島流し的な部署の2人
規模としては中小企業の部類に入る株式会社 UMIの総務課には、島流し的な部署があった。
畳で例えると6畳程の広さしか無い狭い室内には2つの机が仲良く並んでおり、2人の男女がこれまた仲良く肩を並べてデスクワークに勤しんでいた。
1人は32歳の派遣社員、丸平他与太。他人との適度な距離間が分からない社会不適合者の典型であり、派遣の更新を切られあと3ヶ月でこの会社を去る事が決まっている身だった。
体型は中肉中背。視力が悪く眼鏡をかけているが 、眼鏡を外しても奇跡は起こらず平凡なビジュアルだった。安価な1000円カットでいつも散髪をしているが、ものぐさから最近は理髪店から足が遠退き、癖毛の髪がやや長めに伸びていた。
もう1人は29歳の正社員、直角直子。細身で顔とスタイルはそこそこ。曲がったことは地球が滅びようとも許せない杓子定規を地で行く頑固な性格であり、上司の不正を上層部に暴露したが「ちょっとあの子扱いづらいよね」という上からの判断が下され、島流し的な部署にのしをつけて送られた。
他与太と直子には共通点があった。それは、お互いを想い合っているという点だった。だが、これまたお互いに相手にその気持ちを打ち明けられなかった。
これは、島流し的な部署で働く2人の「どうでもいいわ」的な会話の記録の物語である。




