表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エルフの少女グラティア〜永遠の命を持つエルフに人族が恋をしたら、こうなってしまう〜  作者: くろくまくん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/19

吟遊詩人ムジカに歌を贈ってもらった

丘の上の草原で、アルドはグラティアに指輪を贈られる。


仲良くしている二人のところへ、ある者が声をかけてきた。


◯登場人物


グラティア(慈愛):エルフ族の女性、256歳。ルミノース国生まれ、ルミノース育ち。精霊魔法を使える。街中で出会った人族のアルドに興味を示し、行動を共にする。


アルド(情熱):人族の男性、16歳。2人暮らしだった父フィデリスは不慮の事故で亡くなる。グラティアに好意を寄せるが…。


ムジカ(音楽):エルフ族の男性、320歳。吟遊詩人。

色々な国や、世界を巡りながら、詩を綴る。グラティアとアルドの2人のことを気に入っている。女たらしだがグラティアのことは口説こうとしない。

「あっ、こんなとこにラブラブのカップルみっけ〜! 久しぶりだね〜!」


 能天気な声がしたと思ったら、やはりムジカだった。最近というか、ここ数年この歌うような声は聞いていなかったが、やはり苦手だ。


「おぉ、ムジカではないか。相変わらず寂しそうにしているな。今日はどうした?」


「相変わらずつれないなぁ〜グラティアは。せっかくはるばるインスラー皇国から船に乗って帰ってきたのにさ〜。よっ、アルド! 見ない間にすっかり大人になったじゃないか〜」


 ムジカは私の横にいるアルドに声をかけた。


「お久しぶりです、ムジカさん。すごく背が伸びたでしょ? もうグラちゃん追い越して、ムジカさんくらいになってるんじゃないですか?」


「そうだね、たぶん僕と一緒くらいだよ。グラティアは小さいからね〜。どう? あれからはみんな元気にしてるかい?」


 アルドは少し目を伏せた。私はすかさずムジカに、アルドの父親のことを耳打ちで告げる。


「あっ、そうだったんだね……それはごめんね。悲しかっただろうに……」


「父が亡くなってしまったのは悲しいですけど、こうやってグラちゃんが一緒にいてくれるので、僕は大丈夫です。ムジカさん気遣ってくれてありがとうございます」


「うん。アルドはホントに素直でいい子だね。あっ、そうだ。前に言った約束、覚えてるかな? ここまでくる旅路の途中でちゃんと作ってきたよ」


 ムジカはアルドに言っているが……約束?? てなんだ。


「え、ムジカさん、約束ってなんでしたっけ?」


「あはは。まぁ八年も前のことだから、人族のアルドはなかなか覚えてられないよね。僕はこう見えて、約束はきちんと守るタイプなんだよ〜」


「ムジカ、私はエルフだが、お前のした約束なぞまったく覚えておらんぞ」


「まぁ、グラティアは仕方ないよね。アルド、君が大きくなっても、グラティアと一緒にいたら、君に歌をプレゼントしよう、って言ってたんだよ」


「「あっ!!」」


 私とアルドは二人同時に声をあげた。ムジカは肩にかけていたギターを草原に下ろし、ケースの蓋を開けた。ムジカが取り出したギターは、ひょうたんのような形をしていて、本体の真ん中がくびれており、元々私はギターのことは詳しくないが、弦がたくさん張り巡らされていた。ギターの本体には、金属でできた装飾がされており、小さな宝石でも埋め込まれているのか、動かす度にキラキラと光っている。


「いいでしょ〜、これ。ギターラ・ラティーナっていう弦楽器だよ。まぁまぁ高かったけどね、金貨百枚くらいだったかな、忘れたけど」


 ムジカは物にはこだわるタイプらしい。私にしたらまったく価値はわからんが、確かに見るからに高そうではある。


「その楽器自慢はいいから、早く歌を聴かせろ」


「まぁまぁグラちゃん。ムジカさん、僕も歌、楽しみです」


「ちょっと待ってね。少しギターの音だけ合わせるからね。あ、せっかくだから座ってくつろぎながら聴くかい?」


 ムジカが指を鳴らすと、足元の草原から草木がスルスルと生えてきて、腰をかけれる草木で造られた椅子になった。


「わっ、ムジカさん凄い! これも魔法ですか」


 ムジカも同じく草木の椅子に腰をかけ、ギターのチューニングをする。


「この曲はね〜、私の愛しい君へ、という意味の歌だよ。タイトルは『Meaメア Caraカーラ』というよ」


 アルドが少し顔を赤くした。


 ムジカはギターでアルペジオを奏でながら目を閉じる。そして、アルペジオにのせてムジカが歌う。



 君がそこを歩くだけで

 その道は喜び花を咲かせる


 君を照らす太陽も

 そよぐ風でさえも


 君の美しさに

 その働きを休めてしまう



 ああどうか悠久ゆうきゅうの時を生きる君の

 一瞬でも君の瞳に触れることがあるならば


 それだけで私の一生は

 満ち足りたものとなるだろう


 ああどうか君の微笑みが

 世界の終わる時まで続きますように




 ムジカの演奏が終わった。普段の話し声は苦手であったが、歌と演奏はなかなかのものだった。


「ムジカさん……めちゃくちゃいい……めちゃくちゃいい歌です……」


 アルドが感動したのか、目が潤んでいる。


「そりゃそうでしょ〜。だってアルドが、グラティアに想いをせるのを想像しながら、作ったんだから。よくできてるでしょ?」


「まぁ……なかなかだな。アルドが喜んでるからよかったと思う」


「ねっ。あ、そういえばアルドも大人になったんなら、ギルドに登録できるようになったんじゃない? もう登録したの?」


 アルドはそれを聞いてうなずく。


「はいっ、ちょうど16歳になった時に、登録はもうしたんです。ただ……まだ仲間は見つけられてないので、依頼を受けるまではしてません」


「あ、そうなんだね。まぁ急ぐことはないけど、僕は次の旅立ちまで一ヶ月くらいはマグヌスに滞在するけど、その間一緒に冒険に付き合ってあげれるよ?」


「出しゃばるなムジカ。私がいるから、お前に助力を頼む必要はない。どうせヒマだから暇つぶししたいだけなんだろう」


 苦笑いするムジカ。


「あはは、そんなことないって〜。まぁとりあえず街に戻ろうよ。僕、お腹空いちゃった」


 アルドは冒険者として、活躍することができるのだろうか。


ムジカが再びマグヌスへやってきた。


アルドにしきりに冒険を勧めるがムジカの真意は…?


挿絵(By みてみん)

上の画像は今回のエピソードのイメージイラストを、生成AIを使用して作ったものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 やはり、いつ拝見しても素敵な歌詞ですね。これは曲がほしくなります。
何語なのー。Σ(-∀-;)!? 英語!? はい、ラテン語でした。 ゜+(人・∀・*)+。♪ ぱやぱやー♪ アルド、冒険に出るのかな?
ムジカ登場しましたね。飄々として好きなキャラです。 アルドとグラちゃんの邪魔をするかと思いきや『MeaCara』を聴かせてくれるとは! それもアルドの想いを綴った歌なんですね。 アルドがうるうるするわ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ