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第十三章 第三話
真備は放たれた。理由はわからない。旧主とはさらばだ。……なにより二藤次の容体が心配である。脚の太い馬をもらい受け、堂より急ぎ平賀の地へ駆けた。
真夜中についた。とてつもなく疲れるはずだが、微塵にも感じさせない。
真備は門を開く。渋いながらも、ギシギシと音を立てながら扉は動いた。……すると松明が無数にたかれ、屋敷には多くの武者が座していた。この異様な空気に、真備は問う。
「これはどうしたことだ。」
すると大勢の中から、真っ赤な衣を鎧の上に羽織っている若武者が立った。
「お久しぶりです、小野殿。工藤祐先でござる。」
「いかがいたしたのです。」
祐先は怒りの形相だった。
「二藤次が消え失せた。」




