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ダンジョンコンサルタント  作者: 栁屋 なぎ


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2

ニャディーの借金が発覚して、さらに問い詰めてみる。


「しょ、しょうがないにゃ!借りないとやっていけなかったんだにゃ!

それに借金は悪い事じゃないって、先輩が言ってたにゃ!」


確かに借金が全部悪いとは思わない。

奨学金や車のローンなど、1度では払いきれない高価なものを買う時に便利だし、起業や不動産などの利子よりも収益が高くなりそうなものは賢い借金だと思う。


しかし目の前でたじろいでいる猫娘(ニャディー)はそのタイプには見えない……


「ちなみにその先輩は何て言ってたんだ?」


「えぇっと……『借金は悪い事じゃないよ、冒険者が来る前にダンジョンを育ててかないと、命あってのダンジョンだからね!まぁ何時でも貸してあげるし、返しきるのは何時でもいいよ』とかそんな感じだったにゃ」


確かに言ってることはマトモだ。

なんなら優しいまである。


「契約した内容は?」


「えっと確かここに……」


また空中の何も無いところに手を動かしている。

するとヒラリとさっきと同じような紙が落ちて、内容を確認すると血の気が引くものだった。


「年利30%……悪徳すぎる

それに利息分を払えなければ、ダンジョンの全権利譲渡と強制労働?!実質奴隷のようなものじゃないか」


ちっちゃい文字でびっしりと書かれた契約書には、要約するとそのような事が書かれていた。

ニャディーが奴隷になれば、その下のモンスターもロクな事にはならないだろう。

もちろんモンスターではない自分もだ。


しかし、幸い(さいわ)な事に返済方法が年に2回まとめて返済するやり方らしく、まだ少しの猶予が残っていた。


「にゃにゃっ?!そんな内容が書かれているのかにゃ?!いつ返してくれてもいいからって言ってたのに……」


「まさか、ちゃんと読まずに契約したの?」


「ちっちゃい文字を見ると鳥肌が立つにゃ」


はぁ……まさか全く読まずに契約する人が居るとは……

せめて金利と返せない時の事くらいは、知っておいて欲しかったがしょうがない。


自己破産が出来ればよかったが、ダンジョンにそのような事は無いらしい。


「半年で30万も返せるわけ無いにゃ……こんな事に巻き込んじゃってごめんにゃ……」


「30万って言われてもまだピンと来ないけど、やれる事だけやってみようよ、まだ猶予はあるし絶望するには早すぎるわ!」


しょんぼりしているニャディーを奮い立たせて、今後の事を考えさせる。

ネガティブになっていても現状は何も変わらないからな


「まず、固定費を削れる所が無いかダンジョンを見て回ってみようよ」


30階もある中で、まだこの草原の生活スペースしか見ていないのだ。


「それもそうだにゃ、落ち込んでいてもしょうがないにゃ……

歩いて見て回るのもいいけど、モンスターに見つかったら襲ってきてめんどくさいにゃ、1~10階くらいまではさらに多いから、これで見て回る方がいいにゃ」


そう言って取り出したのは、目ん玉に羽としっぽがくっついたモンスターだった。


「こいつはサーチアイにゃ!こいつの見てる景色が自分でも見れるようになる魔道具だにゃ!」


ガチャでたまたま出たのだと、得意げに説明してくれる。

使い方は簡単で目ん玉に血を1滴垂らすと、その人の思った通りに動かせるらしい。


「はい、これでプスッといくにゃ」


果物ナイフのような小さめのナイフを渡される。


「え?」


「にゃ?」


言いたい事は分かる、アニメなんかでもよく見るシーンだし、血を流すには指先を切るのが1番楽だと思う。

しかし実際にナイフで指先を切るのはわりと勇気がいる。


「……?どうしたんだにゃ?」


こっちの世界では自傷が普通なのか、ニャディーが純粋に不思議そうな顔でこちらを見てくる。


とはいえナイフで自分を切るのは怖いので、ちょうどできていたささくれを無理やり毟り(むし)、滲んできた血を羽の付いた目ん玉(サーチアイ)に垂らす。


すると、何かが繋がったような不思議な感覚を覚えた。

それと同時に使い方を何となく理解すると、早速サーチアイを飛ばしてみる。


「急にささくれをむしったのはちょっと引いたけど、無事使えたみたいで良かったにゃ」


ニャディーの言葉を無視して、そのままサーチアイが見てる景色に集中する。

ちなみに目を瞑るとサーチアイの景色になるので、安全な場所で操作しないと痛い目に合いそうだ。


この草原エリアは一見広そうに見えるけど、見えない壁で囲われていて少し大きめの一軒家くらいの敷地だった。


最初の立ち位置からは小屋に隠れて見えなかったが、小屋の後ろにぽっかりと洞窟が口を開けていた。


洞窟の中は階段になっていて、どんどん上がって行くと大人二人が並んで歩けるほどの道が続いている。

サーチアイは暗闇でも見える仕様なのか、光源らしいものが見当たらないのに、洞窟はそこまで暗くなかった。


基本一本道でたまに現れる広い空間や、分かれ道を迷いながらも進んでいく。

ニャディーに地図は無いのか聞いたら、DPで作れるらしいけど、もし地形が変わった時作り直さないといけないから作って無いとの事だ。


1階毎の広さはそれほど広くはなく、小学校の敷地くらいだと思う。

なのでちょっと迷ってもすぐに元の道に出れたり、階段が早く見つかるので順調に上がっていく。


ニャディーが言うように、ほとんどモンスターの姿は無く、たまに見かけるのコウモリ型のモンスターごうろちょろしていたくらいだ。


特に襲われる事も無く上がっていくと、8階くらいからどんどんとゴブリンが増えて来て、5階層になるとフロア全体にゴブリンが溢れかえっていた。


ちょっとキモイその光景を置いておき、全階層を回るためさらに上を目指していく。


5階をピークに階層を上る事にどんどんとゴブリンの数が減っていき、1階ではあまりゴブリンの姿を見なくなって行った。


そのまま1階を少し見て回ると、外に繋がる出口にたどり着いた。

しかし最初のサーチアイと繋がった時に入ってきた情報が言うには、ダンジョン内でしか使えないみたいなので、外には出ずにそのまま来た道を引き返す。


1回来た道なので1時間ほどで30階の自分の所まで到着した。


「にゃーのダンジョンはどうだったにゃ?自分で言うのもなんだけど、沢山ゴブリン増やせたから冒険者でも一筋縄じゃ行かないにゃ!数の力は偉大だにゃ!」


謎の自信が恐ろしい……


「これじゃ2.3日で突破されるでしょ、無駄も多いし」


どこに行っても初期のゴブリンだけで固めたダンジョンなんて聞いた事が無い。

まだ上位種が多ければ守れる可能性もあるけど、ざっと見た感じ皆同じような格好だったので望み薄だろう。


「にゃ?!この調子でゴブリンで埋めてもかにゃ?!」


「埋めてもだ、ゴブリンの対策だけすれば容易に突破されるでしょ、それに上位種が居ないように見えたし、相手の想定内の戦力だと冒険者を倒す事も出来ずに、じわじわと攻略されるだけだ。

あと、洞窟の中にあれほど大量のゴブリンの食糧があると思えないんだけど、ゴブリンは食べなかったりするの?」


「食事はDPで買ってるにゃ……飢えさせるのは可哀想だと思って……」


余程自信があったのか、ゴブリンダンジョンの評価が低いと知って落ち込んでいるようだ。

別に全然ダメとは言ってないんだけどな……


現状をまとめてみるとこんな感じだ。


借金: 985,000DP

1日の生産DP : 110

1日の維持費用DP : 350


日産DPは全ゴブリンの漏れ出てる魔力が10で、ダンジョンが周りから集めてる魔力が100だ。


維持費はダンジョン30階分と、ゴブリンの食費になる。

ダンジョンの階層は拡張して終わりではなく、大きさに合わせた維持費がかかるらしい。

というのも亜空間化しており、周りを掘ってショートカットや外部から強力な一撃で滅ばないような対策だ。


「いやー、見事な赤字だな。」


「これなら借金だってしょうがないにゃ?」


全然しょうがなくはないが、これから直していけばいいだろう……

最後まで見ていただきありがとうございます。

面白い、続きが気になると思ったら、ブクマ、高評価よろしくお願いします。

執筆の励みになります


本日ラストです

仕事の合間に書いてるので、更新は不定期になります

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― 新着の感想 ―
収支と現在資金が分かるだけ、帳簿すら無い大抵の中世貴族領よりはマシ。なのかな? でも余剰ゴブリン放逐して階層解体し縮小均衡図っても利息を返せない気がします。どうするのでしょう? そして、「バランス崩し…
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