表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金術師は家に帰りたい ~百年寝過ごしたら自宅が異界化してました!?~  作者: ワイエイチ
近代錬金術復活編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/321

帰還と拉致

 ガーディアンからの素材採取もひと通り終わったので、そろそろポータルを探さないといけない。

 それから数分の間、皆でポータルを探し始めたのだが、ここで少し問題が発生してしまった。


「どうなってるんだ?」


 不思議なことに上層に向かう為のポータルが見つからないのだ。皆も少し慌て始めている。


「ガーディアンは確かに討伐したはずですが……」

 アリスの言葉に釣られてガーディアンの死骸を見る。ん、何気にガーディアンの下がうっすら光っているような……、そういえば素材の採取しやすかったな。

 ガーディアンの死骸に近づき、そのままひっくり返してみる。すると、ガーディアンの死骸の下敷きになっていた地面が光を放っていた。


「ああ、こいつが塞いでいたのか」


「なんにしても見つかってよかったわ」


 このままポータルが見つからなかったらどうなっていたんだろうか? やっぱり再戦しないといけないのかな?

 ポータルが見つかったことで、皆の緊張も解けたようなので、そのまま移動することにした。




 ポータルを抜けると、第一層クリア時と同様に塔のワンフロアに移動していた。

 特に代わり映えもしないので、皆の同意を得てそのまま外にでることにした。やはり皆ガーディアンと戦い終わって、すぐに次の層に入る気は全くおこらないようだ。

 外にでる際にジークが思い出したように仮面を外して僕に返してきたが、そのまま持っていてもらうことにした。


 再びポータルを抜けると、普段と変わらぬ賑やかな広場にでた。目の前ではダニスさんがこれから露店を開くところだった。


「おう、そこのにい――ってのも失礼か、バーナードこないだはありがとうな」


「いえ、僕は大したことはしていませんから。呪いを解呪したのはシェリルさんですし」


「それでも、だよ。バーナードがあの場にいなかったら、ニコラスの奴は間違いなく死んでた。それくらいは俺でもわかるさ……って、そうそう忘れてた。ちょっと待っててくれ、すぐに戻る」


 そう言い残すとダニスさんは広場の反対側に走って行ってしまった。いや、お店はどうするんだ?

 待ってるように言われてしまったし、しかたがないので少しの間盗られないように見てようかな。




「いたいた。先日は命を助けてくれてありがとう。改めて君にお礼を言いたくてね。ダニスに知らせてもらえるように頼んでおいたんだ」


 防犯がてら店の売り物を見ていると、突然後ろから話し掛けられた。後ろを振り向くと、ニコラスさんがダニスさんに連れられていた。


「ニコラスさん、あれから身体の調子は問題ありませんか?」


「ああ、おかげさまでね。見ての通り絶好調だよ」

 ニコラスさんは腕に力こぶを作りながら元気具合をアピールしている。ん、その首から下げているトレイに乗っているのは果実ジュースかな?

 ニコラスさんは僕の視線に気付いたようで、果実ジュースを僕達全員にタダでくれた。


 なんでも、ニコラスさんは果実ジュースの露店を開いているらしい。そう言われてみれば、前にダニスさんに教えてもらった果実ジュースの露店ってニコラスさんの店だったのかも……。全然顔を覚えていなかったなぁ。


 立ち話もなんなので、広場の端に移動して椅子に腰掛けてジュースを飲みながら話をすることになった。探索で疲れた身体に冷たいジュースは効くなぁ。

 このジュースは美味しかったから、そのうちまた飲もうと思ってたんだよね。皆も美味しそうにジュースを飲んでくつろいでいる。


 ふと視線をニコラスさんに戻すと、少しだけ困った顔をしていた。どうかしたのだろうか?


「ニコラスさん、どうかしましたか?」


「実はあの後、シェリルさんに解呪代金を払おうと思って金額を聞いたんだけど、今回は特例だからって受け取りを断られてしまってね。できたら君からも受け取るようにお願いしてもらえないかな?」


 あー、シェリルさんお金に困ってないだろうからなぁ。前回の解呪も探索者ギルドの規定からは外れている行為だし、多分面倒だったんだろうな。


「んー、多分僕が言っても受け取ってもらえないと思いますよ。まあ、ギルド職員である魔術師は高給取りですから、そんなに気にしないで良いと思いますよ」


「……やはりダメか。前回話した時も頑なに断られたので、そんな気はするよ」


「はは、それなら異界探索でもっと成果を上げれば間接的にお礼になるんじゃないですか?」


 僕の提案にニコラスさんは目から鱗が落ちたような表情をしてこちらを見ていた。そしてすぐに何かに納得したような表情になり口を開いた。


「うん、そうだね! 僕たちは探索者だからそちらで貢献すれば、間接的にだけど確かにお礼にはなるかな」


 ニコラスさんも納得してくれたようだ。憑き物が取れたようにスッキリしている。




 あの後、少しだけ情報交換をしながら、しばらく談笑に興じることになった。


 さてと、探索から戻ったのをシェリルさんに伝えておかないとな。また約束の日程を決めないといけないしね。

 とは言ったものの、普段からランダムエンカウントしているので、いざ探そうと考えてもどこにいるのか皆目検討がつかないな。

 まあ、ひとまずは精算してからでも遅くはないか。よくよく考えると、また顔合わせるなり拉致されても困るしね。


 そう思いながら、第二層のガーディアンを討伐したことを申請するために、探索者ギルドの受付に並ぶとそこにはシェリルさんが立っていた。この人、本当にストーカーじゃ無いよな?

 でも、たまには真面目に仕事するんだね。遠目にもテキパキと仕事をこなしているのがわかる。

 そんな視線に気付いたのか、シェリルさんと視線が合ってしまった。


「あら、バーナード君。戻るの早かったわね、第二層だから、てっきりもう少し長く探索すると思ってたわ。精算で良いかしら?」


 受付に数組の探索者達が並んでいるが、それを文字通り頭越しにすっ飛ばして、僕達の対応を始めようとするシェリルさん。まったくこの人は……。


「第二層のガーディアンを討伐したので、その申請と素材の精算をしに来たんですよ。それより前に並んでる方々の対応を優先してください」


 僕の報告を聞いて最初は嬉しそうだったのだが、僕に促されてあからさまに嫌そうな顔をしながら並んでいる人たちの対応を再開した。

 さっきまでの真面目なシェリルさんは何処に行ってしまったのやら。とはいえ、先程よりも処理速度が上がっているところは流石と言ったところだろうか。


 シェリルさんの処理速度が上がったおかげで、さほど待たずに僕達の順番が回ってくることになった。


「さて、まずは探索者証の更新からやっちゃいましょうか。皆、探索者証を出して頂戴」


 促されるままに探索者証をカウンターに置くと、一人ずつ内容を確認しながら、処理を始める。


「うん、皆大丈夫そうね。はい、探索者証返すわ。第二層突破おめでとう!」


 前回同様、シェリルさんの言葉を聞いて探索者ギルド内が騒がしくなると、次々と周りから祝いの言葉が飛んできた。この後は前みたいに飲みに行くのもアリだな。


「じゃあ、今夜は先日の約束がてら私がお祝いしてあげるわ」


 ――とか、思っていたらシェリルさんの一言に阻止されてしまった。




 結局そのままシェリルさんに拉致されることになり、現在は馬車の中である。

 ジークとエリーシャは前回同様、気付いたらいなくなっていたので、馬車の中にはシェリルさん、僕とアリスの三人である。


「ブリジットちゃんだっけ? このまま迎えに行けばいいかしら」


「いやいやいや、目立ちすぎるんでそれは勘弁して下さい。目立ちにくい少し離れたところに止めてもらえれば迎えに行ってきますよ」


 ひとまず宿に乗り付けるのは勘弁してもらって、アリスにブリジットを迎えに行ってもらった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ