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八重咲の勇者たち ~最弱スキルで最強になれ~  作者: 賢河侑伊
第二部 2章 心髄共鳴 編
73/82

4-5

 血から現れたのは、豊満グラマーな体系の女性―ソフィア・アイメルトその人。


 異能には、位階ヒエラルキーがある。そのなかで最強と言われる位階「神域ヒエラルキア・ザ・ワン」の称号を持つ一人がソフィアだ。


国すら傾かせると言われる「神域」は、広い大陸のなかで、数人しかいないと言われる。


 ―最強の異能者、アイメルト家の女王


 ガクは、その姿に釘付けになる。


 その髪は、白に近い金髪。束ねられた髪は、腰まである。その瞳は、目隠しで隠してある。だが、見られている、と強く感じた。


 真紅のコタルディ(細身の、身体をぴったりと覆うようなドレス)。そして、目を引くのは、こぼれるほど豊満なバスト―その胸元から深い谷間が一部覗いている。


「久しぶりやなぁ、がく


 地の底から響くような低い声。それでいて、引き寄せられずにはいられない甘い響き。まるで首筋を舐められたような。


 ガクは初めて名前を呼ばれ、震える。


「会ったことないでしょ、あたしたち」


 チユキの声に、相手が本物のソフィアではないと、分かる。


「いけず」


 ソフィアは、その真赤な唇を震わせる。瞬時に手に現れたのは、真赤な槍。


「おいおい……もう高速とかいうレベルじゃねえぞ」


 チユキがつぶやく。その口調は、ニッコラのイメージが投影されているのか、妙におかしい。


 ―まずい。イメージが押されてきている。


 ソフィアが、こちらに手を差しだす。


 その瞬間、ガクとチユキの頭上で、槍が形成される。虚空から「何か」が集まったのは、分かったがあまりにも速すぎた。


 空が見えなくなるほどの大量の槍。それがガクに降り注いでくる。


 ―これは、避けられない


 ガクは、眼を閉じた。

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