十八話 ~怒ったレニアは怖い~
・・・どうしてこうなった。今の状況を説明するとレニアのお父さんが娘に説教を食らっています
「ねぇお父さん・・・ちゃんと聞いてる?」
「はい、しっかり聞いています」
さて、暇だしこうなるまでの経緯を振り返ってみようかな
「死ねえええええええええ!」
ひぃ!想像はしてたけど本当に襲ってきた!
「・・・・・ちっ」
俺が怯えているとレニアは何事も無かったかのように扉を閉めた。・・・ねぇ今舌打ちしたよね?正直そっちの方が怖かったんだけど・・・
「レニア?今舌打ちしなかった?」
「してないよ?」
「いや、でも聞こえてき
「リュートは何を言ってるのかな?女の子が舌打ちなんて野蛮なことするはずないじゃない。・・・イイネ?」
「はい!俺にはなにも聞こえてきませんでした!」
正直今はお父さんよりもレニアの方が圧倒的に怖いです。だって目が全く笑ってないもん。
「うん、よろしい」
なんか今日はこんな目に遭ってばかりな気がする・・・
「じゃあもう一回開けるからね!」
そうしてレニアが再び扉を開けると
「死ねえええええええええ!」
また来るの!?なんで今日だけで二回も同じ人に殺され掛けてるの!?
「・・・・ふん!」
「グフゥ!」
・・・うわぁみぞおち辺りにいいのが入った・・・
「なぁレニア・・・ちょっとやり過ぎじゃねぇの?」
「何言ってるの?これくらいやらないと反省しないから。むしろこれくらいしても反省しないかもだけど」
「・・・いや別に俺は気にしてないから」
正直凄く怖かったけど
「リュートがそういうならいいけど・・・ほらお父さん起きて!」
・・・暫く起きないと思うんだが。これ以上無いほど綺麗にみぞおちに入ったし
「無茶言っちゃいかんぞ?取りあえず家に入って親父さんの目が覚めるまで待とうぜ」
「そうだね・・・いつまでも家の前に立ってる訳にもいかないしね」
こんな経緯でレニアの家に入ってきたわけだが
「なぁ・・・お前の親父さん全然起きないんだけど大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫!あ、もう起きるよ!」
流石にそんな都合よく起きるわけ
「はっ!」
・・・マジかよ。都合よく起きちゃったよ
「・・・おはようございます」
「これはご丁寧に・・・貴様ァ!うちの娘になにを
「お父さん正座」
ああ、また怖くなってきた
「なぁレニア?さっきも言ったけど俺は別に気にして
「ボクが気にするの!はいお父さん、お説教するから正座して」
・・・ホントに怖い。声のトーンがマジなんだけど
「・・・分かった」
娘に弱いなこのお父さん
「いい?そもそもボクとリュートは・・・・」
ということがあって現在に至るわけだ。ちなみに説教はかれこれ20分程続いている。つまり言わなくても分かるが20分程放置されてる訳だ。寂しい
「・・・そういう訳だから、今すぐにリュートに斬りかかったこと謝って」
「すまなかった」
「うん?誰がボクに謝れなんて言った?リュートに謝ってって言ったんだよ?」
・・・怖い。怒ったレニアがめっちゃ怖い
「あの・・・レニア?さっきからずっと言ってるけど俺は別に気にしてな
「黙れ」
「はい!黙ります!」
何故か怒りの矛先がこっちに来たぞ。・・・怖すぎだろう
「ほら謝ってよお父さん。リュートに対して謝ってよ!ほら早く!」
「リュウト君、・・・すまなかったな」
・・・空気が重いよおおおおお!お父さんがいたたまれないよおおおおおお!
「ね?リュート、お父さんも反省してるし許してあげて?」
「いや、あのですね?俺は最初から許すつもりだったんですよ?ていうかもう過ぎたことじゃないですか!」
・・・正直こうでも言っとかないとまた空気が重くなりそうでね?
「やっぱりリュートは優しいね!」
違うんですよ・・・優しいとかじゃなくて俺がこの空気に耐えられなかったからこう言っただけですよ
「・・・そんなことないぞ?」
「リュートはもっと誇っていいんだよ?・・・よかったねお父さん、リュートが優しい人で」
だからなんでお父さんに対してだけ声のトーンが低いんだよ!
「あぁ、ホントにな・・・ところでリュウト君、ちょっといいか?」
「は、はい。いいですけど・・・」
何?俺どうなるの?ひょっとして今度こそ斬られるの?
「お父さん?リュートに何の用事があるの?」
「気にするな。男の会話をするだけだ」
男の会話って何?今回こそボコボコにされるの?
「絶対に酷いことしないでね!」
「しないから安心しろ!」
じゃあ殴られたりはしないのかな?それなら安心だ
そして俺は階段の前に連れてこられた
「あの?親父さん?用事ってなにが・・・」
「なに、聞きたいことがあるだけだ。君は昨日レニアのことを守るって言ったらしいじゃないか」
「!?」
なんで知ってるんだ?・・・あぁ、レニアが言ったのか
「はい、言いました」
「・・・それは本気で言ったのかい?それとも・・・」
やっぱり、疑われてたか・・・
「何を言ってるんですか?本気に決まってますよ!そもそも俺は冗談でこんなこと言えませんしね!」
信じて貰えるかな?いや、信じて貰えるはずだ。本気で言ってるんだから
「・・・目を見れば分かる。どうやら本気みたいだ」
思いはしっかりと伝わったようだ
「最初から本気ですよ。・・・もしあいつのこと泣かす奴が出たら」
「どうするんだい?」
「確実に仕留める為に正々堂々と背後から闇討ちします」
「卑怯だね!それは正々堂々とは言わないんじゃないか?」
「闇討ちなら誰にも負けない自信ありますよ?」
日本にいたときに最終的には悠斗にも少しだけ通じるようになったしな!
「・・・それなら安心だ。よかったよ、もし口だけだったらレニアに何を言われても今この場でボコボコにしてたぞ」
・・・やっぱり親父さんはレニアのことを本当に愛しているんだな。それにしてもボコボコって・・・
「納得はしてくれましたか?」
「まぁ納得はしたよ。でも付き合ってるってのは認めないよ」
・・・俺とレニアは別に付き合ってないんだよなぁ
「すいません、俺とレニアは付き合ってる訳ではないです。それに流石にそれは向こうが嫌がるかと・・・」
「いや、それはない。だってレニアは昨日君のことをきにな
「わあああああああ!それ以上言わないでえええええええ!」
・・・どうやら今までの話は全て聞こえていたようだ
「レニア?聞こえてたのか?」
「ごめんね、覗いてたの。本当にお父さんはリュートになにもしないかな?って」
・・・お父さんの信用のなさに泣けてくるな
「でもよかった!本当に何も無かったし!それに・・・」
うん?レニアが何か言っているけどうまく聞き取れないぞ?
「レニア?何か言ったか?」
「う、ううん!なんでもないよ!だからそろそろ出よ!」
やはり何を言っていたのかは気になるけど・・・詮索されたくないだろうし無理に聞くのはやめておこう
「そうだな!早いところ冒険者ギルドにも言った方がいいだろうしな」
修助さんも待ってるだろうしな
「そういう訳だからまた出かけるねお父さん!」
「分かった。・・・リュウト君!しっかりレニアのことを守ってくれよ!」
「当然です!それじゃあ俺もいってきます!」
こうして俺はレニアの家を出たのだった
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