表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Boundary  作者: 楓シロ
68/74

第68話 鶴見緑地

 突き抜けるような青空の下、心地よい風が吹き抜けていた。


「うわぁ……! すごい、お花がいっぱいだ!」


 鶴見緑地に一歩足を踏み入れたソラが、パッと顔を輝かせて声を上げた。


 中央制御室でのあの騒動から数日。旧AIコアによるハッキングの残党か、あるいは模造コアの新たな反応か――何らかの不穏な信号がこの近辺から感知されたため、第一部隊の面々は調査のために赴いていた。


 だが、目の前に広がっているのは、そんな緊迫感とは程遠い、のどかな公園の風景だった。


 広大な敷地には、満開の花々が色鮮やかに咲き誇っている。

休日ということもあって、広場にはピクニックシートを広げる家族連れや、走り回る子どもたちの賑やかな声が響き渡り、平和そのものの空気が満ちていた。


「おいおい、本当にこんな場所に何かあんのかよ」


 蓮が頭の後ろで両手を組み、退屈そうに周囲を見回す。


「完全にただの行楽地じゃん。あのクソAI、今度は花見でもしにきたわけ?」


「データ上は、確かにこのエリアから微弱な電磁ノイズが観測されています」


 師乃が透過モニターを厳かに操作しながら、冷静に周囲の環境をスキャンしていく。


「ですが、現時点では一般市民への影響も、視覚的な異常も見られませんね」


「ま、何事もないならそれに越したこたぁねぇけどな」


 カイは相変わらずやる気なさそうに首の後ろを掻きながら、のそのそと歩く。


「とはいえ、これだけ広いと闇雲に探すのも骨が折れる。……よし、ここは二手に分かれて捜索するぞ」

 カイはそう言って、広大な公園のマップが表示された師乃のモニターを指差した。


「俺と師乃、紫苑は、あっちの国際庭園とかいう入り組んだエリアを中心に回る。ソラ、蓮、日和の3人は、中央の並木通りからあの大きな風車がある丘の周りを探してくれ」


「了解です!」

 ソラが元気に返事をする。


「あ、は、はい……!」

 日和は胸元に抱えたノアをぎゅっと抱きしめながら、キョロキョロと周囲の花壇を見つめている。


「じゃ、なんかあったら通信入れろよ。市民を驚かせないように、慎重にな」


 カイの言葉を合図に、第一部隊のメンバーはそれぞれの方向へと歩き出し、広大な鶴見緑地の捜索を開始するのだった。





 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ