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創造神と愉快な仲間たち  作者: 川森 朱琳
第三章 新たな創造神
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第五話 イアレスとブルートの決断①

お読み頂きありがとうございます。


頭が大混乱のイアレスとブルート。

二人はどうなってしまうのか…。


アンゼスが「瞑想部屋」…通称「奥の間」で、イアレスとブルートの今後について考えていると、案内を終えたイレスが戻って来た。


『アンゼス様…』


『ん。イレス入っていいよ。』


『失礼します。』


イレスはこの「奥の間」に、アンゼス以外で唯一入れる存在だった。


この部屋はアンゼスの深層心理にも繋がっている為、アンゼス本人以外は入ろうとしても弾かれてしまい、入りたくても入れない。

しかし、イレスはアンゼスとの「共鳴」が強く、「融合」に似た状態に達している為、入る事が可能なのだ。

それでも最初から入れた訳ではなく、あの覚醒の時の「共鳴」があったからで、逆に言うとイネスやイデスでは例え覚醒したとしても不可能。

アンゼスと「共鳴」出来るのは、アンゼスを基に創られたイレスのみ。イネスとイデスが「共鳴」出来るのは二人で一人として創られたからだ。同時にイレスとイネス、イデスは「共鳴」出来る。何故なら、二人はイレスを基に創られたからだ。


『イレス、二人の様子は?』


『…ブルート殿は柔軟性がありそうで、驚いてはいるものの拒否感は感じられませんでした。ですが…』


『…やっぱりそうか。イアレスは拒絶しそうだな。』


『……はい。その様に思います。』


『う〜ん、どうしたもんか……。

ブルート殿は恐らくイアレスをベースに創られた、私で言うイレスの様な存在なんだろう。

だが、見た感じ「個」として存在している。多分、私と創り方が違う上に創って直ぐにイアレスとは別の存在として接したんだろうな…。』


『無意識に互いを庇う様子を見ると、二人の絆は強そうですね。』


『うん。恐らく、根は優しいんじゃないかな。

ただ、私と違って興味が「壊す」事に集中してるのがなぁ…。

あの二人からは…何て言うか…「虚しさ」の様なものを感じたんだよね。きっと「壊す」事にも「虚しさ」を感じてたけど、それをやめたら…「無」になってしまう…そう思ってやめられなかった…そんな気がするんだよね。』


『……同じ創造神だからこそ分かる…という感じですかね?』


会って間もないイアレスを、予想とは言えそこまで理解し慮る…その事にイレスは微かに嫉妬心を覚えた。


『まぁ、そんなところかな…ハハ』


『……では、今後はどうなさいますか?』


『一先ず、本人の意思を尊重しようと思うけど、残りたいと言った時の為の準備はしないとね。』


『さっき試しに分析出来るかやってみたら、あっさり出来ちゃったんだよね。向こうも創造神なら無理かなと思ってたから、ちょっと拍子抜けしちゃってさ。

でもお陰で大体の能力…経験値が分かったからラッキーではあるけどね♪』


『そうなんですか?』


『うん。これは私の予想なんだけど…

私が創ったものは全てその能力や経験値が分かるんだ。だけど、私が創ったものではないもの…例えば「感情」に起因する能力や力に関しては、分析が難しい。

既に私の中にある「感情」はある程度分析出来るし扱う事も可能だけど、私が知らない若しくは持っていない「感情」については殆ど分からない。

対応方法が分からない…とでも言うのかな。』


『対応方法…ですか?』


『そう。だから、イアレスの「虚しさ」は理解出来るし対応方法はある程度出来る。でも、それ以外の「感情」が此処に残る事で生まれたとして、それが良い方に転べばいいんだけど、もしそうでなければ…「壊す」力が強まって最悪この神界を…って考えると、彼等を残す事が心配ではある。』


『そんな……では、やはり元居た場所にお帰り頂いた方が宜しいのではないですか?』


『う〜ん…でもなぁ……。

今のところ彼等の能力はイネスやイデスにも達してない…と思うんだ。だから、少しの間なら然程問題ないよ。まぁ、長く此処にいるとなると、どうなるかは分からないけどね♪』


『何を楽しそうに……っ!まさか!!

……興味を…持ってしまわれたのでは…』


『さすが、イレス!私をよく分かってる〜♪』


ニコニコ笑顔でイレスの腕をツンツンしてくるアンゼスに、若干の苛立ちを覚える。


『ですが、神界に何かあってからでは…』


『だから、その為の対応方法をしっかり考えないとね。イレス、頼りにしてるよ♪』


『…………はぁぁ…分かりました。でもその前に、あの二人には服を着てもらわねば、外に出歩かせられませんよ。』


『あ、確かに…全裸はね……くくく…けど、二人のあの姿…昔を思い出すな、イレス?』


『確かに、それは私も思いました。

本当に……懐かしいですね…』


アンゼスとイレスは二人しか居なかった当時を思い出し、暫し思い出に浸るのであった。




一方「三の間」の二人はと言うと……


『……なぁ、イアレス。お前、これからどうしたい?』


『……?』


『……このまま此処に残るか、またあの何も無い場所に戻るか…お前はどうしたいのかと思って…』


『………………それは…』


『……俺は…此処に残ってみるのも良いかな…と思う。ずっとじゃなくても、少し見物と言うか…』


『……そうか。』


『……お前は?』


『……俺は…』


『……決められないなら、俺の我儘きいて少しの間残ってくれよ!』


『……お前…』


ブルートが自分の気持ちを汲んで発言した事は直ぐに分かったが、素直にうんと言えないイアレス。


『な?いいだろ?少しでいいからさ!!』


『…………仕方…ない…な。』


『よし!じゃあ、早速あの二人に頼みに行こうぜ!』



その様子を見ていたアンゼスとイレスは目で合図してから、今来たとばかりに部屋に入る。


『やあやあ、ゆっくり休めたかな?』


『『……っ!!』』


『おや?寝台はお使いにならなかったのですか?』


『『……寝台?』』


『あら?私とした事が、使い方のご説明をしていなかった様ですね。申し訳ございません。』


『これはこうやって使うんだぞ〜』


と言って、アンゼスはベッドにダイブした。


『『……っ!!』』


『アンゼス様、いくらバネを加工したからと言って、そんなに激しくダイブしたら壊れますよ。』


『大丈夫だよ、その辺も考えて強化してあるからさ!題して、トランポリンベッドだ!!』


イアレスとブルートは、ポカンと開いた口が塞がらない。


『すいませんね、お二人共。驚いたでしょ?

あのベッドというのは、体を休める為に創られた寝床なんです。』


二人はアンゼスの行動もイレスの話す内容も、どれもが初めて聞く事でさっぱり理解出来なかった。


『……意味が分からん…』


『……ホントに…』


『さぁ、では神界をご案内しましょうか。

…っと、その前にお二人にはこれを身に付けて頂きますね。これは「服」というもので…と言ってもただの布ですが。

私達の様な体…此処では「人型」と呼ぶのですが、服を纏う決まりでして、当然お二方にも身に付けて頂かないと他のもの達に会わせられないんです。』


『豪に入れば郷に従えと言うだろ?この神界にいる間だけでも、従ってくれたまえ。』


『……服?』


『……豪に入れば…郷に従え…?』


またも理解不能な言葉に、二人の頭はパンク寸前だった。

そして、二人が茫然としている間にアンゼスとイレスによって、いつの間にか服を着せられていた。


『よし!これでオッケー!さぁ、行こう♪』


『では、こちらへどうぞ。』


あれよあれよと言われるがままに、身支度され御神殿から連れ出されたイアレスとブルート。


『さあ、先ずは何処に行きたい?いや、何処か気になる所や見たい所はある?』


『……気になる所?』


『……見たい所?』


『うん。何処かある?』


『『……あれ…』』


二人が指差したのは、目の前に広がる「海」だった。


『海か!オッケー!じゃあ行こう♪』


四人は海を目指して歩き始めた。


破壊を好むイアレスは、まだ混乱している為大人しいですが、何がきっかけで火がつくか分かりません。

ブルートが柔軟性がある様に見えるのは、ひとえにイアレスを守る為です。

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