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気難しそうな職人の捜索依頼

 カンカン、カンカンと音が響く。道は両端の店からくる熱気で暑く、何もしていないのに汗が出てくる程だ。そう、私たちは今鍛冶場の集まり。武具店に来ている。といっても店としてはたった一つしかないらしく大勢の職人が集まった店らしい。


「うわぁ・・・いいなぁ・・・かっこいいなぁ」


 さながら親の買い物でデパートに来た子供のように目を輝かせ、店のショーウィンドウに飾られた武器を見ているアレン少年。

 その気持ちはよく分かるがアレン少年よ、君が見ているそれ、値段2000万円とか書いてあるぞ。桁ひとつ間違えてんじゃないかな?

 実際、私達の横を通り過ぎる人達を見たところ金を持ってそうな強い冒険者ばっかりだったし。アレン少年向きの武器があるか怪しいな。


「ほー、これなんかいいな。作った人はロマンをよくわかってる」


 私も同じようにショーウィンドウを見れば目を引く武器が。外見はただの大剣だが変形して大砲になるという代物だ。よく見れば柄にカートリッジを嵌め込む部分が存在しそこから装弾するんだろう。

 ロマンを追求しつつ見た目にも拘るその仕事ぶりは私からしても拍手を送りたくなる。

 ただ、値段はそれ相応に高い。そんな値札からそっと目を逸らした。


「だからぁ!言ってるだろ!?親方は今居ないの!作って欲しけりゃ帰ってくるまで待て!我慢できねぇなら帰れ!」


 と、そんな事を考えてたら遠くからでも聞こえる怒鳴り声が聞こえる。何事かと声の方を見れば私の横を勢いよく走っていく冒険者が。その後ろ姿からでも分かるほど怒っていたが・・・

 周りの冒険者も何事かと見ていたがすぐに興味を失い歩き出す。

 ふむふむ、何やら面倒ごとの予感。暇つぶしに少し首突っ込んでみようかな?

 正面からくる冒険者達をすり抜け声の方に行けばそこは受付のようで、製作依頼などができるっぽい。受付の人も袖から見える傷だらけの筋骨隆々な腕が特徴的な髭のおっさんだ。鍛冶場というのもありその姿はよく似合っている。


「ちょっといいかね」


 そう話しかければぶつぶつと何か言いながら机を叩いていた男性はこちらを向く。


「何かね、製作依頼なら無理だぜ」


「いやそのつもりはないんだけど、怒鳴り声が聞こえたもんで何かあったのかと思ってね」


「ああ・・・あれが聞こえてたか。客に恥ずかしいもん見せちまった」


「何があったんだ?」


「いやな?どっかのボンボンだか知らねーが偉そうな奴が製作依頼しに来たんだよ。しかも三日とかそこらで作れとか抜かしやがる。この時点でふざけんなって感じなんだが」


 あー・・・現場も何も知らない素人が好き勝手に注文つけるアレな。私の世界でもよくあるから理解できる。現場も知らないのに理論だけで注文つけて無理難題押し付けてくる奴な。で、結局出来なくて怒られるのはこっちなんだぜ?殴りたくなるさ。

 と、話が逸れたか。


「こっちは親方が今不在でよ、専用の武器製作は一本一本親方が作ってるもんだから今受けれねーって言ってんのに食い下がってきやがる」


「まあそれなら仕方がないな。武器に限らず専用なんて微調整やら含めたら最低でも1ヶ月とか掛かるもんだし」


 本人の癖に合わせたりなんかで色々やればいくらでも時間取られるからね


「だろう?それをわかってねぇんだわ。だから追い返してやったのよ」


「なるほどなぁ・・・」


 疲れた様子のおっさんにうんうんと私も同情する。お仕事お疲れ様です。


「それで親方はいつ戻るか、分かるかね」


「それがよう・・・なんかいつもより遅いんだわ。親方は拘りのある人でな、材料から自分で取らないと気が済まねぇんだ。今も神獣が住む山『イナンナ』に行ってるんだが・・・いつもならとっくに帰ってきてんだかよ」


「何かあった、のかもしれないな」


「そうなんだよ、だからそろそろ捜索の依頼をギルドに出そうかと思っててよ?」


 『イナンナ』か。前に戦ったキマイラレベルの敵がゴロゴロいる難易度の高いエリアだ。そこに行けるって事はだいぶ強いはずの親方。

 まあ面白そうだしイベントの感覚で行ってみるかー。


「んじゃ私が行ってくるよ。これでも冒険者なんでね」


「ん!?姉ちゃん行ってくれんのか!そりゃありがたい!」


「どちらにせよ注文したいなら親方が必要だし、ついでだよついで」


 どんな親方なのかも少し気になるし?


「ちょ、ちょっと!レイカさん置いてかないでくださいよ!迷子になったじゃないですか!」


 と、そんな話をしてたら後ろから足を引っ張ってきたアレン少年。すまんな少年。話に夢中で忘れてたわ。



(´・ω・`)明日は月曜日・・・つまり平日・・・

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