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第65話 それでも進む
機構の作戦フロアに、けたたましいアラートと共に「鶴見緑地」への緊急出動命令が下った。
フロアに集まった全員の前に、カイが透過モニターの地図を展開する。
「鶴見緑地、その敷地内に、昨日奪われたものと、もう一つの『旧AIコア』の固有エネルギー反応が確認された。昨日から、周辺一帯の電磁波異常が急激に跳ね上がっている」
「敵がすでに先回りして、何かを仕掛けている可能性は……」
師乃が深刻な顔で尋ねる。
「極めて高い。もたもたしている時間は無いぞ、急ぐぞ」
蓮が静かに立ち上がった。
その表情には、いつもの軽薄な明るさはなかった。
凪を失った悔しさを秘めた、静かな闘志が宿っていた。
「……行くか、みんな」
「ええ、行きましょう」
紫苑が頷く。
日和もまた、ノアをしっかりと胸に抱きかかえて立ち上がった。
ソラは、そんな全員の姿を順に見つめた。
凪はもういない。
御影は右腕を失った。
それでも。
誰一人、立ち止まってはいなかった。
ソラは両手を強く握る。
怖かった。
また誰かを失うかもしれない。
今度も間に合わないかもしれない。
それでも――。
ソラは顔を上げた。
「行きましょう」




