カモ
だが……
シュミットはハーフであることやオッドアイであることで嫌な思いもしてきた。
そんなシュミットにこの二人を押し付けるのは鬼畜だろう。
幸い、今のシュミットはグラスをしていた。オッドアイであることはバレていない。
「ちょっと来い」
アッゼは、ユーテムとルイセの手をつかむと、また魔導エレベータで天空岩へと戻るのだった。
*
えへへと、シュウとタツキが笑い合っていた時。
魔導エレベータのドアが勢いよく開いた。
ドアから出て来たアッゼは引きずるように、ユーテムとルイセの手をつかんでいる。
アッゼは、放り投げるようにユーテムとルイセの手を放す。
「……ついてくんなよ」
「この人、すごーい」
「魔導エレベータを使いこなしてるぞ」
「どこでも行きたい放題だわー」
アッゼの怒りとは裏腹に、ユーテムとルイセはきらきらした目でアッゼを見ている。
「シュウ、その二人は絶対にテッドの舟に連れてくるなよ」
とアッゼが言う。
「あ、うん」
思わず、シュウは頷いていた。
タツキは、目の前のシムがシュウと呼ばれていることを不思議に思った。
「じゃあ、また会おう」
と言い残し、アッゼは帰ってしまった。
「うん、また会おうね」
シュウはそんな言葉を返した。
「まあ、僕がつれてきたわけだし……」
そうつぶやくと、シュウはユーテムとルイセを見た。
タツキに再会して昂っていた気持ちは、ユーテムとルイセを見ていると平常心に戻ったようだ。
「うん、天空岩を案内するよ」、
シュウがそう言うと、タツキは意外そうにユーテムを見た。
「タツキも……」
シュウとしては、4人で天空岩を散歩でも……という心情なのだが。
タツキはユーテムの顔を見ていた。どこかで会った。気のよさそうなこの男は……?
「あ、カモの人……」
「えっ!カモ?」
シュウが驚いたように声を上げる。
「あ、いや……」
バツが悪そうにタツキが口ごもる。
不審そうな顔でユーテムが見ている。
ルイセは訳がわからないという表情だ。




