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曽我物語外伝 奥州再乱  作者: かんから
悲惨 建久四年(1193)秋末
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第十一章 第四話

 私は慌てて、裸足のまま外へでた。烏帽子もつけている余裕などない。声の方向へ走ると、そこには鮮血を出して倒れている男がいた。



 真備は思い出した。かつて多賀の国衙であったことを。今は目前(めのまえ)に、二藤次がいる。すでに殺し手は消え、月が雲から出たり隠れたりしているだけだった。


 近づくと、二藤次は唸(うな)っている。まだ命はあるようだ。真備は小柄な体ながら二藤次を背負い、屋敷の中へ運んだ。寝ている者を起こし、早急に手当をさせる。

 


 娘は問うた。


 「なぜ、このような仕打ちを受けなければならないのですか……。」


 「決して二藤次だけの責任ではない。筋合いのないことだ。」



 道子は泣いた。あふれんばかりに泣いた。その悲しみは一人だけの者ではなく、一回泣いただけでは流しきれない深いもの。


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