表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/137

緊急事態

年明け早々日本の国会は大慌てである

日本だけではなく世界中ではあるのだが

特に軌道エレベーター建造に関わった国が大変なことになっていた


「エレベーターに残された人員の詳細が判明しました!」

「思ったより速かったな」


職員が首相の執務室に入ると副首相が対応してきた


「あれ?首相はどうしました?」


忙しそうに資料に目を通しながら副首相は目も合わせずに答える


「建造関係国で緊急会議だ」








--------------









VR空間で十数人の男たちが椅子に座って話し合っている

全員が四十代から五十代である


「全員これを見てくれ。これは5時間前に天体観測施設「ほしよみ」で偶然撮影されたものだ」


そうして全員が見る画面に連続で写真が写される

中央からややずれた位置に軌道エレベーターが遠く映っている

1秒後の写真の画面端に何かが現れる

2秒後には中央に動き観測していた星が隠れる

3秒後には軌道エレベーターに直撃している


「なんだあれは?」

「デブリか?」

「そんな馬鹿な?エレベーター建造の前に我々が何十兆とかけて全部撤去しただろうに」


空間全体がどよめく


「それに関してはこちらから説明させていただこう」


1人が立ち上がる


「まずあれが何かという答えだが。あれはやはりデブリだ」

「何処の国だ?」

「国・・・・と言っていいのかどうかはわからないな」


立ち上がった男が別の写真を写す


「これは我が国の軍事衛星の12時間前の写真だが・・・あ、これに関しては他言無用で頼みます」

「まぁ、今は文句は言わないでおいてやるよ」


別の1人が笑いながら返答する


「無法地帯から武装した人間が来ないか常に監視していたわけなのだが」


写真を変える

そこには何かが光っていた


「そもそもそこは何処なんだ?」

「旧広東省。武装集団の一つの拠点だ」

「待て。その光はまさか・・・」


この強い発光体がなんなのか全員がすぐにわかった


「ミサイルだと?馬鹿な」

「そんなのを保有できるのかあの連中は?」

「不可能です。少なくとも現状ではそんな余裕は無い筈です」


無法地帯の勢力は数百は存在する

大小ピンキリだが弾道ミサイルなんて高度なものを所有・保持できる者はいない

どんなに頑張ってもWW1レベルがいい所だろう


「何処かの国が技術提供したか?」

「アメリカか?」

「それは無いだろう。WW3で散々武器を売ってそれを自分たちに撃ってきた連中だぞ?」

「また同じことを繰り返せばまた同じように政府の信用が落ちるだけだしな」

「ロシアか?」

「あっちはあっちで自分たちのことで精いっぱいだからな」

「気象変動で一番酷いことになったのはあっち側だからな」

「賠償金の問題もあるだろう?踏み倒す気ならまた事を起こすかもしれん」


結論は出ない。憶測だけが出る


「よろしいだろうか?」


1人、一番若そうな男が立ち上がる

アス共和国の代表である


「とあるハッカー集団からもらった情報なのだが」

「そんな犯罪組織を信用するのか?」

「と、いうか問題なのでは?」

「まぁ今は大人しく聞こう」


話を続ける


「8年前、旧広東省と旧湖南省で勢力争いがあったそうなんです」

「それが?」

「その戦闘理由が1人の知識人の奪い合いという話なのです」

「その知識人は?」

「そこまでは解りませんが。どうやらWW3で兵器開発に関与していたそうです」







--------------------







視界がぼやけている


「・・・・・!!・・・・・!!・・・!!」


何かが聞こえる


「おい・・・!!・・・!!」


あ、これ洋子の声か


「悠!目を覚ませ悠!」


返事をしないと


「悠!」

「・・・聞こえてる・・・・今・・・起きる・・・」

「駄目だ悠。今動いたら駄目だ!」


え?


「いいか?動かずにゆっくり落ち着いて寝てる場所を見ろ」


・・・・・・・おぉ!


「綺麗な景色だな」

「ほざいてる場合か!いまからハーネス降ろすからゆっくり上がれ」


自分の寝てる場所を確認して一瞬で目が覚めた

ひび割れてパキパキと音が鳴ってるガラスの上なのだ

流石に頑強ではあるのだろうがこれは怖い








--------------







「死ぬかと思ったよ」

「余裕ある返答しといてそれかよ」


あ、今気づいた


「俺とぶつかったオッサンは?」

「失神してる」

「なんで?」

「気を失っている悠を置いてそのまま逃げたんだよ」

「うん」

「そのあとにまた衝撃が走ってその反動でで頭打った」


因果応報と言う奴かな


「悠君大丈夫!」


夏妃が駆けつけてきた


「大丈夫?怪我してない?」

「体の節々は痛いけどそんなひどくは無いかな?」

「皆サン、コチラニ集マッテクダサイ」


エルノーさんに呼ばれ失神したオッサンを除いて全員に事情説明がされた

そして話を聞いて全員が大変な状況だと思い知ることになる

突然吐血して焦った

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ