6番
船団は30機のBWの中央を突破する
私が言った通り敵機の性能は最低レベルと言っていい。大した損害もなく船団は突破していく。
「前方に高速船!20はいるぞ!」
ほかの部隊が叫ぶ
その高速船もほとんど強化されていない最低限なものだ。
「このまま敵を強引に押しのける!全員撃ちまくれい!」
前方の部隊はそのまま殲滅しながら進む判断だ。
だがそれは悪手だった
敵の高速船を体当たりで破壊しようと味方が接触した瞬間に爆発したのだ
味方の高速船は轟沈はしなかったが航行不能に陥っている、それが狙いだ
このゲームはフレンドリファイアをした場合、被弾時衝撃は発生するがダメージは発生しない
つまり航行不能になった味方が邪魔でタンカーは前進できないのだ
そこでサイドが気づいた
「後方から増援!さっきの奴らと違う。一級品の装備だ!」
「こちら前方!さっきのポンコツどもと同じ奴らが来た!100は居る!」
前方からも敵が来る、雑魚とはいえ100機もいれば撃ち負けるのは間違いない
今から急旋回して進路を変えるか?
無理だ。その前に囲まれる
皆も同じ結論だが、このままだとどっちにしろ全方位から攻撃を受ける
無理にでも旋回して迎撃しながら迂回が懸命か
皆そんな空気だったのだが
「・・・こちらエバー。タンカーはそのまま進め」
そんなことをエバーが言い出した
「こちらタンカー、前方が見えてないのか!進路が塞がれているんだ進むことができない!このまま強引に旋回して迂回するしかない!」
「大丈夫だ、そろそろ来る」
何が来るというのか?そう思った瞬間、航行不能になった高速艇が一気に撃破される
ついでに目の前のザコも30ほど巻き添えを食っている
「そっちこそ見えたか?今がチャンスだ。一気に進め」
「りょ・・・了解した。全機!そのまま進むぞ!」
「セイレーン、前方はまだ60から70は居るメタルレディも一緒に行ってくれ」
さっきから黙って戦闘していたエバーが冷静に言う
と言うか何あの攻撃?見えないほど遠くからなんかすごい攻撃が来たんだけど
その正体はネクスターが知っていた
「聞いたことがあるよ。西大陸にはスナイパーカノンっていう規格外の特大口径弾丸を超長距離から連射する人がいるって」
あれが狙撃ですか?爆撃の間違いじゃないんですかね?しかも航行してる味方には一度も当たってないし・・・
そんなことを考えてたら後方からさらに増援が来る
「あれはこちら側だ、出迎えらしい」
エバーはそう言って単機で後方の部隊に突撃を駆ける
「あれはエバーに任せた方がいいだろうな。セイレーン、こっちも前に出るぞ」
「・・・・・・わかったわ」
そう言うサイドと一緒に前方の援護に向かう
エバーからは後でいろいろ聞かせてもらうとしよう。ネットリと
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戦闘中に通信が入ってくる
「懐かしい動きだと思ったが、やはりお前か」
「忙しいんだけど何か用?このポンコツはアンタの仲間?」
「{元}仲間だな。援護する、そのまま全機進ませろ」
そう聞いてタンカーに連絡する
「・・・こちらエバー。タンカーはそのまま進め」
取り乱した声でタンカーから返事が返ってくる
「こちらタンカー、前方が見えてないのか!進路が塞がれているんだ進むことができない!このまま強引に旋回して迂回するしかない!」
「大丈夫だ、そろそろ来る」
そう言うのと同時に前方の高速船が一気に破壊される、相変わらずとんでもない威力だ
「そっちこそ見えたか?今がチャンスだ。一気に進め」
「りょ・・・了解した。全機!そのまま進むぞ!」
「セイレーン、前方はまだ60から70は居るメタルレディも一緒に行ってくれ」
仲間たちにもそう伝える
「つまり組合の商売相手は3番か」
「当たりだ6番」
「{元}6番だ」
そんな無駄話をしていると後方からさらに増援が来る
増援は増援でもあれは味方の増援だな
「あれはこちら側だ、出迎えらしい」
そう言って単機で後方の部隊に突撃を駆ける
「見たことない奴だな」
「あれは今の6番だ、お前に憧れて6番に座ったらしい」
「物好きがいたもんだな」
「お前のファンは今でも西に多いよ。戻ってくれば確実に2番になれる」
「そういうの興味ないし」
「その物言いがクールに聞こえて人気者になってるんだよ」
通信相手と喋りながら新しい6番と共闘する
戦闘スタイルは違うが6番を襲名するだけあっていい腕である
「6番、元6番。お荷物は無事エグリーブの領内に入った。戻ってこい」
別に戻ってきたわけじゃないんだけどね
ともあれ敵を振り切ってエグリーブに入る。ブースターの燃料は結構余裕があった
懐かしの西大陸。以前の拠点にまた来ることになったのである