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私の幼少期の記憶
①
2,3歳のときだろのか。
古いマンションの一階で、住んでいた。
夫婦喧嘩が始まったときに母の作ったカレーライスが絨毯の上にひっくり返った。
べちゃっとくっついた。父がなぜか母を殴っている。怒鳴り声がする。
窓辺に母を追いやった父がもう一度母を殴ろうとした。
母はとっさに顔をそむけた。
父の力が入った拳が窓ガラスを直撃した。
ガラスが粉々に割れて、父の拳が血で真っ赤になった。
私は、父を止めようとしたが、突き飛ばされた。
ころころと転がって、洗濯物の干している下のほうにすっぽりと収まったのだった。
次の日父は裏にある駐車場に来いと呼んだ。
駐車場は砂利で引き詰められている。
父はこう言った。
「ここに寝ろ。」
逆らうのが怖った私は仰向けに寝そべった。
父は車に乗り出し、私の体の上を車で通って行った。
息を飲んだ。砂利の感覚、石のにおい、車のガソリンのにおい、
鉄の錆びたにおい。
不思議と怖くなかった。




