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曽我物語外伝 奥州再乱  作者: かんから
抵抗の結末 文治五年(1189)冬
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第五章 第五話

 高季は十三福島城へ入った。藤原秀栄は嫌な予感がしていたが、出迎えないわけにはいかない。

 

高季は決意していた。開口直後、このようにのたまった。目線はいつも以上に鋭かった。



「義父上、縁を切りませぬか。」


何を言い出すのか、この男は。



「皆々の迷惑にならぬように努めまする。私の所領は、裏切り者の二藤次にくれてやればよい。」


“北の兵”を連れて、船団で鎌倉を襲う。


白鬚公は思った。お前は馬鹿だと。苦笑した。本気なのかそれは。口を開く。


「なら、私の、娘は、どうなる。」


「二藤次に嫁がせればよいではありませぬか。鎌倉へ真っ先に従った男。東日流はさぞや、安泰でしょう。」


高季はさらりと言いきった。


「しばし、……待て。東日流は……常に、共に……ある。皆の……意見を……まとめて……からでも……遅くは……ない。冬は……まだ長い。」


「そう申しているうちに、結局は鎌倉へ従う魂胆でしょう。わかっております。」



そのまま、屋敷をあとにして船に乗り込んだ。藤崎へ別れを渡す必要があるのだ。



……入れ違いに、鎌倉の使いが城へ入った。参陣の命令である。


「反乱軍がいくら持ちこたえようとも、春になればこちらが勝つ。“北の兵”などという得体も知れない夢物語に頼ってもよいが、その時はわかっているな。」



 気品ある姿だが、そいつは猛獣の目を持っている。羊はだまって伏するしかない。

いつしか工藤は白髭公の腕を掴み、右の衣に刃を向けた。老いぼれはなすすべなく、衣は引き裂かれた。

おそれのあまり、小便を流す。見て笑う工藤。その後ろには無言の二藤次。


 そして、獣は言った。

「本来なら、秀衡の弟であるお主の命はないのだぞ。ありがたく思え。」

 


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