悪夢の始まり
ジェスの気持ちは本当に嬉しかった。だから私が生き残らないとジェスが悲しむ。小さな頃からレジナルドの娘として稽古ばかりで、こんな気持ちは初めて。最初は不審者が倒れているって言われて暇潰しに行ってみたら...
っと、いけないいけない、今はもう軍を率いる立場なんだからしっかりしなきゃ。
「私は軍団長の命令でここに配属となった。私の部下となるからには覚悟してもらうぞ!」
「「おおおおお!」」
このまま何も起きなければ良いけど
○
くそ、身体が少し重いな。ここにいた間鍛えてないな...まずはここにいる人間を集める。せめて80は揃える。そいつらをうまく説得して挟み撃ち、頂上を頂く。自然とは巨大な要塞となりえる。
そろそろエイナが出発して3時間程経っただろう。俺の事を思ってか、エイナは自分の百人隊をここに残していったみたいだ。おそらく現地での即席だろう、これはとても助かる。エイナが危険だと知らせれば付いてくるだろう。さらにエイナは即席の隊で本領は発揮できまい。
「あ、あの...」
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何人かにエイナから伝鳥が届いた、危険な状態のため応援に来て欲しい...などだ。
「皆!エイナが危ないんだ、一緒に助けに行こう!」
「「おお〜!」」
「そこでだが、僕の指示に従って欲しいんだ!」
ここで周りから懐疑的な目線がささる。それはそうだろう、なにしろラトケル王国軍の者ではないのだから。
「おい、エイナさんを助けに行くとは言ったがお前さんに従う理由がねぇよな?もちろんお前さんの事が嫌いで言ってるんじゃねぇ」
はぁ、情熱系で攻めてみるか。剣を鞘から引き抜き男の肩に刺す。
「黙れ!僕もあなた達は嫌いではありません!むしろ好きです!それでもエイナの事はこの中で一番助けたいとおもっている!黙って俺に従えっ!」
もちろんエイナが危険な訳がない。たった3時間でエイナほどの女が助けを求めるはずない。要するに嘘っぱちだ。
「「...」」
黙りだ。だが、ここで指揮権を得なければ戦況はかなり厳しくなる。
「頼む!知識はそれなりにあるんだ!」
思いっきり頭を下げる。頭を下げるのなるて目的の為には何ともない。
「ジェスを支持します」
「...俺もだ」
「俺も」
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「俺も支持するぞ」
ふははははははは!まさに計画通り!第一段階はクリアだ。
〜回想〜
「いいかポーラ、俺が敵国側に行ったなら〜」
「っ!分かったよ。でもそんな事なんてあるの?」
「おそらくだが、ある」
○
目的地が見えてきたぞ。今まさに軍が衝突した様だ。少しの間待機命令を出して、休ませる
「やばいぞ!こっち側までエレシエルの奴らが来てる!これからぶつかる兵士はエレシエルの者と判断して当たれ。少しの躊躇が自分の命を落とすという事を理解しろ!」
「いや〜ジェス、なんか隊長って感じがしますわ」
そう、ユーシスのこれまでの支持は全て的確で、早くも信頼され始めていた。
「はは、ありがとう」
そしてぶつかる二つの軍団。一つはラトケル王国の軍、もう一つは俺が率いるラトケル王国の軍。
そして物資の補給地では火が上がっていた。物資を狙うのは基本だ。だからといってこのタイミングで...それはユーシスが狙ったからなのだが。火が食料に付く時間を調整したのだ。その準備時間はさっきの休憩の時のみだ。仕事がとても早かった。
ポール十人隊と言えば、ユーシスがいる方向へ真っ直ぐに向かっていた。
どうも!
平日なんでちょっと短いっす...