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【Unique Online】  作者: 地味な男
第二章 第二層攻略編
21/31

第21話 vs.海暴竜

すみません!

投稿するの忘れてました!

 炎、雷、水、風。

 剣技、銃撃技、魔法。

 それぞれのスキルがフィールドで発動され、リヴァイアサンに命中していく。

 ブラディオンと呼ばれるモンスターと、ズライゴドンと呼ばれるモンスターを倒した別働隊と合流してから、すでに五分が経過した。

 これは合流してから分かったことなのだが、別働隊と合流する前よりも、格段にリヴァイアサンの攻撃力は下がっている。恐らくこれは、アスカたち別働隊が他の二体のモンスターを倒したからだろう。

 まさか、他の二体を倒すと、リヴァイアサンが弱体化するだなんて、予想外だ。

 まあ、弱体化したからと言っても、五分が経過した今でも、リヴァイアサンのHPは半分も削れていないがな。

 攻撃力が下がっていることはすぐに、しかも簡単に分かるのだが、防御力だけは分からない。なにせ、他の二体が倒される前に攻撃したわけでもなかったしな。攻撃を回避するのに必死で、反撃のことなんか、一切考えてなかった。

 まあ何はともあれ、少しだがリヴァイアサンのHPを削ることには成功している。

 このまま正攻法で行けば、リヴァイアサンに勝てるかもしれない。

 そう思いながら、俺は剣を振るう。




 ―――




 別働隊と合流してから、大体十分が経過した。

 リヴァイアサンの残るHPも、おおよそ四十%と言ったところか。

 俺は、『双雷逆刃』の最後の一振りをリヴァイアサンにきっちり命中させ、バックステップ。リヴァイアサンから離れ、距離を取る。

 さて、と。

 リヴァイアサンの残りHPは、四十%をきっている。俺の新しい剣技を持ってしても、HPは残ってしまうだろう。

 もう少し……もう少し、待つんだ。

 そう自分に言い聞かせる。

 サンダースと、雷帝剣の柄を握り直し、リヴァイアサンを見据える。

 リヴァイアサンの残りHPが、ついに三十%をきった。

 ……今だ!

 そう思い、一歩踏みだそうとして――立ち止まった。

 俺はリヴァイアサンを見て驚愕する。

 リヴァイアサンの、大きく開かれた口。その中央に、水色のポリゴンが収束していき、球体が作られていく。

 間違い無い。

 あれは……!

「今すぐリヴァイアサンから離れるんだぁぁ!!」

 気がつくと、俺は叫んでいた。

 だが。

 それもう、遅かった。

 超高圧で噴出される、水のブレス。

 そのブレスが放たれ、近くにいたプレイヤーたちを凪払っていく。

 それを受けたプレイヤーたちは次々とぶっ飛ばされ、俺よりも遠く離れた場所へ墜落。それでもHPが0にならなかったのは、幸運だっただけだろう。

 気がつくと、リヴァイアサンから離れていた俺を含む、たった四人を除いたプレイヤーが、皆吹っ飛ばされていた。

「大丈夫か!?」

 俺は剣を鞘に収めて真っ先に、カインとヘディの下へと駆け寄った。

 アスカは俺のように距離を取っていたため、ダメージは受けていない。

 俺は二人に駆け寄るなり、すぐに回復薬を実体化。二人に無理矢理飲ませた。

 その結果、俺の回復薬が底を尽きる代わりに、カインとヘディのHPが全回復した。

「ありがとうな」

「ありがとう」

「気にするな」

 カイン、ヘディ、俺の順で言葉を交わした後、二人は立ち上がった。すると、アスカも駆けつけてきた。

「大丈夫!?」

 カインとヘディが「大丈夫」と答えることで、アスカを落ち着かせる。

「なあアレン。これからどうするつもりなんだ?」

 カインが、俺に訊いてきた。

 どうするつもりなのか……か。

 そんなの、決まっている。

「一気に決着(けり)を付ける」

 俺はそう言い放つと、二振りの剣を鞘から抜き去った。

 金属が擦れ合う音が、耳に届く。

「アレン……本気なの?」

 ヘディとアスカが、不安そうな目で見てくる。

 俺は顔だけ振り返り、笑顔を作った。

「大丈夫だって」

 そして、向きを直す。

 大丈夫、とは言ったものの、流石に一人ではきつい。一人でHPを0にできる自信は皆無だ。

 ここはやはり、俺以外の雷属性のプレイヤーに協力を求めよう。




 ―――




「なるほど。分かった」

「任せろ!」

 雷属性の大剣使い――バンさんと、同じく雷属性の魔導士――グレッグさんに協力をお願いした。その結果、快く承諾してくれた。

 俺たちが少し話した後、俺とバンさんは走り出した。真っ直ぐ、リヴァイアサンに向かって。

 リヴァイアサンとの距離が残り十メートルまで縮んだ。その時、俺とバンさんの間を、青白い雷を纏った、小さな球体がもの凄いスピードで飛んでいった。

 ――グレッグさんの『超電磁砲(レールガン)』だ。

 青白い尾を引きながら、何の迷いもなく直進する雷の弾丸。

 そのまま真っ直ぐに進み続け、リヴァイアサンの腹部に突き刺さった。

 断末魔を上げ、今まさに繰り出そうとしていた水のブレスを中断。大きく体のバランスを崩した。

 リヴァイアサンが漸く大勢を直した時には、バンさんの雷の大剣が迫っている。

「『一刀両断』!!」

 振り下ろされた大剣は、雷を纏うことによって速度が上昇し、威力も上がる。その強烈な斬撃が、リヴァイアサンの左の脇腹に命中。血を思わせる赤いエフェクトが飛び散るように光る。

 再びフィールドに響く、海暴竜の断末魔。

 この時点ですでに、リヴァイアサンの残りHPは二十%。

 これなら、充分いける!

 俺はそう思うなり、二振りの剣を抜刀。

 ――剣技発動……。

 これで、決める。

「『雷帝のォォ……」

 ……この、剣技で。

剣舞(ブレイドダンス)』ゥゥ!!」

 剣技の名前を口にした声はまるで……いや、もはや雄叫びだった。

 サンダースと雷帝剣の刀身が雷に包まれる。

 いや、それだけじゃない。

 俺の両足の膝からしたが、雷に包まれた。

 と、次の瞬間、俺の走る速度が急上昇。一秒もかからずに、リヴァイアサンに肉薄する。

 充分に近づき、まずは右回りに一回転。その際、リヴァイアサンに二連撃を与え、赤い傷跡が二本残った。

 次に、右足左足と軽快にステップを踏み、体の向きを変更。サンダースをリヴァイアサンに突き刺し、すぐに抜く。

 抜いた時に生まれた遠心力に逆らわず、左回りに一回転。振り向きざまに、サンダース、雷帝剣の順でリヴァイアサンを斬りつける。

 再び軽快なステップを踏むことで、先ほどの攻撃で生まれた遠心力を殺す。その際、二振りの剣を握る手は、左右それぞれの方に引き寄せ、一気に突き出す。

「うぅおおおおおお!!」

 二振りの剣の柄を、握る潰すくらいのつもりで握り締める。

 突き刺さった剣は抜かず、力ずくで外側へ動かし、肉を斬り裂く。剣がリヴァイアサンの体から離れた。

 両腕を振りきり、素早く柄を逆手に持ち変える。そのまま、もと来た道を辿るように、剣を振るう。

 最後に二本の斬り傷を与えると、リヴァイアサンは本日三回目の断末魔を上げてポリゴン化。爆散し、消滅した。




 ―――




「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

 破裂するかのように、激しく心臓が波打つ。

 呼吸も、今まで生きてきた中で、一番荒い。

 俺はサンダースと雷帝剣を鞘に収め、皆がいる方へ向いた。荒い呼吸を整えながら、ゆっくりと歩く。

 カインとアスカ、ヘディの所までつくと、三人は俺に駆け寄ってきた。

「お前、ほんとにすげえよ」

「HPは?大丈夫?」

「やっぱりアレンは強いわね」

 母親の如く心配してくる黒髪の少女はおいておくとしよう。まあ、心配してくれてるんだ。

「大丈夫だって」

 そう言うと、アスカは胸をなで下ろした。

 だが、俺がリヴァイアサンを倒せたのは、運が良かった。

 バンさんとグレッグさんの二人の攻撃が命中したから、リヴァイアサンは体のバランスを崩したのだ。そのおかげで、俺は難なく『雷帝の剣舞(ブレイドダンス)』を、しかも全ての斬撃を、リヴァイアサンに命中させることができた。

 間違い無く、俺一人では倒せなかった。

「それにしても、誰が報酬を貰えば良いんだろうな……」

「それは、君が良いだろう」

 俺が何気なく呟くと、後ろから声がした。

 振り向くと、後ろにはバンさんとグレッグさんを始め、俺を含む四人以外のプレイヤーたちが、そこにいた。

 俺に先ほどの言葉を言ったのは、バンさんだ。

「え?い、良いんですか!?」

 正直なところ、俺は最初から、この『海暴竜の蒼玉』は、俺以外の誰かが持って行くべきだと思っていた。

 何故なら、俺は第一層の報酬を貰っているのだ。

「いや、俺は……」

「つべこべ言うな。もしも、報酬の武器が使えない奴だったら、誰かにあげるなり、売ったりしろ」

 グレッグさんはそう言いながら、俺の肩を叩いてくる。

 他のプレイヤーたちを見てたが、皆、納得しているようだった。

「そうですか……。じゃあ、『海暴竜の蒼玉』は俺が貰います」

 ラストクエストの報酬を俺が受け取ることになった。そして、俺たちは、ギルドに戻ることにした。




 ……この先には、悲劇が待っているとも知らずに。






To Be Continued.

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