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優しい時間

恋をする二人。

不意に降った雨の中

慌てて走って雨宿り

肩を寄せながら

曇り空を見上げた

彼女のシャンプーの匂いに汗ばんだシャツから石鹸の香りに胸が高鳴っていく


濡れた前髪から雫が落ち

開いた唇から熱い吐息

潤んだ瞳で僕を見つめて

汗で上気したピンクに染まる頬をハンカチで拭う

あどけない仕草が可憐で

無防備な彼女の姿に

僕はただ戸惑うばかりだ


「綺麗だ」と思わず呟いた君はハニかんでうつ向いた


カバンを両手にぶら下げて地面を長く見つめたまま

顔を上げずに照れていた

耳が真っ赤になっていた ネックレスが揺れていた


僕はジャケットを脱いで

彼女に掛けてあげた

ハンカチでカバンや服

髪の毛を拭いてあげた

「ありがとう」と彼女は嬉しそうに僕に言った

雨音を聞きながら鼓動が早くなるのを感じていた


愛しさが増していく

もっと好きになっていく


止みそうもない雨

曇り空から一筋の光

雪が降りそうな予感

黄昏時の優しい時間

ありがとうございました!

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