↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/46

戦いは終わった

 「おら落ちろ!空に居られると厄介なんだよ!」


『火術式・中 青焔』


 青い炎を纏い竜の上から落ちる形で拳を振り下ろす。鱗と衝突し衝撃を撒き散らし墜落する竜を追い討ちするように剣を振るうバルキリーによって地面に転がる竜。

 

「いっくよー!『光桜』」


 ワルキューレの持つ槍を掲げるとそれは光を放ちいくつもの槍へと変化し、虚空を漂う。その槍たちは全て竜をロックオンしてワルキューレの手の振りに合わせて雨のように降り注いだ。


「確かに強くなったな、前はこんなの使えなかっただろ」


 ゲーム時代にこれが使えたらもっと楽できたなぁ・・・ま、言っても仕方ないが。

 救出はできたらしいし逃げさせた。これなら本気で行っても大丈夫だろう。スキル使用を解禁だ。


「主人、少しいいですか?」


「む?なに?」


 地面に転がる竜が暴れて悶える所でバルキリーがこちらに来る。当然視線は竜から外さないままだ。


「あの竜と戦っていて気付いたのですが、あれは操られているのではないですか?」


「そうなの?まあ神獣があそこまで好戦的なのはおかしいが」


「あの竜の口の中に紋章が見えたのです。微かに邪悪な気配も感じました」


「それが原因で凶暴化って感じか?どうにかすればなんとかなりそうだが・・・一度大人しくさせる必要があるな」


「ええ、何か手段はありますか?」


 ぶっちゃけレイドボス相手に今のままでは体力を削りきれないままこっちが消耗する。最大火力で沈める必要がある。

 その時、体制を立て直した竜が火球を生成するとそれを飲み込み、口の中で溜め始める。


「げっ、体力半分切ったか!?ブレスがくるぞ!」


 バルキリーと私を狙ったそれは火球を圧縮し放たれたビームのようなブレスだ。それがこちら到達する速度は早く、避けるのは難しい。


「なら、こいつだ!」


『岩術式・中 炭土竜』


 片方の空いたスロットに差し込み、両方のスロットボタンを叩き発動させる。


『灼術式 金剛』


 手を地面につけるとダイヤモンドが地面から飛び出る形で自分たちの目の前に出現する。それは到来するビームを弾く。


「鉱物ってのは熱と圧力で作られる。それを再現したものさ」


 まああくまでイメージだから正確ではないが、その発想から生まれた魔法だ。

 そしてお返しといこうか


『土術式・中 大猩々』


 身体能力を強化した足でそのダイヤモンドを蹴り飛ばし竜の顔面にぶつけると叫び声を上げて竜は顔を横に振る。


「はっはー、いい目覚ましだろ?」


 すると竜は堪らず空へと飛ぼうとして翼を広げる。空を飛ばれると面倒だ、また落とすか。


「主人、いい案が思いついたのですが、よろしいですか?」


「ん?なんだ?」


「それはですね・・・」


 耳元でその案を囁かれる。ふむふむなるほど!?その発想は無かったわ。空に行こうとするのを逆に利用する形にしてやればいいわけだ。


「それで行こう、誘導は任せた。私は思いっきりいくぞ」


「ええ、お任せください」


 『迅脚』を発動し空を飛ぼうとする竜の足元にまで近づく。


『風術式・中 朧月』


 再びスロットを二つとも発動させる。しかし今回はそこにスキルも追加する。『迅脚』で踏み込み勢いをつけ、そこに更にスキル『魔法暴走』『ミラーワールド』だ。

 『魔法暴走』はその名の通り暴走だ。あえて暴走させる事で火力を上げるスキル。自分の中で唸る魔力の渦と風の力強さを感じる。

 『ミラーワールド』は自分の分身を作るスキル。ただし発動後は一回攻撃すると消える仕様だ。これの良いところは行動を連動させる事で実質二倍の火力を得られるところだ。


「そんなに空飛びたきゃ飛ばせてやるよ!お前ボールな!」


 ジャンプしながら空きの腹に向けて分身と共にドロップキックを放つ。身体を纏う風が一気に解放され辺り一面を吹き飛ばす。岩々は細切れになり溶岩は掻き消される。その風の威力は無防備な竜の腹に喰らいつきズタズタに引き裂く。そして風は竜の巨体を浮かせ上空へと吹き飛ばした。

 地面に着地したレイカは叫ぶ。その声は風の中で確かに届く


「バルキリー!ワルキューレ!」


「はい!」


「任せてー!いくよお姉さま」


 翼を持つ二人は空へと飛び立ち、竜に対して真下に位置する場所に到達するとお互いの持つ武器を合わせて構える


「喰らえ竜よ、我らが天空の覇者に伝わる奥義を」


「まだ未完成だけどね!」


 ワルキューレの槍が先程の技よりも光り輝き、バルキリーの剣もまた光り始める。

 次第にその光は強くなり、ひとつの形を形成した。まるで巨大な矢のようだ。


「いくぞ!」


「はーいお姉さま!」


『グングニル』!


 二人が放つ光の矢は竜へとあらゆる障害を無視して凄まじい速度で到達する。衝撃波だけで空にかかる雲を吹き飛ばし竜の鱗すら貫いた。


「主人!今です!」


 バルキリーの声が聞こえる。私は既に空にいる。

バルキリー達が空に向かうと同時に私も飛び、竜の遥か上にいた。


「考えたな、確かにここなら周りを気にする必要はない」


 空には隔てるものはなく、壊すものも存在しない。ここなら周りへの影響を考えずに済む。


『風術式・極 晴嵐』

『フルチャージ』


 スロットに差し込み発動させたそれはもはや風というには余りにも強大すぎた。風を圧縮し作られた暴風の弾が竜へと100を超える数で殺到し触れると同時に暴風が解放され竜の身体を余さず切り刻んだ。

 もはや竜に対抗する気力はない。ただでさえバルキリー達の攻撃で体力を大量に削られた所にこの攻撃だ、もはや決着はついたのだ。

 力なく竜は地面へと落下していった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。