11月
「ねぇ、知ってた?ウチの担任て、すごい変態らし―よ!!!!!!」
「ふ~ん・・・」
「去年、3年生にいじめられてたんだって。」
「へぇ……」
「ねぇちょっと!!!!!!人の話聞いてんの!?まったく……」
「ほぇ!?え?なに???」
気が付いたら、玲奈が話しかけてきてた。
「はぁ……やっぱり聞いてない……」
「ごめん」
「ま、綾が話を聞いてない理由くらい、親友の私にはわかるけどね。
どーせ、さt
「その先は言ったらダメぇ!!!!!!!!!!!」
あたしの大絶叫に、クラスのみんながおしゃべりをやめてこっちを向いた。
「誰にも言わない約束で、あたしの好きな人教えてあげたんでしょ!」
玲奈に耳打ちする。
もうその場にいたくなくて、教室を飛び出した。
あたし、加藤綾。12歳の中一。いて座のA型。
バスケ部で、ポジションはフォワード。
みんなには「明るくて元気なブラックッパパ」って思われてるんだけど、
そんなあたしだって、女の子っぽい一面はあるんだよ!
佐藤結城。13歳の中一。ついこの間、誕生日だったこと、最近知ったんだけど、
なにもできなかった……おめでとうもいえなかった……。
てんびん座のB型で、剣道部の期待の中一。
なんたって、一年のくせして、県大会にも出ちゃう大物。
番号にも入ってないあたしとは、大違い……
それでも、頭はあたしの方がいいんだよ!!!
といっても、あたしは中の上くらい。
実力テストでも、159人中72位っていう成績。
あたしがそれだから…そのあたしより低い佐藤は、結構下の方。
でもあたし、佐藤が本気出したらすごいってこと、知ってるよ。
「キーンコーンカーンコーン」
あっ、チャイムなっちゃった!!!!!!
急いで教室行かなきゃ!!!!!!
「はぁっはぁっはぁっ・・・・はぁ……」
ガラッ!!!
勢いよく扉開けて、教室を見渡してみる……
いない。佐藤が……いない。
馬鹿は風邪ひかないって言葉、あるでしょ?
あれ、嘘。
だって、少なくとも本気を出さなければ馬鹿な佐藤は、
今日からインフルエンザで欠席。
詰まんないな。佐藤がいない学校なんて。
あたしもインフルエンザになっちゃいたい。
昼休み、廊下でそんなこと考えてたら、
「あ~~~~やっ!!!!」
声をかけられたんだ。
声を掛けてきたのは……
「あっ、夏澄じゃん!!!!!」
丸山夏澄。12歳の中一。山羊座のAB型。
超がつくほどの美人で、男子にモッテモテ。
生まれながらの美貌を持った人って、ほんとにうらやましいよ……
でも、いつまでもあたしなんかって言ってらんない。
「今日の髪型、かわいいね★」
夏澄に言われると、お世辞に聞こえちゃう……
あたしって、ほんとひねくれたいい性格してるなって、思うよ。
「そぅお??えへへ☆」
「やっぱ恋する乙女は違うね~~^^」
「そーかなぁ…?昨日はさ、今日会えると思って髪の毛セットして寝たんだよ!
なのにさぁ……あれ見てよ。」
黒板を指差す。
あたしの指の先には、
「認欠 佐藤」
ってネームプレート。
「あ~~~~…かわいそうだね……。」
「ほんと、あたしってついてないよね……。」
「復活するのを待つ!!しかないね。」
「うん……あたしも休みたいよ……」
「そっか……じゃぁね^^」
え~~~~~~!?そこでいっちゃうんだ!?
あ~~~~、悲しーー……
いや、でも!!
ここで明るく生きなくちゃいけない気がする!!!!!!!
加藤綾!前向きに生きます宣言!!!!!!!!!!
したんだけど……。
「げほっ、げほっ」
おえ~~~~~~、つらい~~~~~~……
そう、あたしも、結局見事にインフルエンザにかかっちゃって、
おまけに、学級閉鎖。
クラスの半分が、インフルエンザになっちゃったんだって。
おかげで、あたしは佐藤に会えない退屈な日々を、
テレビとゲームで過ごすという悲惨な状態。
うぅぅ……
「あ~~~~、もうっ!!!
つまんない~~~~~~~!!!!!!!」
あたし、持ってた本を投げ捨てて、起き上った…けど、
頭痛くて起きあがれない……。
翌日。
すっかり元気になったあたしは、お母さんにお店に連れて行ってもらって、
好きなものをたくさん買って、休み中のうっぷん晴らしをしました☆
で、その次の日は、バスケで……
「やっほ~、久しぶり~~~~★」
久しぶりにみんなに会って、久しぶりのばすけだね~っ!って話していたのに……
「わるいっ、みんな。なんか、体育館のカギが見つからなくてさあ……」
とか顧問が言い出したの!!!!!!
で、結局。
1年生VS 2年生
学年対抗自転車リレー!!!!!!!
になっちゃうし・・・・・。
私の11月は、とても運が悪いようです……
いやな気持ちのまま迎える12月……
少しでも楽しいこと、あったらいいな。