ハーフ
思いや記憶がシムのものなのか、シュウのものなのか、だんだん二人の境界があいまいになってるようにも思う。
シムがそんな思案をしているうちに、タツキとシュウは同時に笑い合っていた。
* * *
「まあ、リューオスと結婚したいなら、お父さんと仲良くね」
シズクがそんなことを言う。
「んー……」
泣き止んだメノウではあったが、どこか納得できず、頷くことは出来なかった。
「かまぼこ、お土産に持って行って。少しだけど」
かまぼこを受け取ったメノウはご機嫌が直ったようなので、シズクは一安心する。
「帰りはタツキに送ってもらいましょう」
連れてきたのはタツキなわけだし送るのもタツキに任せよう、シズクはそう思ったわけだが、はて、そのタツキはどこにいるだろう?
「タツキー」
シズクは部屋から出てタツキを探し始める。
メノウもそれについてくる。
* * *
「お帰り。早かったね」
テッドの舟で、アッゼを出迎えたのはシュミットだった。
「クロが遅くなるって言ってたけど……?」
「あー、変なのに絡まれて! 予定を切り上げて来た」
「ふうん? その変なのって、男の人と女の人?」
「?」
ようやく、アッゼはシュミットが自分の後ろを見てるのに気づいた。
「ここも天空岩なの?」
「ここも天空岩なんじゃない?」
「……わー!」
アッゼが振り返ると、そこにユーテムとルイセがいた。
「どうしたの?大声出して?」
アッゼは頭を抱えた。
逃げて来たつもりがついて来てたとは……
先ほどの鍵が光ったことといい、このルイセという女は相当魔力が強いようだ。
恐らく、少しコツさえつかめば魔導エレベータを使いこなせるだろう。
「この人も親切な人だ」と、ユーテム。
「人じゃないよ。竜人よ」と、ルイセ。
そういえばこの二人は竜人に会いたがってたな、とアッゼは思う。
いっそ、シュミットに押し付けてしまおうか? 竜人とシミュレーションロイドのハーフだし、それを知ればこの二人は飛びつくぐらい喜ぶだろう。




