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遠い記憶
君の悲しみを
癒すことができるなら
僕はなんだってする
粉雪が舞う
祈りは届く
冬の女神がステンドグラスに溶け込んでいく
僕は両手を広げて降り積もる雪の中に埋もれていく
一途な風の音色に身を委ね躊躇うままに溺れていく
寝静まる街
月明かりに
照らされた道
自分を頼りにして
ひたすら君の元を
目指して歩き続けていく 孤独を傍らに連れ添い
君の愛を求めて歩く
君の面影を探して歩く
あの時は
耐えるのに精一杯だった
別れ際に病室の窓から
手を振る君の姿を見た
後ろ髪引かれる思いだった
愛していると言いたかった愛していると伝えたかった愛していると叫びたかった
君が
もし
愛の言葉を聞いていたなら辛い思いをしていたと思う君を傷つけたくはない
君を悲しませたくはない
遠い記憶を
思い起こして
君を忘れずに語る事の
辛さを知っているかい?
君を失うのが嫌だった
もう僕を愛してはくれないと涙を流して怯えていたよ
ただただ
今も
君を想い続けている
ただただ
切ないほど
君を想い続けている
ありがとうございました!




