第3章 第8話「一つの可能性」
ルナたちは、二晩を過ごした町をあとにした。
昨夜まで通りを照らしていた小さな灯りは消え、店先では朝の支度が始まっている。宿の前にも、火の消えた灯籠だけが残っていた。
ルナは駅へ向かう途中で振り返った。
「昨日とは違うね」
「昨日は、帰ってくる人の道を照らす灯りがついていましたからね」
「そうだね」
宿の女将が入口の前を掃いている。昨日聞いた、遠くで暮らす息子の話を思い出した。
「また来たら見られるかな」
「冬迎えの日なら、見られると思います」
「来年かあ。一年後、どこにいるんだろうね」
「どこでしょうね」
半年前は、西の魔法都市へ行くことすら知らなかった。
アメリアと出会うことも、ダンジョンの九十九階まで行くことも。列車を降りて知らない町まで歩き、誰かの帰り道を照らす灯りを見ることも。
「分からないね。でも、ユニちゃんは一緒にいる気がする」
「にゃん吉君も一緒です!」
「ワン!」
「そうだね」
ルナは笑って、二人と駅へ向かった。
王都方面への列車は、昼前に出発した。
今度は何事もなく走り続ける。
窓の外を、晩秋の景色が流れていった。葉を落とし始めた森、収穫を終えた畑、遠くに見える小さな村。
駅に着くたび、人が入れ替わる。大きな鞄を抱えた商人が降り、制服姿の学生たちが乗ってくる。向かいでは老人が列車の揺れに合わせて眠っていた。
ルナたちも、そんな人たちに混じって旅を続けた。
昼を少し過ぎた頃、列車は大きな駅へ入った。
ホームには何本もの線路が並び、荷物を積んだ台車が人の間を行き交っている。
駅舎を出ると、目の前を二台の馬車が並んで走り抜けた。
道の両側には三階建ての建物が続き、そのほとんどの一階に店が入っている。少し先の交差点を曲がった向こうにも、人の流れが途切れず続いていた。
「大きいね。王都ほどじゃないけど、今まで寄った町とは全然違う」
「人も多いですね」
パンを焼く匂い。客を呼ぶ商人の声。大きな木箱を何人がかりで運ぶ人たち。
ルナは少し先まで続く通りを眺めた。
「今日はここですか?」
「うん。せっかくだから、少し見て回りたい」
「分かりました」
「ワン」
ルナたちは人の流れに混ざった。
厚手の外套を並べた服屋。
店先まで木箱を積んだ果物屋。
薪を束にして売る店の隣では、大きな鍋から白い湯気が上がっている。
道を一本曲がったところで、ユニちゃんが足を止めた。
「甘い、美味しそうな匂いがします」
その先に、小さな焼き菓子屋があった。窓越しにも、いくつもの菓子が並んでいるのが見える。
「入りたいの?」
「入りたいです」
「じゃあ入ろう」
「はい」
扉を開けると、小さな鐘が鳴った。
店の中には焼きたての甘い香りが満ちている。棚には丸いクッキー、木の実を乗せたもの、砂糖をまぶしたもの。色も形も違う焼き菓子が、籠や袋に分けて並べられていた。
ユニちゃんは棚を端から眺めながら歩き、やがて一番奥で止まった。
「これが美味しそうです」
木の実を細かく練り込んだクッキーだった。何枚か入った袋が、一つだけ残っている。
ユニちゃんが手を伸ばした。
「あっ」
ほとんど同時に、横から別の手が伸びてきた。
二人の手が止まる。
相手は、ルナより少し年上に見える少女だった。肩までの茶色い髪に厚手の外套。腕には買い物籠を提げている。
「すみません。どうぞ」
少女が先に手を引いた。
「いいのですか?」
「はい。私はまた買えますから」
そう言って、少女は柔らかく笑った。
「あの、本当にいいんですか?」
ルナが尋ねる。
少女は店主の方を見た。
「今日の分が最後なだけですよね?」
「ああ。また焼くよ」
「なら大丈夫です」
それだけ確かめると、少女は迷わずユニちゃんへ譲った。
「ありがとうございます」
「いえ。美味しいですよ、それ」
「楽しみです」
ユニちゃんがクッキーを手に取る。
少女は買い物籠を持ち直した。
「それでは」
「ありがとうございました」
「いえ」
少女は店を出ていった。
扉が閉じる直前、ほんの一瞬だけクッキーのあった棚を振り返った。
ルナはその後ろ姿を見送った。
「……本当によかったのかな」
「譲ってくれました」
「うん」
ユニちゃんは手にした袋を見る。
「食べますか?」
「もう?」
「はい」
ルナは思わず笑った。
「じゃあ、座れるところ探そうか」
「はい」
「ワン」
近くの広場で、ルナたちはベンチに腰を下ろした。
ユニちゃんが袋を開け、一枚をルナへ差し出す。
「どうぞ」
「ありがとう」
にゃん吉君にも一枚。
「ワン」
一緒に食べる。
さくり、と軽い音がした。木の実の香ばしさのあとから、やさしい甘さが広がる。
「おいしいね」
「はい」
隣を見ると、ユニちゃんはもう二枚目を食べていた。
「気に入った?」
「気に入りました」
「よかったね」
「はい」
ユニちゃんは満足そうに、残ったクッキーの袋を閉じた。
その日の宿を取ったあとも、ルナたちは町を歩いた。
本屋を覗き、市場を抜け、細い路地に並ぶ小さな店にも入った。
日が傾き始めた頃。
「あれ?」
ルナが足を止めた。
通りの向こうにある薬屋から、一人の少女が出てきた。
「あの人……」
昼間、クッキーを譲ってくれた少女だった。
向こうもこちらに気づいた。
「あ……こんにちは」
「こんにちは」
少女は軽く頭を下げたあと、ユニちゃんを見た。
白銀の髪。青いコート。そして、頭の上の白いにゃん吉君。
「もしかして……ユニ・N・スターチスさんですか?」
「はい」
「十三人目のS級冒険者の……?」
「はい」
少女の視線が、にゃん吉君へ移る。
「その子も新聞に載っていた……」
「にゃん吉君です」
「あ、にゃん吉君……かわいいですね」
「ワン」
少女が少し笑った。
「新聞で読みました。北東の国で病が広がった時も、解決に関わったって。本当にすごい方なんですね」
「どやです」
「……どや、ですか?」
「どやです」
ルナも小さく笑った。
けれど、少女が手にした薬の包みへ目を落とすと、その笑顔が静かに消えた。
「あの……突然こんなことをお願いするのは失礼だと分かっているんですけど、妹に会っていただけませんか?」
「私ですか?」
「はい。妹が半年ほど前からずっと体調を崩しているんです。お医者様にも診てもらって、薬も飲んでいます。でも、少しずつ悪くなっていて……」
少女は薬の包みを両手で持ち直した。
「妹を治してくださいなんて、そんなことをお願いするつもりはありません。ただ、北東の国のことを読んで……もしかしたら何か気づくことがあるかもしれないって」
一度、唇を結ぶ。
「一度だけ、妹に会っていただけませんか?」
「分かりました。行きます」
少女が顔を上げた。
「……いいんですか?」
「はい」
「ありがとうございます」
深く頭を下げる。
「私、エマ・リーベルといいます」
「私はルナです」
「ユニ・N・スターチスです」
「ワン」
「にゃん吉君ですね」
エマはもう一度、少しだけ笑った。
エマの家は、賑やかな商店街から少し離れた住宅街にあった。
二階建ての小さな家。窓辺には、手入れされた鉢植えがいくつも並んでいる。
「ただいま」
「……おかえり、お姉ちゃん」
奥の部屋から細い声が返ってきた。
「今日はお客さんがいるの」
「お客さん?」
エマが扉を開ける。
窓際のベッドに、一人の少女がいた。淡い茶色の髪。枕元には読みかけの本が置かれている。
「妹のソフィアです。十四歳です」
ソフィアが顔を上げた。
最初にルナを見る。
次にユニちゃん。
そして、その視線が頭の上で止まった。
「……白い」
「ワン」
「鳴いた」
「にゃん吉君です」
「……かわいい」
「ソフィア、まず挨拶でしょう」
「あ……ごめんなさい。ソフィア・リーベルです。初めまして」
「ルナです。初めまして」
「ユニ・N・スターチスです」
「ワン」
ソフィアの視線は、すぐににゃん吉君へ戻った。
「触ってもいいですか?」
「にゃん吉君に聞いてください」
「にゃん吉君、触ってもいい?」
「ワン」
にゃん吉君がユニちゃんの頭からふわりと浮き、ベッドの横まで移動した。
「えっ……浮いた」
「浮きます」
「すごい……」
ソフィアがそっと手を伸ばす。
「ふわふわ……」
「ワン」
ソフィアが笑った。
エマもその顔を見て、静かに笑っている。
けれど、しばらくするとソフィアの手が止まり、腕がゆっくりと下がった。
「疲れた?」
エマがすぐに枕の位置を直す。
「ちょっとだけ。大丈夫」
「無理しないで」
「分かってる」
ソフィアはそう答えて笑おうとした。けれど、さっきまでより声に力がない。
にゃん吉君は何もせず、ふわりとユニちゃんの頭へ戻った。
ユニちゃんも何も言わず、その様子を見ていた。
「少し聞いてもいいですか?」
「はい」
ユニちゃんは学校や食事、普段の生活についていくつか尋ねた。
ソフィアは半年前まで普通に学校へ通い、友達と出かけることも多かったという。最初は少し疲れやすくなっただけで、休めば元気になった。それが少しずつ悪くなり、今では家の外へ出ることもほとんどない。
「魔法は使っていますか?」
「今はほとんど使ってません。すぐ疲れちゃうので」
「そうですか」
ユニちゃんは、それ以上聞かなかった。
「お医者さんは、次はいつ来ますか?」
「明日の午前です」
エマが答える。
「では、明日もう一度来てもいいですか?」
「もちろんです。でも……何か気になることが?」
「はい。少しだけ」
ユニちゃんはそれ以上何も言わず、明日もう一度来ることだけを約束した。
エマがソフィアの肩へ寝具を掛け直す。
ルナはその手元を見てから、声を落とした。
「ご両親は、お出かけですか?」
「はい。ソフィアを診てくださる先生を探しに行っています」
エマは枕元の本に目を向けた。
その下に、封を開けた手紙が重ねてあった。
「最初は王都へ。そこで、海の向こうの大きな国に難しい病気を診ている先生がいると聞いて、今はそちらへ向かっています」
「海の向こうまで……」
「ソフィアを連れて長旅はできませんから。まず二人で会って、診ていただけないか頼むつもりだそうです」
ソフィアが手紙へ手を伸ばした。
「お母さんの手紙、お父さんが何を食べたかばっかり書いてあるの」
「心配させたくないのよ」
「分かってる」
ソフィアは封筒の角を指で撫でた。
エマがルナへ向き直る。
「留守の間は、トーマス先生が診てくれています。父とは昔からの付き合いで、私たちが小さい頃から家へ来ていたんです。親戚のおじさんみたいな人で」
「いつもは、もっと口うるさいよ」
ソフィアが小さく付け足した。
エマの口元が少し緩む。
「今も十分そうでしょう」
「そうだけど」
「先生の家の人も、食事や買い物を手伝いに来てくれるんです。二人だけだったら、きっと困っていました」
エマはそう言って、ソフィアの手から落ちかけた封筒を支えた。
ソフィアはもう一度それを見てから、本の下へ戻した。
「そうだ。薬を飲まないと」
エマが思い出したように薬の包みを開く。
「何か食べられそう?」
「今はいらない」
「お昼もほとんど食べてないでしょう」
「でも……」
「これ、食べますか?」
ユニちゃんが昼間買ったクッキーを取り出した。
ソフィアの目が少し大きくなる。
「これ……」
「知ってるの?」
ルナが尋ねる。
「はい。好きなんです。お姉ちゃんが、時々買ってきてくれて」
ルナはエマを見る。
エマは少し困ったように笑った。
「昼間の……」
「はい」
やっぱり。
あの最後の一袋は、妹のためだったのだ。
「エマさん、あの時……」
「いいんです。私が譲ったんですから」
ユニちゃんはクッキーの袋を見る。
「気に入りました」
「そうなんですか?」
「はい。食べました」
そして、そのまま袋をソフィアへ差し出した。
「残りは、ソフィアに」
「え? でも、ユニさんが気に入ったんですよね?」
「はい」
「それなら――」
「どうぞ」
ソフィアが姉を見る。
エマはしばらく迷ってから、小さく頷いた。
「……ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「はい」
ソフィアはクッキーを一枚取り、一口かじった。
「……おいしい」
その顔を見て、エマの肩からほんの少しだけ力が抜けた。
翌朝。
ルナたちが再び家を訪れると、ソフィアのベッドのそばに一人の男性が座っていた。
五十歳ほどだろうか。灰色の髪に、使い込まれた革の鞄。
「先生。この方です」
エマが紹介する。
「ユニ・N・スターチスか」
「はい」
「私はトーマス。この町で医者をしている。エマから話は聞いた」
トーマスの視線が、ユニちゃんの頭の上へ移る。
「……本当にいるんだね」
「にゃん吉君です」
「ワン」
「そうか」
トーマスは、わずかに口元を緩めた。
「今の症状でソフィアを診始めたのは、五か月ほど前だ」
トーマスは記録を開いた。
「発熱はない。臓器にも今のところ目立った異常は見つかっていない。食事量は落ちているが、それだけで今の衰弱を説明するのは難しい」
ページを一枚めくる。
「一番妙なのは魔力だ。持っている魔力量そのものは、十四歳としてごく普通なんだ」
「でも、今は魔法を使わせていないんですよね?」
ルナが尋ねる。
「ああ。一度減った魔力が戻るまでに、異常なほど時間がかかる。今はできる限り消耗させないようにしている」
「原因は分かっているんですか?」
トーマスの指が止まった。
「……分からない。五か月診てきた。知り合いの医者にも何人も相談した。それでも、同じ症状を知る者はいなかった」
言葉は落ち着いていたが、記録を押さえる指先には少し力が入っていた。
エマも何も言わない。膝の上で重ねた手だけが、ぎゅっと固くなっている。
ユニちゃんが尋ねる。
「同じ病気でなくてもいいです。似た状態になった症例はありませんか?」
「似た状態?」
「魔力はあるのに、うまく戻らないものです」
「病名ではなく、症状から……」
トーマスは記録へ目を落とした。
しばらく黙ったまま、何かを思い出そうとするように指先で机をなぞる。
「……待ってくれ」
革の鞄を開き、底から古びた本を取り出した。
「師から譲り受けた古い症例集だ。今では使われなくなった治療法まで載っている」
トーマスは本を開いた。
「まさかとは思うが……」
ページをめくる音だけが、静かな部屋に続いた。
エマは何も言わない。
ソフィアも、姉の手を握ったまま本を見ている。
一枚。
また一枚。
トーマスの指が止まった。
「……あった」
エマが息を呑む。
「同じ病気ですか?」
「いや」
トーマスはすぐに首を横へ振った。
「原因も年齢も違う。ソフィアと同じ病気とは言えない」
エマの表情が、わずかに曇る。
「ただ……状態はよく似ている」
トーマスは症例集をこちらへ向けた。
そこには、一つの果実が描かれていた。
「この患者には、魔力の循環を補助する作用を持つ果実が使われている」
「それで、病気が治ったんですか?」
エマが尋ねる。
トーマスは記述を読み直した。
「治療を続けて回復したとある。ただ、これだけでソフィアにも効くとは言い切れない」
トーマスはベッドのソフィアを見る。
「魔力の循環が整えば、今の衰弱から抜け出せる可能性はある。だが、同じ症例ではない以上、実際の反応を慎重に確かめる必要がある」
「先生」
エマがソフィアの手を握り直した。
「試す価値は……あると思いますか?」
トーマスは、すぐには答えなかった。
ソフィアを見る。
症例集を見る。
そして、エマへ視線を戻す。
「保証はできない」
「はい」
「それでも、私は試す価値はあると思う」
エマの指が、わずかに震えた。
「……可能性が少しでもあるのなら、お願いします」
「お姉ちゃん」
エマは妹を見る。
「ソフィアは、どうしたい?」
ソフィアは姉の顔を見つめた。
「やってみたい」
「怖くない?」
「少しは。でも……また学校に行きたいし、お姉ちゃんと買い物にも行きたい」
「……そうね」
エマは笑った。
目の端には、うっすら涙が浮かんでいた。
「ただし、問題がある」
トーマスが症例集へ視線を戻した。
「この果実は、今では流通していない」
「もうないんですか?」
ルナが尋ねる。
「いや。記録が正しければ、今も自生している可能性はある。産地は遥か南方の高山だ」
ルナが果実の絵を見る。
「そんな遠くに……」
「ああ。麓は一年を通して暖かいが、山は雲より高い。頂には雪が残る。その途中、一年中霧に覆われる限られた高さにだけ、この木が育つらしい」
「ほかの場所では育たないんですか?」
「何度も栽培が試されたそうだ。だが、成功しなかった」
木だけを持ち帰っても実はならない。
その高さにしか生息しない小さな虫が花粉を運び、昼夜の気温差、霧による湿度、そして土地に満ちる魔力。そのすべてが揃って、初めて実をつける。
「しかも、熟す時期は短い」
「今は?」
ユニちゃんが尋ねる。
トーマスが古い記述を指で追った。
「……記録通りなら、ちょうど今頃だ」
エマの表情に、ほんの一瞬だけ希望が戻る。
だが、トーマスはページから目を上げなかった。
「まだある。この山には強い魔物が多い。古い時代ですら採取へ向かう者はほとんどいなかったらしい。今では、人が入ること自体ほぼない」
エマの表情から、さっきの光が消えた。ソフィアの手を握ったまま俯く。
「……そんな場所なら、誰かに行ってほしいなんて言えません」
「お姉ちゃん……」
「大丈夫」
妹へ向けた笑顔は、少しだけ無理をしていた。
「昨日まで何も分からなかったんです。それが、今日は可能性が一つ見つかった。それだけでも……前に進んでいます」
トーマスが静かに頷いた。
「私もこの症例をもう一度調べる。ほかの方法がないかも探してみよう」
「お願いします」
誰も、ユニちゃんに山へ行ってほしいとは言わなかった。
ユニちゃんは、開かれた症例集を静かに見ていた。
「先生」
「なんだい?」
「その果実について、もう少し教えてください」
「何を知りたい?」
「薬に使うなら、どの状態のものがいいですか?」
トーマスは、しばらくユニちゃんを見つめた。
「……君は、そこへ行くつもりなのか?」
エマも顔を上げる。
ソフィアも。
ユニちゃんは答えず、本に描かれた果実を見ていた。
その頭の上で、にゃん吉君が小さく鳴いた。
「ワン」




