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1話 夢の中で

1話は短いです。すみません。

 


『ーーシエル、あなたにお願いしたいことがあるの。もう一度、あの部屋にきて』




 まだ少し寒さの残る春の朝、夢の中で語りかけてくるその人は、どこかで見たことがあるような気がした。

「うーん……」

 といっても、齢3歳の私が会ったことがある人も少ないしね。

 そう私は今3歳だ。3人姉兄の末っ子で、全身真っ白な見た目をしている。そして、記憶力がよくて、生まれてからの記憶をすべて覚えている。寝起きだから思い出すのに少し時間がかかってるみたいだけど。





 そうだ、あれは確かまだ1歳にもなってないくらいの時、母方の祖父のところに行った時のこと。







 ガチャ

 扉を開けるとそこには、たくさんの妖精とそれに囲まれた綺麗な女の人がいた。



「あら、いらっしゃい。小さなお客さんたち」

「あぅ!」

 私は元気よく手をあげ挨拶をした。

「……誰?」

 兄は女の人に尋ねた。

「私はシルフィーネ・マギ・ソルフェ。あなたたちの先祖にあたるものよ」

「僕たちのご先祖さま…?」

 兄は女の人の返答に不思議そうな顔をしていたが、自分が名乗っていなかったことに気づいたみたい。

「僕はラルフ・ハルトマン。この子は妹のシエルだよ」

「ラルフにシエルね。わたしのことはシルフィと呼んで」

「わかった」



 この後、兄がシルフィと話している間、私は妖精たちに誘われて、遊んでいた……





 生まれてはじめてきた自分の知らない場所に、私はとても喜んでいた気がする。それにこんなにたくさんの妖精を見たのは初めてだった。

 私は妖精を追いかけて兄や侍女たちと祖父の屋敷内を探検していた時、キラキラ輝く扉を見つけた。

 その扉は私と兄以外には見えていなかったらしい。その扉は妖精が見えるものにしか見えないようになっていたみたい。

 あの部屋に入ったあと、急に消えた私たちをみんなで探して回ったらしい。

 結局部屋で疲れて寝ていた私たちを、祖父が妖精から聞いてみつけたらしい。





 夢で語りかけてきたのはきっと、その時出会ったシルフィだろう。

 シルフィは私に何をして欲しいのだろう?

 でもまたあの部屋に行くのは楽しみだな。






























 トントントン

「お嬢様、起きていますか?」

 侍女のメリーが来たみたい。

「……おきてりゅよ」

 起きてからずっと考え事をしていたから、少しぼーっとしていたみたい。




「お嬢様、もうすぐ朝ごはんなので着替えましょうね」

「はーい」

 私はメリーに手伝ってもらいながら着替えをして、食堂に向かった。




 途中で姉とあった。

「おねえしゃま、おはようございましゅ」

「おはよう、エル。今日も可愛いわね。ふふっ」

 姉ははっきりいってシスコンだと思う。

 私は兄と姉とは少し年が離れている末っ子なので、とても可愛がられている。

「おねえしゃまはきれいでしゅ」

「ふふっ、ありがとう。エルはいい子ね。」

 本当に姉は母に似て美人さんなのだ。




 そんなことを話しているうちに食堂についたみたい。もう私たち以外は揃っているみたい。

「おはようございましゅ、おとうしゃま、おかあしゃま、おにいしゃま」

 私はみんなに挨拶をしてから席についた。

「おはよう、アリス、シエル。さあみんな揃ったことだし、食事にしようか。」

 父が挨拶をした後、朝ご飯が運ばれてきた。




「はい、エル、あーん」

「あーん。もぐもぐ、んーおいしいでしゅー」

 私はまだ上手く食事をとれないので、メリーに手伝ってもらいながら食べた。私は食べるのに時間がかかるからだ。しかし、みんなは私に食べさすのが好きみたいだから、よく自分のものを私にくれる。だから私はなかなか自分で食べられない。今日は姉がお肉をくれた。最近少し太ったように感じるから、運動量を増やそうと思う。

 みんなは私が食べ終わるのをいつもにこにこして待っている。




 今日は父に話したいことがあったのでもくもくと食べた。食べている時に喋るのはお行儀が悪いからね。




 私は食事が一段落したところで、あのことを父に告げた。

「おとうしゃま、わたし、おかあしゃまのおじいしゃまのところにいきたい。」

「お義父様の所か。シエルは1度しか行ったことがないし、まだ1歳にもなっていなかったのに覚えているのか?すごいな。まあ、しばらく行ってないしいいぞ。すぐには無理かもしれないが、都合をつけよう。」

「ありがとう、おとうしゃま」

 どうやら無事に行けるみたい。




「エル、急にどうしたの?」

 兄は私がわがまま言うのが珍しいのか、不思議に思っているみたい。

「あのね、おにいしゃま、おじいしゃまのところはようせいしゃんがいっぱいいるでしょ?だからまたいきたいの。」

 本当は夢でシルフィに来てと言われたからだけど、シルフィのことは私と兄以外は知らないからここでは言わなかった。




 食事が終わったあと兄の部屋に行って、シルフィのことを伝えた。

 兄はあの部屋に行った時、私よりシルフィと話してたみたいだから何かわかるかとも思ったのだ。でも兄はシルフィのお願いの内容はまったくわからないようだった。やっぱり行ってみないとわからないみたいだ。





 それから10日後、私たち家族はソルフェへ向けて出発した。

主人公たちの容姿

シエル(主人公):髪も目も白

ラルフ(兄):髪は白、目は薄い紫

アリス(姉):髪は白金、目は翠


シルフィはシエルと同じです。


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