武力制圧用部隊と、ナツミの対立
ナツミさん視点です
詰所の中に入ると当番なのだろう男二人が机でカードで遊んでいたが、私の姿を見るなり慌てて立ち上がり敬礼する。私は貴族の出ではない為偉くはないのだが、隊長ということもあり顔は知られていた。
「し、失礼しました」
「いや、構わない。急に押しかけてすまないな。本部に報告したい事があってな。通信機を貸してもらえないだろうか」
「はっ、少しお待ちください。ただいま準備します」
そう言って奥から機材を取り出し組み立て始めるのを見ていると、もう一人の男が
「しかし、なぜこんな遠くまで?何か遠征でもしていたのですか?」
「ああ、話せば長くなるんだが・・・竜が現れた」
「な、竜ですと!?ではこの街も危ないのでは!?」
「慌てなくていい、既に解決したのでな。それも含め一度本部に報告することになったのだ」
「なるほど・・・だからこの街に」
と、そんな話の間に準備ができたのか。機械の前に誘導される。お礼を言って機械を操作すると少しの間がありあちらと繋がる。
「こちら本部、どうした?そちらから連絡が来るとは珍しい」
「イナンナ火山に向かっていたナツミです、竜に関する事が一通り終わったのでその報告を」
「おお、あの件か。どうだ竜は?大人しくなったか?このまま暴れられると周りへの被害が」
「その心配はなさそうです。一度専門家に現場を見てもらった方が早いとは思いますが、その場に居合わせた冒険者の協力によって竜は撃退されました」
「な、なんと!?竜を冒険者が!?ええい、何があったのか詳しく説明しろ!」
言うべきだろうか、私には報告しなくてはならない義務がある。しかしあれは荒唐無稽すぎて、信じてはもらえない気がしている。
「信じられないよう話なのですが・・・」
「構わん、話してみろ」
私は見た限りの事を全て話した。嘘だと笑われるだろうと思っていたが返ってきた反応は違うものだった。
「いや・・・まさか?つまりそこに・・・そこにそのレイカという冒険者はいるのか?」
「ええ、同行をお願いしたところ快諾してくれたので」
「分かった、そちらに兵を送る。緊急故に独断になるが上も理解するだろう」
「は?一体何を・・・」
と、その時だ。詰所の壁が光り始める。そこから魔法陣が出現すると、空間を無視して人がたくさん出てくる。
しかもこれは・・・私も見る事が滅多にない武力制圧を専門とする部隊だ。
「ご苦労だった、ナツミ隊長。これからは私がやろう。君は下がってよろしい」
出てきた部隊から黒尽くめの鎧を着た男が出てきて私にそう言った。
「ばかな!一体何をする気だ!」
「決まっているだろう?竜を唆した罪人を拘束するのだよ。君のおかげで見つかった。感謝する」
そう言って黒尽くめの鎧の男が合図すると部隊は詰所から出て行く。私はそれを止めようと前に出ようとしたところを後ろから羽交い締めにされる。
「ふざけるな!何も証拠はないはずなのに!」
「だめです!相手は王都の主要部隊です!いくら貴方でも逆らえば!」
「離せ!」
その様子を見てフッと鼻で笑い、黒尽くめの鎧の男は詰所を出た。最後に言葉を残して。
「まだまだ青いな、正義感だけは一人前か」
「くそっ、離せ!離せぇ!」
私のそんな声が虚しく詰所に響き渡った。
まあ、既に賢者に関する情報が出てますしこういった事件があれば関連付けて見られますよね。
本人がどう動くかはさておき。




