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異世界スペースNo1(ランクB)(EX)(完結編)  作者: マッサン
第1次 旋風覚醒編
88/353

88 雷甲 2

異世界へ転移し、巨大ロボ:ケイオス・ウォリアーの操縦者となった男・ジン。

彼は世界を席巻する魔王軍へ、仲間と共に敢然と立ち向かう。

魔王軍の襲撃から王都を救い、最強機体の設計図を届けた一行は英雄として迎えられた。

だが好事魔多し、周囲の妬みや僻みも受ける事に。果たしてジン達の今後は――。

 文句をつけてきた騎士の一人は、調子に乗ると止まらない(たち)のようだ。

「ゴブリンにリザードマンにおかしな片腕、男と女の混ざった悪趣味な体。そんな気持ち悪い連中に(すが)るなど伝統ある我が国の名折れだ」


 それを聞いてジンが振り返った。

「じゃあお前が名を守ってみるか。代わりにヘシ折れるのはお前の体で、それは俺がやるんだがな……」

 最後に罵った騎士へ大股で迫る。


 騎士が恐怖で冷や汗を流す。

 ジンの相手を一人でする度胸など無かったのだ……。

 助けを求めて慌てて周囲を見るが、一緒に文句をつけていた騎士達は一様に目を逸らし、加勢しようとはしない。


 またジンが一歩近づく。

 震えながら騎士が何か言おうとした――が。


「私が相手をしよう」

 そう言ってジンの前に進みでた、たった一人の例外。それは最初に怒鳴った目つきの鋭い騎士だった。


 彼は剣の柄に手をかける。そこに侮りや侮蔑は見られない……真剣である事をジンは感じた。

(デキの悪い仲間の尻ぬぐいを買って出るか。こいつはちょっと違うのかもな)

 そうは思ったが今さら退く気もない。右拳を握って構える。

「一手、()()()()()頼もうか。抜けよ」

 言われて、騎士は剣を抜き、構えた。


 睨みあう事、数秒。

 満ちる気力に圧され、周囲の騎士達が息を呑んだ。


 と、両者が交錯――!


 甲高い音とともに刃が宙で回った。

 半ばから折れたその刃は地面に突き刺さる。

 騎士は折れた剣を手に、目を見開いて硬直していた。


 彼は見たのだ。ジンの右拳が、刃を()()()()打って折ったのを。

 横腹を叩いたのならわかる。

 だが刃が刺さる方向からぶつかり、ましてや一撃で折るなどとは――


「練習は終わりだな。俺らは帰るからよ」

 ジンは背を向け、立ち尽くす騎士を後にした。

 ナイナイ、ダインスケン、リリマナ、二人の少女。皆がその後に続く。

「ヘッヘッヘ、格が違うわなぁ!」

 ゴブオだけは聞こえよがしな大声を出して騎士達を見渡し、背を向けると尻を突き出した。途端に汚らしい音が派手に響き、訓練場の地面が砂埃をたてる勢いの放屁!


 うお、と呻きながら騎士達が退く。

 それを文字通り尻目に、ゴブオは浮かれた足取りでジン達の後を追った。

 後には歯がみする騎士達が残されるのみ。


 城に入った所で、ジンへナイナイが心配そうに声をかけた。

「ジン、大丈夫?」

「切傷がついた。あの騎士、思ったより手練れだったな」

 そう言うジンの右拳……その甲殻には、はっきりと裂け目が刻まれていた。出血に至るほどの傷では無いのだが、そもそもかなり上質の刃でも傷一つつかずに握り潰せる腕である。並の技量では切れ目を刻む事自体が不可能なのだ。


 だがゴブオは能天気に、嬉しそうに言う。

「は! アニキに比べりゃあんなもん全然スよ。ミソッカスのヘッポコのチョンチョンの……」

 思いつく限り罵ろうとするゴブオ。自分は何もせずに他人を見下せる時間こそがこいつの至福の時なのだ。

「しょせん練習試合だ。あっちもあくまで寸止めの剣だった。それだけだからよ」

 途中でジンが強引に口を挟む。

 その口調に圧を感じ、ゴブオは黙った。


 と、そこへジンに話しかける者があった。

「あの、どうもすいませんでした!」


 振り向けば……訓練場から走って来たのであろう、若い――いや幼ささえ残る騎士である。歳はナイナイや二人の少女と変わらないだろう。

「あ、パーシー君……」

 少女の片方、ルシーナが彼の名を呼ぶ。どうやら知人のようだ。

 少年騎士は彼女に一礼すると、再びジンへと向いた。


「王都を守り切れなかった事が悔しくて、皆さんを認められない騎士もいます。けれど聖勇士(パラディン)の皆さんを応援している者もいます! この都を、僕の命を救っていただいてありがとうございました」

 そう言って深々と頭を下げる。

「君もあの日、魔王軍と戦ったのか」

 ジンが訊くと、少年騎士は顔をあげて頷いた。

「はい。すぐにやられて何の役にも立ちませんでしたが……もうダメだって、そう思った時。皆さんが颯爽と現れて、僕らを守ってくれて……。あの時、これからも頑張ろうって、勇気を貰いました」

 真っすぐな瞳をジンに向ける。

 居心地悪そうにちょっと困った顔を見せるジン。

「ん、まぁ、そんなもんで良ければいくらでも貰ってくれていいからよ」

「はい! 皆さんこそ真の勇者です! これからもよろしくお願いします!」

 少年の、一点の曇りもない目。それにジンは背を向け、足早に去った。



 ――という事が昨日あり、ジン達は今日を休日という事にしたのである。

 する事は一つ、ひたすらごろごろ寝ているだけだ。しかも城の豪華な一室から出て、わざわざ艦に戻ったのである。結局、ここの方が落ち着くのだ。

 まぁこんな静養の日もたまには必要であろう。



 しかし、そうやって静かに過ごしていると――突然の振動! 爆発音! 部屋が、いや艦が大きく揺れた!

「ひゃあ! 敵襲!?」

 慌てて宙に逃げて叫ぶリリマナ。

「ドックの中でこんだけ揺れるとはどういう事だよ!」

 悪態をつきながらジンはベッドから転がり出る。ナイナイ、ダインスケンと共に、部屋から飛び出して格納庫へ走った。

J9シリーズは80年代の名作扱いされているが、実際見てみるとメチャ人を選ぶ内容だった。

カッコいいアウトローが大活躍するSFをやりたかっただけなんだろうな、多分。

ロボット出てるのもスポンサー作るためだけって感じがプンプンする回も普通にあるし。

特にSAスライガー。その回の話が終わってから敵が悔しまぎれで雑魚ヘリ軍団出してきて主役ロボが2分で全部撃ち落として終わりとか。

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― 新着の感想 ―
[一言] そういうことやるから、スポンサー倒産するんだよ……(→サ●ライガー)。 しかし、あのロボのデザインはクソダサかったブラ●ガーが一番玩具が売れたという現実。
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