第一話 撃てない暗殺者 (前編)
※カクヨムにも連載しています。
面影ルナは他の世界を監視する組織、他世界統制局にいつものように赴いた。
そして、いつものように他世界に渡りそこの人間を観察してこちら側の世界に勘付いている者がいないのかを調べると思っていた。
しかしその日は違った。
上司であるナオトから言われた任務は暗殺だった。
「…どうしてですか!?暗殺の任務はB級からじゃ…ないんですか?」
「私はまだFS(性別)24(順位)ですよ…!!」
「FS24は精神は未熟だが…戦闘面は優秀だ。君がA級、B級になれる逸材だと判断しての任務だ。」
「しかし私には人を殺す勇気など…」
「もう決まったことなんだ。覚悟してくれ…」
ナオトの顔は少し申し訳なさそうに見えた。
それ以上は何も言わなかった。
(明らかに裏がある…)
しかし、根が真面目であるルナは暗殺とはいえ任された任務は真っ当しようと考えていた。
(これ以上は考えないようにしよう)
任務の資料に目を通す。
暗殺対象
破斬り(はぎり)トーヤ 性別男 年齢17
身分 学生 所属世界 普通世界
ルナは内心ほっとした。
暗殺対象であるトーヤの所属世界が普通世界だったからである。
なぜなら、エージェントには他世界での絶対的な理がある。
1 エージェントは多世界の人間に自身の正体を知られてはいけない。
2 エージェントはその世界以上の技術使ってはならない。
3 理を破ればガーディアンによって殺させる。
トーヤの所属する普通世界は、人間が特殊能力を持っていない。そのため魔法や異能と言ったものは使えない。
エージェントにとって比較的安全な世界であり、そのため安堵していたのである。
ルナは続けて読んだ。
暗殺理由
破斬りトーヤはエージェントの存在を認識をした危険人物である。口外を加味しての極めて正当な暗殺である。
なお、破斬りとーやに正体を露見したエージェント、FS37はガーディアンの手により死亡。
「……ガーディアン、、」
「エホッ!エホッ!」
あの忌々しい記憶がフラッシュバックして気分が悪くなり壁に寄りかかった。
しばらくして正気に戻ったルナは普通世界に行く準備をしていた。
ルナは支給された現金をしまい拳銃を腰にしまう。
腕につけている時空間跳躍時計を普通世界の座標を設定しようとしていた。
「ルナちゃん!」
誰かに名前を呼ばれた気がした。
すると突然飛びかかられた。
その正体は唯一の友達であり親友であるオレンジ色の髪が特徴のツバキであった。
「ツバキちゃんいたの?」
「いたよ!ルナちゃんが任務行くの見えて走ってきたんだよ!」
ルナに抱きついた。
「ギューーー」
「もういいでしょ…ツバキちゃん恥ずかしいよ」
照れくさそうに頬が赤くなった。
「可愛いね!ルナちゃんは♡」
しばらく抱きつかれた。
「…そろそろ行かないと」
「わかった!いってらっしゃい!ルナちゃん!」ツバキが手を振っていた。
「行ってきます。」
小声で呟く。
時空間跳躍時計で座標を設定した。
最後にツバキに手を振った後、歯車を回した。
その瞬間ルナはツバキの前から消えた。
ルナは他世界(普通世界)へ移動を開始した。
視界は瞬く間に変わっていく。
視界には無数の星々が目に入る。
視界がグワングワンする。三半規管が揺れているのを感じる。
(何回も味わってもやっぱり苦手だ)
そして無数にある星々の一つが大きく光る。
視界が真っ白になった。
◇
ルナは気がつくと周りに緑が広がっており普通世界にたどり着いた。
(誰かに見られるのは怖いからやっぱり森に飛ぶのが一番…)
森を少し歩くと街が見えてきた。
街には住宅地やショッピングモール、中心にはビルが大量に立っていた。
資料にあった対象がよく行く場所に向かった。
しばらく歩きそして目的地ついた。
そこには高校があった。
(学校か…ちゃんとしたところ行きたかったな…)
ルナは少し感傷に浸った後、対象をどう暗殺するかを考えていた。
ふと自分の服を見る。
黒のベレー帽に黒のスーツ。
(この服で潜入するのは流石にあやしすぎる…やはりここは対象が出てくるまで待とう)
周辺を見渡す。
高校の前にあったカフェが目に入る。
カフェのカウンター席は校門がよく見える。
(待つのにちょうど良さそう)
そして、いちごスムージーを頼んだ。
(これも仕事の内。仕方ないよね…)
自分に言い聞かせてスムージーにゆっくり口をつけた。
(美味しい…!)
スムージーを飲み終わりカフェでしばらく待機していると生徒達が門から出てくるのが見えた。
生徒達の顔をくまなく目をやる。
すると周りの生徒と違い柄の悪い集団達が出てきた。
柄の悪い集団の中に一際目立つ存在がいた。
身長が高く。髪型は短く短髪に近い。前髪を上げていて髪色は薄い赤色。
眉毛は吊り上がっていて目は鋭い。
瞳は黄色で左耳にピアスを複数つけているのが特徴の人間。
(…破斬りトーヤ‼︎)
素早く腰にある拳銃を静かに確認した。
(大丈夫….)
会計を済ませ外に出た。
その後尾行を開始した。
とーやは柄の悪い連中を連れて商店街に入って行った。
ルナは20m程度で追跡した。
しばらくして彼らはゲーセンの前に立ち止まった、
柄の悪い連中達はトーヤを残してゲーセンに入っていった。
彼らと別れた後、トーヤは八百屋でりんごを買いその後1人で歩いていた。
(1人になってる今のうちに…ただ今は人気が多い。)
しばらくしてトーヤは建物に入って行った。
(病院…?)
疑問に思ったがそれ以降は考えずにこっそり病室までつけて行った。
トーヤが病室に入る。
中から少女の声が聞こえてきた。
「よっ!にぃ。元気してたか?」
こっそり中を覗く。
小学生ぐらいの薄い赤色の髪をした少女が入院していた。
(妹…?)
「それは俺のセリフだ。奪うな。」
「ふん。アーシは怪盗サヤだ!」
サヤは横ピースをしてキメた。
「元気そうでよかったわ。」
トーヤは椅子に座りリンゴの皮をむきはじめた。
しばらくして、病室を出る。
その際トーヤは小さな声でごめんなといってるのをルナは聞き逃さなかった。
(…!)
病院の廊下をすれ違う瞬間彼と目が合った気がした。
(対象が警戒しないうちに早く殺さないと…!)
(……殺すの?私が彼を…?)
ルナは心の中で殺すことに少し違和感を覚え始めていた。
病院を出たトーヤは人気のないビルへと向かっていた。
ルナは後を追う。
トーヤが2階3階と登っていく、それに続く。
そのうちに屋上についた。
扉は閉まっている。
(この先に…!)
扉を開けた。
周囲を見渡す。
誰もいない。
その瞬間背後からカチッと銃を構える音がした。
「動くな。」
冷たい声の主はルナの口頭部に拳銃を押し付けた。
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