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「はぁー、今日も疲れたわ。最近、朋ちゃんてばさ、リリカにばっかりお姫様させてやんなっちゃう。あたいなんて、今日はずっと木だったわ。」
猫がガーコに話しかけた。
ついさっきまで朋ちゃんがいて、お人形遊びをしていたのだ。
「木でも役があるだけいいわよ。私なんて使ってもらえなかったんだから。」
ガーコはずっとベットの上から眺めていた。
「そうだったわね。悪かったわ。」
猫は、しまったと思った。
自分の事ばかり考えてガーコの気持ちを汲んであげれなかった自分を悔いた。
「でも、まぁリリカばっかり可愛がられているのは事実ね。」
そんな猫をみて、ガーコは言った。
そして翌日、今日はガーコも役をもらっている。
警察官だ。
そして猫は理科の先生だった。
猫先生が財布を落としたところから事件が始まり、偶然居合わせた警察官ガーコの優れた観察力と洞察力によって、瞬く間に解決されるのだ。
リリカは警察官ガーコが信頼を寄せる霊媒師だった。
「あー、今日は良かったわ。理科の先生なんて、出来るか心配だったけど、案外楽しいもんね。」
朋ちゃんが居なくなった部屋で猫がガーコに言った。やっぱり動ける役が楽しい、と猫は思った。
ガーコの返事がなかったので、振り替えると、ガーコはリリカと話しこんでいる。
「どうしたっていうのよ?」
猫が声を掛けると、ガーコが言った。
「あ、猫先生、先ほどはお疲れ様です。お財布、無事に戻って良かったです。」
「へ? ガーコ? なに言ってんのよ。」
「猫先生、どうかしましたか?」
ガーコに話しかけたのに、リリカがにっこり微笑んだ。
猫が小刻みに震え、呟きはじめた。
「、、猫先生、、猫先生、、私は猫先生、、」
満足顔のリリカは、ガーコを連れて歩いて行った。
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