11話
早速、トレントの報告によればこの大森林にお客様がご来店なさるそうだ。
俺の気配察知にも拠点さんのマップ機能でも一人?一体!?でこちらにもの凄いスピードで向かって来ている。
俺も配下達も臨戦態勢でお客様を迎える態勢ですわ。
敵の可能性もあるからね。
ドドドドドドドドドっと砂煙が見えて、近くで止まった。
どうやら到着したようだ。
待ち構えていたのはまだ何も無いただ作っただけの広場。
此処なら多少暴れても大丈夫なはず!
砂煙が晴れていき段々と侵入者もといお客様の姿が視認できるようなった。
俺はその姿を見て驚愕した。
体長は軽く2メートルを越えようかという身長に筋肉が隆々と盛り上がって口には牙、赤黒い肌、そして頭には2本の角。
どう見ても日本のおとぎ話に出てくる妖怪の鬼。
それとも異世界ファンタジー的にオーガという魔物だろうか?
俺が思考にふけっていると向こうが話しかけてきた。
「なんか、懐かしい同郷の匂いに気配を感じたから来てみれば、やっぱりな。お前、日ノ本の民だろ?」
「日ノ本?ああ、日本の事ですね。そうです、私は日本人ですよ。そういうあなたは、日本に出てくる鬼ですかね?」
「おうよ、俺は日ノ本の妖怪の鬼。名前は確か人間達に何て呼ばれていたかな?まぁいいか。今はオウキと名乗っている。長らくこの森には王が生まれないと言われていた森に突然力の波動を感じた。しかもそれが同郷の感じの世界に似ていたからな。ちょっと様子見を見に来たんだが、もうこんなにも配下がいるのか。やるな虚構の王よ」
ファンタジー世界に妖怪って、ホントどうなってんだこの世界は?
しかも、たぶんだがオウキと名乗る鬼も俺と同じ王といわれる何らかの力を持っている可能性が高い。
単身乗り込んでくるぐらいだからかなり力には自信があるのだろう。
ここは慎重に対応せねば。
「貴様!いきなり現れて、我らが王にそのような立ち振る舞いに言動。許される事ではないぞ!タダで帰れると思うな!」
おうっと、いきなりアリの隊長格がけんか腰だよ、慎重に言葉は選んでくれ。
一人で来た時点で相当の実力者だと思うんだよ。
出来たら友好的にせっしたいんだけど?
ですよね?王様!みたいな目で俺をみるなよ。
ケンカ売る気はないんだよ!
他の皆も威嚇しないの!
「へぇ、お前の配下にも威勢のいいのが居るじゃねぇか。俺とやり合う気かよ。数だけはそろってるようだが、数だけじゃこの俺様には勝てねえぞ?」
俺は、隊長格のアリを裏拳で殴り後ろに吹き飛ばした。
ドンっと、気にぶつかり『カハッ』と肺の息が出る声が聞こえたが気にしない。
他の配下達も俺の突然の行動に動揺してるようだが気にしてはいけない。
「お客人、オウキ殿と言ったか?部下がいきなり失礼した。俺はまだこの世界に来たばかりなんだ。だからこの世界の事を何も知らない。まだこの森からも出たことがないからな。同郷というなら同郷のよしみで色々とこの世界の事を教えてくれないか?」
俺はこの森の王。
あまり下手に出るわけにもいかない。
配下達も見てるしな。
「生まれたの王にしてはおりこうさんだな?分かってると思うが俺も幾重もの配下達従えるこの世界の魔王の一人だからな。部下の愚行をただすのも王の仕事だ」
おや?これは分かってもらえたのかな?
でも魔王なのかぁ。
なんで?
「理解してもらえてありがたいよ。オウキ殿」
「だがよぉ、俺にタンカ切っておいて、はいそうですかって終わらす気もねぇ。部下の不始末はやっぱ頭であるお前が責任取らねぇとな?虚構の王よ。お前が俺を楽しませてくれたらこの世界の事を教えてやってもいいぜ」
うわぁ~、鬼ってやっぱ脳筋なの?力で何でも解決するのよくないよ?
でも、この世界の事をある程度知ってるぽいし、これは逃げ道塞がれた感じ?
配下達も目をキラキラさせながらこっち見てるし。
初めての実戦が鬼ってハードル高くないか?
俺の気功がどこまで通用するかな?
普通は弱いモンスターから倒していくのがテンプレでしょうが!
しかもオウキとか言う鬼、自分で魔王とか言っちゃってるし。
いきなりボスは出てきたらダメでしょ!
都合よく勇者さん来てくれないかなぁ。
「どうした?早く構えろ」
オウキさんはやる気満々やん。
やだわ~野蛮だわ~。
此処まできたら俺もやるだけやるしかないか。
俺は自分ができる唯一の能力、気功で体を強化。
密かに鍛錬はしてたがまだまだ発展途上なんだよ!
チクショウめ!
こうなりゃヤケじゃい!
「分かった。お相手しよう」
「ほう、懐かしい技を使うようだ。先手は譲ってやるよ」
気功の事知ってるんか~い!
すぐ見敗れたんだけど!?
とりあえず、先手を譲ってもらえるなら相手は俺を格下と思っていると言う事。
出し惜しみは無しだ!
全力でやってやるよ!
俺は地を蹴り、オウキとの距離を一瞬で縮めて無防備な顔面の顎を狙う。
脳震とうでも起こしてしまえ!
だが、オウキはしっかり両腕をクロスしてガード。
かなり力をこめたのだが、少し体がノックバックしたようにしようにしか感じない。
そのまま攻撃を再開する。
拳の連打だ!
脳筋にはこぶしで語るのが一番じゃねえの!
ヤンキー漫画みたいにさ!
「いきなり急所、体の構造を理解してるのか、狙いは悪くないな!」
「そりゃどうも!こっちの攻撃は全部ガードされてるけどな!」
「俺からも行くぜ!」
オウキは受け身から一転、俺にも攻撃を仕掛けてきた。
奴の拳から繰り出される。
俺への顔面攻撃を俺も腕をクロスして受ける。
重い!
一撃受けただけで、体がそのままザザッと後ろに地面事移動させられる。
しかしこちも気功で強化してるおかげで態勢は崩してない。
次の攻撃に備えてこちらも構えを取り、再度オウキの攻撃に備える。
「おらぁ!」
オウキも拳の連打でこちらを攻撃してくる。
俺はオウキの拳に合わせてこちらも拳を繰り出す。
気功のおかげで、オウキの気の流れが何とか分かる。
体格的にも見た目的にこんな筋肉の塊の鬼と見た目、中肉中背の俺が打ち合えてるのが不思議なぐらいだ。
気功バンザイ!
そろそろ、俺の暇人として時間を有効活用して生まれた気功の新たな境地を見せてやる!
「オラオラ!どうした!?そんなもんか、虚構の王よ!」
「今から見せてやるよ!」
俺の新技、軽気功!
「何!?」
軽気功を使い体を軽くし、相手の気を読み、今まで受けていた攻撃を流していく。
「はっ急に身軽になったみたいだが、よけてばかりじゃ意味なんかねえぞ!」
「テンプレのような言葉をありがとよ。今度はこちらからも行かせてもらう!」
俺は隙を見て軽気功から重気功に切り替える。
体内に気功を巡らせ、今度は重く硬く、攻撃に切り替える。
正に俺の攻撃は今までの単純な気功だけの強化だけではない。
俺の拳は正に剛拳!
金属ような硬さに重さを備えた攻撃だ!
攻防一体の技。
これにはオウキも驚いたようで、俺の攻撃が重たく感じているようだ。
その驚いてる間の一瞬のすきに腹に一発!
オウキが『くの字』になったところで俺のジャンピングアッパーカット!
ちょっとカッコ悪いが対格差があるからしょうがない。
俺は、ヒーローでも英雄譚に出てくるようなカッコイイ存在じゃないんでね!
泥臭くても見た目カッコ悪くても勝ちに行ける時は出来る事をするだけだ!
うまく、オウキの顎にクリーンヒットして、オウキがよろめいた所にすかさず、畳みかける!
オウキの動きが鈍り始めた!
最後に蹴りをくらわして吹っ飛ばす!
オウキはそのまま、森の木々をなぎ倒しながら吹っ飛んでいった。
「オウキ殿、これで良いだろう?」
俺は、気の流れからオウキの意識がまだある事を確認できていた。
オウキは、森からこちらに歩いて姿を現した。
「ま、生まれたての王にしては及第点だな。いいだろう認めてやる。お前、名前は?」
「カオスだ」
「カオスぅ?自分でそれ名乗ってんのかお前?中二病だなお前!かっかっかっ」
自分で名前決めたんじゃないんですぅ、変んな爺さんに勝手にきめられたんだよ!
てか、鬼のくせに中二病とか知ってんのが驚きだよ!
「別に自分で決めたわけわけじゃない。勝手につけられたんだ」
「付けられた?お前も追い出された口かよ」
「ん?どいう事?」
「ああ、大昔になちょっとな」
大昔ねぇ、じゃあなんで中二病とか言葉知ってんだよ!
わからん事が多すぎるわ!




