竜の加護
ズズン・・・と音を立て地面を揺らしながら竜は地面に墜落する。それを見守ってから私も地面にシュタッと着地する。ヒーロー着地って一度はやりたいよね。
「さて、大人しくなったわけだがバルキリー。まだ邪悪な気配みたいなものは感じる?」
同じように横に降り立つバルキリー。じっと竜を見つめる
「まだ気配を感じます・・・やはり紋章を消すしか方法はないのではないでしょうか」
「なんか方法あるか・・・」
アイテムボックスになら解呪アイテムがあるけど、なんとかなるかー?総当たりで使ってみるか、在庫は山ほどあるからな。
「おりゃー」
アイテムを取り出してはぶん投げ竜に使っていく。するとその中の一つが反応した。『聖なる油』というアイテムだ。確かデバフ系のスキルを全て打ち消す課金アイテムだ。
竜は淡く光を纏うがその光はすぐに消えた。
「どうだバルキリー、反応は」
「・・・消えましたね、もう気配は感じないです」
しれっと私の腕を胸に押しつけて抱くのやめてもらっていいっすかバルキリーさん。その嬉しいんだけど別にそんなことないですし?みたいなすまし顔やめなさい。
「流石課金アイテム、効き目はいいね」
逆にこれでダメなら私にはどうしようもなかった。これで反応あるかな、神獣は知能が高く会話も可能な生き物だ。フェンリルがそうだしな。
「おーい、竜よ。聞こえるかー」
頭をペチペチと叩いて呼びかけてみる。
「む・・・ここは」
すると体を震わせて地面に伏せていた頭を持ち上げこちらを見る竜。
「・・・身体が痛い、どうなっている?私は・・・奴が来てからの記憶がない」
「あー、すまん。止めるためにこうするしかなかった」
まあこっちもテンション上がって少し力を入れちゃったからやりすぎたかもしれないが。
「そうか・・・感謝する」
「何があったんだ?神獣ってのは大人しいと聞いてるんだけど」
「・・・分からない、いつものように巣で寝ていたところにローブ姿の男が現れてな。その男を見てからの記憶がないのだ」
ふーむ、その時に何か仕込まれたのかもな。しかし操られた感じにしては目的が読めない。ただ暴れさせられただけ?もっとやれることがあっただろ。
「眠っているようだったが、私は夢の中で何かに抗っていたような気がする」
「ふむ、なるほど?」
操られていたのを抵抗していた、かもしれないな。そういったものに抗える時点でこの竜の実力の高さが見える。
「それを止めてくれたのだろう?本当に感謝している」
「いやいや、別にお礼はいいよ。私はやりたいことをやっただけ。それが結果的にいい方向にいっただけさ」
「それでは私の気が済まない。それに操られていたとはいえ、私に勝ったのだろう?ならばそれなりの褒美があるのが筋というものだ」
まあレイドボスを倒せばドロップが貰えるけどさ。今回私はただの実力試しというか、興味本位でやっただけだからなぁ。本来は逃げるだけで良かったし。
「手を出すんだ」
竜はズイッと丸太のような太さの腕をこちらに向けてくる。それに触れろ、ということだろうか。
「こうか?」
ピタっと触れると鱗の硬い感触がする。案外冷たいな。もっと暖かいと思っていたが。
「私の加護を授けよう。ふふ、懐かしい。かつてこのように与えたことがある。不思議と君も彼に似ているな」
そういうと言いようのない力のようなものが手を伝い私の中に入っていく感触があった。
それは自分の体の中を血液のように巡り循環しているように感じる。
「まだ慣れていないだろうが、慣れれば君の力となろう」
「そうか・・・ありがと、大切にするよ」
竜の加護なんてゲームの頃無かったからね、どんな効果なのか既に気になるし後でステータスの確認をしよう。
「私は・・・少し眠る。このままでは動かないからな」
「そうか、だったら少し寝たらここを離れた方がいい。ここに人が来るかもしれない」
「ああ・・・わかった」
そう言うと竜は瞳を閉じて地面に身を任せた。
さてと、それじゃ私も行くかな?良いものも貰えたしホクホクだ。
あとバルキリーさん?そろそろ私の腕を離しては貰えないでしょうか?
そろそろステータスの公開できますね!ここまで来るのに25話ほどかかってるの長すぎないですかね・・・?(・ω・`)




