↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に落とされた…  作者: ほのぼのる500
隣人とは……適度な距離が必要!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
554/672

94.助かったぁ。

―アイオン神の補佐 マッシュ視点―


「ありがとう、親アリさん」


今、魔界に落とされた俺達は魔族に保護され、ある洞窟の中にいる。

その洞窟は、シックスティーンが結界を張り魔神力と闇の魔力の侵入を防いでくれている。

そしてアリ達と蜘蛛達が協力して、結界内を光の魔力で満たしてくれていた。


「気にするな。それより、体は大丈夫か?」


親アリさんの言葉に、小さく笑う。


「何とか、大丈夫かな」


魔界に流れる魔神力と闇の魔力は、神族の体を容赦なく痛めつけた。

魔族がすぐにこの洞窟に俺達を連れて来てくれて、結界を張ってくれたので死ぬ事は無かった。

でも、傷ついた体は徐々に体力を奪われている。


今、結界内は光の魔力で満たされている。

でも、現状維持をするのが限界のようだ。

すぐに神国に戻る以外には、生き残れる方法は無いだろう。

でも、この体では移動は無理。

かなり最悪な状況だ。


傍で寝ている仲間の神族を見る。

俺は呪界で、魔神力と闇の魔力に触れていたのでこの程度で済んだが、他の仲間はもっと酷い状態になっている。

スッと手を伸ばし仲間の手を握る。

体がかなり冷たい。

もう、彼は限界かもしれない。


「すまない、我々ではこれが限界なんだ。でもあと少しすれば、サブリーダーが戻ってくる。そうすれば、現状を改善出来るはずだ。だから今は少しだけ耐えてくれ」


親アリさんの言葉に、少し首を傾げる。

サブリーダーがこの魔界で自由に動き回れるのだろうか?

そう言えば、アリ達が魔族達に指示を出していたな。

……問題にならないんだろうか?


「ありがとう」


少し疑問に思うが、俺達のために動いている事は間違いない。

ただ、これ以上は迷惑を掛けられない。


「これで十分だよ。それより君達は大丈夫なのか? 体が震えてるよね?」


さっきから微かに親アリさんの体が震えている。

最初の頃は、震えていなかったのに。

もしかして、かなり無理をしているのでは無いだろうか?


「大丈夫だ。これは、我々の力が弱いせいだ」


えっ、俺に比べたらかなり強いのに。


「お待たせしました」


洞窟にサブリーダーが来ると、アリ達や蜘蛛達がホッとしたのが分かった。

やはり洞窟を光の魔力で満たすのは大変だったのだろう。

俺達のせいで無理をさせてしまった。

後で、不調など起こさなければいいが。


「主から魔石を預かって来ました。すぐに洞窟内の環境を神族に合わせます。最初は洞窟内を主の作った結界で包み込みます」


神族に合わせる?

魔界で?

大丈夫なのかな?

魔界王に許可は貰っているのかな?


サブリーダーが魔石を取り出すと、白い光を放った。

その眩しさに目を瞑る。


「あれ? 体が軽くなった!」


光が収まると、体に掛かっていた重みが消えている事に気付く。

シックスティーンも結界を張ってくれていたが、まさかこんなに違うなんて思わなかった。

呪界王は、やはり凄い存在なんだな。


「次にこの結界内を、神力と光の魔力で満たします。これで傷ついた体を癒せるでしょう。もし気分が悪くなった場合は、すぐに教えて下さい」


サブリーダーが次の魔石を取り出すと、さっきと同じように白い光を放った。

その瞬間、体を襲っていた痛みがスッと引いていった。


「えっ?」


まさか、こんなすぐに痛みが引くとは思わなかった。


「どうした? 何かおかしいのか?」


親アリさんが不安そうに俺の顔を覗き込む。


「いや、大丈夫。痛みが消えて驚いたんだ。あれ? 息がしやすい」


痛みと息苦しさがあったのに、どちらも無い。


「凄いな。こんなにすぐに変わるなんて、素晴らしい力だな」


呪界王が凄い存在だとは、アイオン神から何度も聞いた。

でも、実感したのは初めてかもしれない。

本当に、凄い存在だ。


「ふふっその通り! 主の力はとても澄んでいるから、体への浸透力も強いんだろう」


そうなんだ。

それにしても、体がどんどん軽くなる。

手を上にあげてグーパーをしてみる。

まだ少し動かす時に違和感があるけど、それもすぐに無くなりそうだな。


「痛みや、気持ち悪さを感じる方はいますか?」


サブリーダーが、神族の様子を順番に確認している事に気付く。

そして、ここからは見えないが、誰かの傍に寄ったみたいだ。

何かあったんだろうか?


「この方を奥に、集中的に治療しましょう」


サブリーダーの言葉に、顔を上げる。

この力の中でも駄目だったのか?


「大丈夫ですよ。彼は少し他の方より状態が悪かったため、別の治療をするだけです。きっとすぐに良くなりますから」


サブリーダーの言葉に、あちこちからホッとした声が聞こえた。


「他にはいませんか? 大丈夫のようですね。ではこれからの予定を簡単に話します。神族の方々は、この結界内で体を癒し、ある程度動けるようになったら、呪界に行き、そこから神国に戻ります」


サブリーダーの説明にホッとする。

死ぬかもしれないと覚悟したのに、神国に帰れるのか。


「良かったな」


親アリさんの言葉に頷くと、視線を彼に向ける。

あれ?

親アリさんの震えが止まっている。

良かった。


「親アリさんもありがとう。助かったよ」


「マッシュさん」


「はい!」


サブリーダーの言葉に、起き上がる。


「そのままでいいですよ。無理はしないで下さい」


「あっ、いえ」


凄いな。

無意識に起き上がったけど、もうここまで回復しているのか。


それにしても、どうして名前を呼ばれたんだろう?

かなり迷惑を掛けてしまったからな。

緊張する。


「あの、この度は申し訳ありませんでした」


サブリーダーに向かって深く頭を下げる。


「頭を上げて下さい。マッシュさんは、悪いことなどしていません」


でも、迷惑を掛けたのは神国の者で。

俺は神国に住む神族だ。


「悪いのは、馬鹿げた事を考えた者です。他の者達は被害者です」


そっと顔を上げてサブリーダーを見る。

彼はゴーレムなので、表情は読めない。

でも、どこか優しい雰囲気を感じる。


「ありがとうございます」


「いえ。アイオン神に、マッシュさん達が生きている事。それと、今は療養のため魔界から移動できない事を話してきました。何か伝えたい事はありますか?」


伝えたい事?

あっ、俺達を魔界に落とした神族も一緒に、魔界に落ちていたんだった。

何処だ?


「どうしました?」


キョロキョロしていると、サブリーダーが不思議そうに俺を見る。


「俺達を魔界に落とした神族も、一緒に魔界に落ちたんです」


「そうなんですか?」


サブリーダーも一緒に、周りに寝ている神族を見る。


「特徴はありますか?」


「えっと……」


チラッとしか見ていないんだよな。

髪が……肩ぐらいで、緑だったかな?


「髪は肩ぐらいで、緑色だったと思います」


「緑色?」


「はい」


サブリーダーが首を傾げる。

どうしたんだろう?


「その方なら、集中治療のために別室に移動しました」


さっきの者がそうだったのか。


「話を聞けますか?」


「今日は無理ですが、体調を見ながら話をしましょう」


これで主犯格が分かるといいけど。


「あっ、そうだ。今回の件はすぐに解決すると思いますので、気にせずゆっくり休息をとって下さいね」


「えっ、もう?」


「はい」


早過ぎないか?

もしかして神族を見張っているなんて事は……。

まぁ、いいか。


いつも読んで頂き、ありがとうございます。

申し訳ありませんが、3日~5日は更新をお休みさせていただきます。

短編とか校正とか仕事がたまってしまって、すみません。

次の更新は5月8日(月)になります。

宜しくお願いいたします。


ほのぼのる500

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。