プロローグ
ここは昔の外国の山岳地帯にある村。
時期は五月頃だった。
昨日、この村から男達が村の家畜を連れて、山の上へ移牧の為に出掛けた。
男達は九月頃、家畜と共に寒くなる前に村へ戻る。
そして、次の日の朝。
早く目が覚めてしまったエルシャは、窓の向こうに深く立ち込める山霧を、ぼんやりと眺めていた。
エルシャ「また…起こされた」
ベッドから降りて、少しよろめきながら歩いて、部屋を出た。
台所で母親が楽しそうに鼻歌を歌いながら、朝食の準備をしている。
後ろからエルシャが近づいて来て話しかけた。
エルシャ「お母さん」
お母さん「あ、エルシャおはよう」
エルシャ「お母さん、もう少し静かにしてくれる?あんまり朝早いと寝不足になっちゃうよ」
お母さん「ごめんね、お母さん最近早く目が覚めてじっとしてられないんだよ。それで早めに朝ご飯作っちゃえって思ってね。もうすぐ出来るから待っててね!」
仕方なくエルシャは、洗面を済ませて着替えた。
そしてダイニングの自分の席に座る。
お母さん「はい、出来たよ」
お母さんは作りたての朝食をテーブルに並べる。
お母さん「じゃあ、食べよう」
エルシャ「お母さん、こんなに作ったの?」
お母さん「朝早いと時間があるんだよ。ま、いいから食べな」
テーブルの上には、普段の朝では見ない量の料理が並んでいた。
最初は、朝からこんなに沢山食べられるかと思っていたが、時間がたっぷりあるので意外と綺麗に食べてしまった。
エルシャ「お、お腹、いっぱい」
お母さん「あ、あたしも、もう無理」
二人はしばらく椅子に座ったまま動けなかった。
お腹が落ち着いた頃には、もう仕事の始まる時間が迫っていた。
お母さん「そろそろ行こうか。片付けは後にしよう」
二人は、早い時間に起きたのと、食べ過ぎのせいで眠くなっていた。
しかし、二人とも帽子を被り外の畑へ向かうのだった。




