腹って言うもんね」


 ムジカはたまには良いことを言う。私もそろそろデザートにいきたいと思っていたのだ。それにしても港町ポルトゥスか。私もたまに護衛や冒険者の付き添いで行ったことはあったが、ここ数十年は行っていないので、久しぶりに行きたい気持ちはあった。


「あっ、僕はこのラ・メーラ特製、洋梨のミルフィーユっていうのを食べたいです!美味しそう〜!」


 ラ・メーラでの食事はとても楽しかった。たまにこうやってみんなで食事をするのはいいものだ。ただ、ここは少し他の店に比べて値が張るので、しょっちゅうはやめておこう。もしくは貴族の仕事を増やすか…まぁ今はそんなことを考えるものではないな。無邪気にデザートを選んでいるアルドの笑顔を見ていると、癒やされる。今はこの笑顔を純粋に楽しんでおくことにしよう。



貴族御用達の店「ラ・メーラ」にて楽しいひと時を過ごせた3人。


アルドの冒険者としての初依頼も兼ねて、港町ポルトゥスに行く話が出たが、これからどうなるのか。


ただ、魚を食べたいだけなのか。


◯登場人物


グラティア(慈愛):エルフ族の女性、256歳。ルミノース国生まれ、ルミノース育ち。精霊魔法を使える。


アルド(情熱):人族の男性、16歳。街中でグラティアを見かけ、声をかける。冒険者の父親と2人暮らし。


フロース(花):人族、男、36歳。フィデリスとパーティを組む冒険者、剣士。おとなしい性格。


アリシア(誠実):ハーフエルフ、女、90歳。フィデリスとパーティを組む冒険者、魔法使い。おっとりとした性格。出自は不明。


ムジカ(音楽):エルフ族の男性、320歳。吟遊詩人。

色々な国や、世界を巡りながら、詩を綴る。


◯ラ・メーラプチ情報

今回のラ・メーラの支払いは全てグラティア持ちになったが、ラ・メーラ3セットと、デザート3品、ワインのおかわりも合わせて、7万ルミー(およそ14万円)だったようだ。アルドには到底無理な支払い金額であった。

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― 新着の感想 ―
うわぁ〜美味しそう〜! 私もラ・メーラ行ってみたいです――あ、お値段的に無理かな……高ぁ……貴族が来るくらいですもん。というか、やっぱり貴族はむかつくんですね〜。たしか、マグヌスを治めてる貴族の、伯か…
ラ・メーラが美味しそうですね〜。 (*´ω`*) それにしても年齢のバラエティが豊かな食卓です。 傍から見ると浮いてたりするのかしら? (´・ω・`)
ラ・メーラでの食事は大金がとぶだけあって豪華でしたね。 三種類のオムレツかな? 読んでるだけでお腹がきゅうっと鳴るくらい、とってもおいしそうでした。 ムジカが注文したふわふわラ・メーラの美味しそうな表…
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