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●第百五十九話 邂逅せよ、美人上官

今日から更新はお昼に戻ります…!

   [3]




 十八年前(、、、、)――2114年。


 第三次世界大戦が終わるまで、あと二年と数か月。


「なぁ冥加。俺達はいつになったら戦場ってやつから解放されるんだ?」


 日本軍の軍服に身を包んだ十一歳の少年(、、、、、、)伍島(ごしま)信篤(のぶあつ)は護衛艦『きさらぎ』の食堂でぶー垂れていた。


「第三次世界大戦が終わるまでに決まってんだろ。阿呆かお前は」


 興味なさそうに返事をしながら支給されたレーションをかじるのは、同い年で伍島と何度か戦場を共にしてきた冥加(みょうが)(かず)だ。


「この前ようやくロシアから日本に帰れたと思ったら、次は南極だぜ氷の大地だぜ!? いくら俺達が希少なエリート超能力者サマだからってたらい回しにしすぎだろ!」


「暑いところから寒いところに飛ばされるよりマシだろ。俺はお前と違って、昨日まで赤道直下で軌道エレベーターをぶっ壊す任務だったんだよ。気温の変化でおかしくなりそうだ」


「ああ、そいつの噂は聞いたぜ! 確か【ウラヌス】が出てきたんだろ!?」


 これまた支給されたミネラルウォーター入りのペットボトルを握りしめる伍島は、興奮した様子で腰を浮かせた。


『第三次世界大戦を終わらせる』と豪語して様々な戦場に現れるようになった【ウラヌス】は、今や地球上で最も注目を集めている。市民からは英雄として、政治家や軍人達からは邪魔者として、そして何となく生きる者達からはエンターテインメントとして。


「おーすごかったぞ。俺のいた小隊は速攻で武装解除して撤退したが、指揮官の部隊はバカなことに抵抗しようとして五秒で壊滅」


「シャレになってなくね?」


「笑わなきゃ落としどころが見つからないんだよ。とにかく【ウラヌス】はすごかったぜ。流石は革命軍だ」


 冗談めかして笑ってみせる冥加だが、年齢はまだ十一歳。人体が気圧差によって弾け飛ぶシーンなんて冷静に見られるはずがないのだ。


「で、今回は何のために南極に向かわされているんだ? まさか【ウラヌス】が出張るような戦場じゃないだろうな?」


 レーションを食べ終えた冥加は食堂を見渡す。護衛艦『きさらぎ』に集められた人員は護衛艦を動かす海軍の他に、伍島や冥加といった陸軍の『徴兵された超能力者』達がいた。年齢は二人の十一歳を最年少として、上は三十代後半までいるだろう。


「南極大陸といえば『国境なき戦争』だろ」


 伍島はレーションを包む紙をペリペリめくりながら、


「様々な国が『地球の最南端』の占有権をめぐって数十年間争いつづけてやがる、クソッタレな戦場だ。南極大陸を支配できりゃ、南半球で大きく優位に立てるからな」


「日本軍もその支配に乗り出そうとしてんのか。建て前っちゃ建て前だけど、日本軍は『侵略行為はしない』って宣言してるんじゃなかったっけ?」


「だから『国境なき戦争』はおあつらえ向きなんだよ。どこの国も占有していない――つまり侵略にはならないからな」


「とんだ詭弁(きべん)だ」


「つっても、今回は実際に戦争するわけじゃない」


 伍島は後方を指さした。


「南極にある基地に物資を届けるのが、やつら海軍の任務。俺達陸軍――というか『超能力者』はもし超能力者が現れたらって時のために呼び出されたにすぎない」


「輸送の護衛ってことか。……飛行機で空輸すりゃいいのに」


「お空を飛んでたら撃ち落とされるような領域なの、南極大陸って」


「そんなところに乗り込むのかよ。やめろよ一気にやる気なくなっちゃった」


「今更だろ。冥加にやる気があった瞬間なんて見たことがないぞ俺」


 十一歳らしからぬ言動に周囲の大人たちがビビッている間に、護衛艦『きさらぎ』は南極近くの氷河地帯に突入した。


「そろそろ上陸だ。準備に行くぞ伍島」


「おうよ。新しく班を編成しなおすんだろ? 冥加は何班だ?」


「六班だな」


「うすうす予感はしてたけど同じ班か。腐れ縁もとことんだな」


「大人達としては、目障りな子供は一ヶ所にまとめておきたいってことなのよ」


 二人の背中に声がかかる。振り返ると、口調の通り若い女の人が立っていた。


「あなた達が『超能力者』伍島君と冥加君ね。私は六班の班長の天草(あまくさ)玲奈(れな)よ。よろしくね」


 黒髪ポニーテールで目つきがキリッとしている。女性にしては背が高い。外見から察するに二十代……いや、十代後半くらいだろうか。軍服の下でも主張の強いお胸に目がつられそうになって、冥加は慌てて目を逸らした。


 美人だ。


 基本的に男所帯な軍で、滅多に見ることのない美人がいる。


「え、ええと、俺が冥加。こっちが伍島です」


「よろしくお願いしゃーす」


「はい、お願いします」


 玲奈がニカッと頬をほころばせる。


「目障りな子供ってどういうことっすか?」


「周りの態度から察するに、歓迎されてないことだけは自覚ありますけど」


 食堂はあまり広くないが、冥加と伍島の周囲は空席になっていて玲奈以外に声をかけてきた大人はいない。十一歳のガキが何しにきやがった、という想いが嫌でも理解できる。


「正確には『まだ十代なのに自分達より重要に扱われている陸軍のガキ』が目障りなのよ。私も含めてなんだけどねー」


「いくつなんすか?」


「十八歳。私も『超能力者』だから引っ張られたクチよー。お互い若いのに災難ね」


「いやいや、俺達の七つ上ですでに班長ってすごいですね」


「まだ十一歳なの!? 正真正銘の子供じゃない。日本軍どうなってんのよ」


「心の底から同意します」


 玲奈が頭を抱えたところで、作戦ブリーフィングへの呼び出しがかかる。冥加と伍島は重い腰を上げた。


「ほんじゃま、今日もクソッタレな軍事活動に参加しますか」


「目標は『できるだけ楽に』な」


「君達、大人よりも(きも)()わってないかね?」




   ★ ★ ★




 冥加たち六班は物資を輸送するトラックや護衛につく戦車などからは距離を取り、遠方から敵の接近や襲撃を防ぐ役目が与えられた。


 ようは戦闘係。


 いざという時矢面に立たされる、最も命の危険がある役割を押し付けられている。


「なあ冥加、お偉いさんは俺達『超能力者』のことを不死身と勘違いしてないか? これでも未来の日本を担う若者の筆頭だぜ? (なまり)(だん)一つ眉間(みけん)にぶちこまれたら死んじまうんだぞ?」


「そういう敵を先に潰すのが俺達の役割なんだろ。レーダーマップから目を離すな伍島」


「なあ冥加、なんでレーダー搭載(とうさい)車があんのに俺達は徒歩で南極大陸を散歩してんだよ!? こっちも安全な装甲車で移動しようぜえオイ!」


「超能力者は視認や反応が大切だ。反応があってから車を降りるようじゃ間に合わない」


「そのレベルの不意打ちに生身だったら対応できんのかよ冥加クンはよォ!?」


「軍のマニュアルだから文句言わないの」


 先行していた玲奈が苦笑いをしながら振り返り、伍島はしぶしぶ口をつぐんだ。


 六班は全部で十二人。お互い視認できるギリギリの範囲で広がっているが、冥加と伍島だけは指示を無視して近くにいる。十一歳のガキが大人しく上司の命令に従うはずもない。


 それに敵の警戒といったところで、周囲に見えるのは氷とペンギンの群れだけだ。あのペンギンが爆弾でも背負ってない限りは至極安全なのである。


「そういえば冥加君と伍島君の超能力ってどんなものなの?」


 班長たる玲奈が雑談を振ってくるのも、そんな気の緩む状況故だろう。


「俺は物を跳ね返す能力の《千畳反転(リフレクトレイヤ)》で、冥加は物を動かす《念動能力(サイコキネシス)》っす」


「シンプルイズベストって感じね」


「班長は?」


「玲奈さんでいいよー。私は物を突き飛ばす能力。正式には『斥力』とやらを操って物を反発させる力で、日本軍じゃ《斥力展開ディスターブフィールド》とか名づけられました」


 跳ね返すことも突き飛ばすことも冥加の《念動能力(サイコキネシス)》で再現可能だが、原理が違うとそれだけで超能力の種類も変わる。名付けている奴のネーミングセンスは追々つっこむとして、


「班長も『超能力者』だから軍にぶちこまれたクチですか?」


「まあねぇ。本当は家の暖かいコタツでうたた寝したいトコだけど、うちは父親が軍人なの。娘が超能力に適性があるとわかるなり、半強制的に従軍だよ」


「どこの家も似たような理由でおいそれと子供の命を突き出すんだな」


「君達も親に突き出されたんだ……って、普通は十一歳の子が南極なんか来ないよね。でもまあ親だって日本のために仕方なく子供を送り出すわけだし」


「ちなみに子供が従軍すると、家族に給付金が降ります」


「一気にきな臭くなったんだけど!?」


 冥加がボソッと付け足した冗談に、玲奈だけでなく班の全員が苦い顔をする。


 そんな彼は、手に持つタブレットの端での変化に気づいた。


「おっと、レーダー反応アリ」


「大きめなオブジェクトがこっち側に移動中か。輸送に気づかれちゃったかなー?」


 レーダーの反応は百キロ近く遠方だが、攻撃が届かないこともない距離だ。


「総員、超能力発動端末(SET)を起動して。一応戦闘態勢とるよー」


「攻撃するつもりかどうかだけでも判断できればいいんだがな。伍島、直に見てこいよ」


「ねえ冥加君、レーダーの読み方わかる? 俺が歩いて向かっている間に輸送任務が完了するくらい距離あるよ?」


「精鋭たる子供諸君、一旦私語は(つつし)みたまえ。確か遠見(とおみ)の『超能力者』がいたよね?《領域視野(ゾーンアイ)》とかいう変な名前の」


「軍の上層部は一旦マンガ的発想で超能力を名づけるの、やめるべきだよな」


 玲奈と伍島の容赦ない愚痴に涙を流しながら、若い男が挙手をする。


 彼が超能力を使って遠見をすると、それは大きな装甲車だと判明した。


「攻撃……いや、牽制かな? こっちがおとなしく『物資の輸送だけをしている』って伝えられればいいんだけど」


「物資の輸送が完了すれば日本軍はしばらく南極に居座ることになる。『それ以上進むな』という警告かもしれないですよ」


「十一歳が冷静な判断しますなぁ……《領域視野(ゾーンアイ)》さんは引き続き監視を。他の人達は反応を確認しながら迎撃態勢で輸送車の護衛に努めますよー」


 玲奈の仕切りはテキパキとしているのだが、いかんせん指示が気だるそうなので緊張感が薄い。周囲散開していると、伍島は氷に足を滑らせた。


「痛っ! そして冷たっ!?」


「何してんだよ伍島」


「氷の上だぞ。俺はペンギンじゃないから器用に歩けないんだよ!」


「ペンギンは腹で滑ってるぞ。見事なものだ」


「おお本当だ。地上を泳いでるみたいで可愛いなあ――ところであいつら、輸送車に向かって猛スピードで滑ってないか? このままじゃ輸送車にひき殺されちゃうぜ」


「さすがに輸送車が避けるだろ。生態系を破壊しないのが南極大陸での最大のルールだぜ」


「生活排水やオイルをドバドバ流してんのに何を今更」


 伍島は笑いながら双眼鏡を取り出した。ペンギンの安否が気になるらしく、輸送車の方に体を向けている。玲奈が微妙な顔で冥加に『怒ってよ』と訴えかけるが、冥加はわからなかったことにして自分の仕事をこなす。


 衛星からの映像に切り替えてブツの外観を観察する。


「おい冥加、ヤバいぞこっち見ろ!」


「え? 今こっちは敵さんの分析に忙しいんだよ。ペンギン一家の生存報告なら後にしてくれ」


「冗談言ってる場合じゃねえんだってば! あのペンギン、空を飛びやがったぞ!?」


 はぁ? と冥加は後方へ振り返る。


 次の瞬間。




 数十匹のペンギンがペットボトルロケットさながらに空中を飛び、輸送車の周囲で巨大な爆発を巻き起こした。




 冥加は最初、立ち上る黒い煙を眺めていた。


 それがペンギンのような『何か』が爆発したことによって起こったものだと気付くや否や、伍島と共に駆け出していた。


「なんだよあれ……ペンギンに爆弾でも背負わせていたってのか!?」


「違う伍島! おそらくはペンギンのように見せかけた『ロボット』……いや『自立式小型ミサイル』とでも呼ぶべき代物だったんだ! 輸送車がヤバい!」


「すでに取り返しのつかないことになってんだろうがよ!?」


 とにかく現場へ氷を滑るように急行する。


 周囲は氷がひび割れており、輸送車は派手に横転していた。ペンギンミサイルを喰らったのは護衛していた者達やレーダー搭載車、人間を乗せたトラックなどだ。


「ピンポイントで物資を避けたのか」


「まずは怪我人を――っておい冥加、どこ行くんだ!?」


「周囲の警戒に決まっているだろ。救助は任せるぞ」


「な、なるほどな」


 別の方へかけていく冥加を見送り、伍島は爆風で吹っ飛ばされたと思しき男に駆け寄った。


「おいしっかりしろ! 大丈夫か!?」


「あ、ああ……一体何が起こったんだ……?」


「状況確認は後だぜ。輸送車は自動運転って話だったよな?」


 男は伍島が指さした先を、体を起こしながら眺める。ようやく状況が掴めた彼は、額をゴシゴシと(ぬぐ)った。


「……基地まで遠隔制御しつつセミオートで進むようになっている。横転したから基地も護衛艦『きさらぎ』も異変に気付いたはずだ」


「だが今はちょうど両者の間、救助が来るまでは時間がかかるぜ……! オッサンまだ動けるよな、息のある奴を助けてひとまず安全なところへ避難するぞ!」


『伍島君、冥加君! 今すぐ応答して!』


 肩の無線が悲鳴のような高音を響かせる。


「玲奈さん?」


『名前で呼ぶってことは伍島君かな!? 今の爆発をキッカケにして、巨大装甲車が主砲をそっちに向けたわ! 砲撃がくる!』


「逃げるっつったって、まだ物資もあるし倒れている人もいるんすよ!?」


『助けている余裕なんてないでしょ!? 一旦安全な場所まで逃げて、それから上に作戦続行か指示を(あお)ぎましょう!?』


「冗談じゃねえ! 救える命を目の前で見捨てろってか!?」


『自分が助かるかどうかもわからない状況で、変な意地を張るんじゃな』


 ゴバンッッッ! と。


 突然、玲奈の音声をかき消すほどの轟音が氷を震わせた。


 目で追うのもままならない電磁加速砲(レールガン)が、一直線に冥加たちのいる辺りへ降り注ぐ。莫大な電磁熱の余韻が周囲の空気を一気に熱して膨張させ、広がる衝撃波が伍島を氷の板の上に転がらせた。


「うがあっ!?」


『っ、冥加君、伍島君!?』


 玲奈の無線が聞こえるが――冷静に考えれば、無線が聞こえる時点で伍島や隣に転がるオッサンは助かったのだ。前方に両手をかざした冥加の《念動能力(サイコキネシス)》によって、レールガンは着弾することなく上空をふっ飛ばされ、弾丸が燃え尽きたのか残滓(ざんし)が途切れるのが見えた。


『……天草玲奈班長に、一つだけ伝え忘れていたことがあります』


 ポケットに手を突っ込みながら、冥加が無線越しに告げる。


『俺はまだ十一歳で、まだ人の血とか死ぬシーンを見るのが怖いんですよ。だから救える命は救っておきたいし、罪悪感で一晩中トイレで吐き続けるなんてゴメンです』


『冥加く』


 玲奈の台詞をぶった切って、レールガンの第二咆が放たれる。


 冥加はそれを、巨大な雄叫びを上げながら、全身全霊の超能力を(もっ)て軌道を捻じ曲げる。電磁砲はふたたび天へと逸らされて、衝撃波だけが氷の大地で暴れていた。


『……っ!? 冥加君、綺麗事を言っている場合じゃないよ! 冗談抜きで死んじゃうよ!?』


『班長』


『その班長が命令します、今すぐこっちに戻ってきなさ』


『玲奈さん!』


 冥加は名前を呼ぶことで玲奈の思考を断った。


『俺を――俺達を信じてください。物資はまだ無事なんだ、この場を乗り切って体制を立て直せば任務は続行できる! それにもし撤退がうまくいったとして、あの装甲車がこっちに来ない可能性は? 下手すれば「きさらぎ」まで吹っ飛ばされますよ』


 無線越しに玲奈が息を呑むのがわかった。


 冥加は第三撃を防ぐなり、続ける。


『幸い玲奈さんたち六班は、連中の頭数に入っていない可能性が高い。でなきゃ今頃、この辺を焼き払う対歩兵用のレーザー光線の雨が降っているはずです。だが相手が俺に固執しているのは、生存者が「超能力者のガキ」しかいないと間違えているからだ』


「だから囮になろうってのかよ!?」


『……冥加君、正気なの!?』


『正気です。俺と伍島は「最悪」が避けられるんなら、何だってやりますよ』


 チクショウさりげなく巻き込みやがって!! と吠えながらSETを起動させてレールガンの対処に合流する伍島。


 冥加は無線を手に取ると、班だけでなく周囲の生存者に聞こえるように告げた。


『ただし俺達の「最悪」はお子様だけあって基準が高い』


「目の前で死ぬのは敵だけだ。それが俺達キレイゴトを信じるガキの矜持(ルール)だぜ、人生経験豊富な軍人さん(センパイ)達!」


『この場は絶対にしのいでみせる! 玲奈さん、あの装甲車をぶち壊してくれ!』


 四発目が別角度から襲う。けれどタブレットを確認して、無線で《領域視野(ゾーンアイ)》の連絡を逐次受け取りながら対応する冥加の《念動能力(サイコキネシス)》の壁は破られない。


『……わかったわ。ただし班長命令よ、無理だと思ったらすぐに逃げなさい!』


「『了解!』」




 そして冥加兆と伍島信篤の奮闘、天草玲奈率いる六班の活躍によって、南極基地物資輸送任務は立て直すことができた。物資を積んだトラックは無事だったため、基地からの増援とともに氷の上を移動して任務は終了。


 戦闘は謎の装甲車一台だけで済んだ。


 しかし図らずも《超能力》が勝敗を分かち、兵器の存在意義を説いた構図は『第三次』終盤での戦闘でありがちなパターンにすぎないとはいえ。


 十一歳の子供二人がその武勲の立役者であることは、南極大陸にあっという間に知れ渡った。




   ★ ★ ★





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