9話
アリとハチの軍勢がそれぞれ女王を連れてやって来た。
連れ来いとは言ったが早すぎない!?
こちとら昼寝する気満々だよ?
なんだったら寝たいよ!
しかも何か綺麗に整列してるし。
う~ん、どうすっべ?
さっきから無言の昆虫たちがこうべを垂れてずっと待っている。
これ、俺から喋るのを待っているのかな?
いいんだよ、喋ってくれて。
そんで何がしたいのか教えて欲しいんだけどな。
一向に喋る気配が無いので俺が喋るしかないのかぁ。
「あ~、迅速に行動を起こした事はほめてやる。そしてそちら側にも何か手違いがあったんだと思うが?」
「王よ、発言をお許し下さい」
まずはアリの女王か。
流石はアリの女王のモンスター産卵器官が備わっているのか下半身がでかい。
そして、不思議なのは頭と思わしき所には、人間の女性のような上半身が生えております。
おでこに触覚がついてるけど、若く綺麗な女王だな。
子だくさんな母親には見えない。
見た目的に怖いがな!
「許そう、アリの女王よ」
とにかく、偉そうに振る舞う俺。
だって、でかい昆虫の大群だよ?
見た目的にもアウトだわ。
こっちはとにかく王と言われるぐらいだから威厳があるように振る舞うしかない。
俺に威厳があるかどうかは別だよ?
「ありがとうございます。此度は我が、親衛隊のナイトが暴走した事。まことに申し訳ございません。王のご命令とあらば即刻処分いたしますゆえ、なにとぞ我が一族にご慈悲を」
そうアリの女王が言うと、隣で先ほどの人型のアリさんが震えている。
いやいや、別に殺さなくてもいいんだよ。
そういうの望んでないし。
「別に殺さなくてもよい。手違いもあるだろう。許す」
「ありがとうございます!慈悲深きお言葉に感謝いたします。非礼を重ねる事も重々承知しておりますがどうか、我らアントの一族も黒狼たち同様に王の配下としてお仕えさせていただきく」
「待って、いただきたい!王よ!」
今度はハチの女王かな?
見た目はこちらも人間にそっくりで背中に羽、お尻にハチの尻尾?針が出るとこ。
何ていうか分からんが、見た目だけならこっちの方がハチのコスプレしてるみたいでまだ親近感がもてるわぁ。
同じモンスターでもこうも差がでるんだね。
「ハチの女王か、何だ?」
「まずは此度の一件に関して謝罪を」
「ああ、許そう」
「有難きお言葉。我らも王の配下に加えていただきたいのです。この地には長らく真の王が不在でした。そして今、あなた様が現れた。この地に君臨された真の王に我らも仕えさせて頂きたく」
う~ん、どうしたらいいのかな?
いきなりこんな大所帯をまとめ上げる事が俺に出来るだろうか?
俺はのんびり今の暮らしでも・・・
満足してないなぁ。
かと言ってこの世界で目標もないんだよなぁ。
人間にも会いたいし。
綺麗なエルフの姉ちゃんにも会いたい。
ひげ面のドワーフとかも見てみたい。
獣人とかも良さそうだよな。
冒険者とかも見てみたい。
知らない事ばかりなんだよな~。
てか、ホントにそんな種族がこの世界にいるのかも分からん状況だしな。
もしいたとして、こんなにもモンスター達を配下にしている事がばれても仲良くしてもらえるんだろうか?
でもこいつらもこの大森林に元から住んでた奴らだもんなぁ。
まてよ、困ったときは拠点さんに確認だ!
ってことで、俺は拠点のメニューを開く。
えーと、何かヒントになるような項目は無いかなッと。
『拠点の支配下の数が増えれば・・・』
いきなり、拠点さんの声が脳内に聞こえました。
絶対、拠点さんただのシステムじゃないよね?
自我持ってるよね?
ねえねえ、考えてる事、筒抜けなんですかね?
相変わらず、拠点メニューの項目ロックされてばかりで訳がわからんし、これは、拠点さんの言う通りにしてみますかねぇ。
俺が黙って、拠点メニューを見ていたので気が付いたら周りの空気が重いような。
そりゃ、王様が急に沈黙したら怖いわな。
「お前達を配下として迎え入れよう。ただし、配下となったからには配下同士の無駄な争いは俺は好まん。共に協力し俺に尽くせ」
また、静寂が訪れたけど?
偉そうにし過ぎたかな?
でも仲良くしようね?
お願いだから。
アリの女王とハチの女王はお互いに顔を見合わせながら頷いた。
アイコンタクト?
「「我ら一族の誇りにかけて王に忠誠を誓います」」
アリとハチの女王はそういって、頭下げた。
そしてそれに追従するように、後ろに控えていた軍勢も頭を下げている。
まぁ人型の隊長格以外は本当に頭を下げているのか見分け付かんがな!
『配下の数が一定数を越えました。配下の種族が増えた事によりにモンスターハウスを拡張できます』
いやいや、モンスターハウスを拡張してここに居させるの?
数が多くてそれはそれで大変だと思うんだよ。
元の住処もあるだろうし。
一旦お帰り願いたい。
「これで、我らは王の支配下になった。共に王を支えていこうぞ」
ハナさんや、その流れは良くない気がすぞ。
「そうだな、これまでの禍根はお互い水に流すべきだな」
「それには、我らも同意しよう」
ハチ、アリとハナの言葉に続く。
「住処はやはり王の近くがよかろう。お前達は移住はすぐにできるのか?」
ハナー!やっぱりかよ!
こんな大所帯が俺の家の近辺に住むのか!?
モンスターハウス拡張って出来るみたいだけどどこまで出来るかわらんのよ?
「すぐにでもとりかかる。だが、大森林全てを把握するためにもある程度は分散さして置いた方が良かろう」
ナイスアイディアだよ、アリさん!
「そうだな、王の近くには精鋭と我らがお側におるべきだ」
うんうん、ハチさんもそう思うよね。
ん?女王たちは俺の近くに住むの?
まあ、それぐらいな許容範囲かな?
モンスターハウスで何とかなるだろうし。
全部の昆虫モンスターが居られるよりマシだわ。
「分かった。では、お前達の住処は俺が用意してやる」
俺は拠点メニューを開いてモンスターハウスの拡張?でアリの巣とハチの巣がアンロックされていたのでそれをポチッとな。
すると、地面に立派な石作りの入り口ができてアリ達の巣が、そして巨木が現れそこの上にはハチ達の巣ができた。
相変わらず、一瞬でできるのな。
それにこれは拡張ではないと思うんだ。
だって、別々にできてるし。
拠点さんの言い間違えだなきっと。
しかし拠点さんの能力恐るべし。
「これが王の御業の一つですか!?なんと素晴らしい!」
ハチさんの言葉にアリさんもうんうん頷いている。
「好きに使っていいぞ。これからよろしくな」
「「はっ。ありがとうございます!」」
「じゃあ、ハナ後は任せた。俺は休む」
だが、アリさんとハチさんが驚愕の目をしてハナを見て、次に俺をグルんと首がもの凄いスピードで俺を捕らえたのだ。
急にどうした?
ビビるだろうが!
「「王よ、我らにも名前を付けて下さい!!」」
「え?マジ?」
思わず素で声が出たわ。
名前ってお前ら最初から持ってないのか?
まあ、女王みたいだし自ら名乗ってそうなもんだが。
ハナの場合は何となく付けてみただだしなぁ。
「えっと、お前ら元からの名前とかないの?」
「「ありません!!」」
そんな威張って言うなよ、悲しくなるわ。
「じゃあ、アリの方が『アン』でハチの方が『ミツ』で」
「「ありがとうございます!」」
「これからよろしく頼む、ミツにハナ」
「こちらもな、アンとハナ」
「ふっ、名前を頂けたか。よかったな。アン、ミツ」
わあーお。
ハナがアンとミツって言うから餡蜜に聞こえるわ。
適当につけるとこういう事故ができるんだな。
うん、でも今更変更とかできない雰囲気。
だって、めっちゃ嬉しそうにお互いの名前を言い合ってるんだもの。
所詮ここは異世界ファンタジー、誰にもこの事はバレやしないだろう。
きっとそうだ。
そう言う事にしよう。
拠点
迷い家
ゴブリン兵士(封印中)
命樹(仙丹の桃)
ゴロウ(レッドベアーの幼体?)
黒狼集団(リーダー、ハナ)
アリの軍団 (リーダー アン)
ハチの軍団 (リーダー ミツ)
支配地 虚構の大森林
主人公
精神耐性
気功




