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【初作】異世界に転移したらイケメン達に求愛されています!せっかくなのでモテスキルを身につけて元の世界に戻ることを目指します!  作者: 大井町 鶴(おおいまち つる)
◆第五章 本気の恋を知る編

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気持ちが通じた夜

私の言葉にスワロウ様の目が見開かれた。


今日のスワロウ様は眼鏡を掛けていない。目の奥が揺れ動いているのが分かる。


「それは、本当か…?」

「はい」

「いつからそう想ってくれていたんだ?」

「いつからでしょうね?王子様方と過ごしている時に、自然とスワロウ様と比べている自分がいました」

「オレは両殿下と比べられていたのか...」

「ごめんなさい」

「謝ることじゃないさ。勝負じゃないが勝てて良かったよ。両殿下は令嬢の憧れの的だからな」


気持ちが通じた私達は、初めてお互いを恋する相手としてマジマジと見つめ合った。手はつながれたままで、隣に座るスワロウ様は体温を感じるほどすごく近い。スワロウ様の手が私の頬に優しく触れた。手はそのまま唇に移動していき、そっと唇をなぞられる。


スワロウ様の顔が近づいてきたのを感じて私は目を閉じた。


長いような短いような切ないキスは、私を大きく揺さぶるのに十分だった。好きな人とのキスはこんなに嬉しいものだなんて...。


「......そろそろ宿に戻って明日のために休もう」

「…うん」

「おや?急に甘えん坊モードかな?」


意識せず“うん”と答えてしまったけど、こちらの世界では“うん”なんて答え方は小さな子どもくらいしかしないみたいだ。元の世界では普通の受け答えなのにこちらでは違う。住む世界の違いを感じて少し胸の奥が痛んだ。でも、幸せなこの時間を楽しみたいから気にしないようにする。


「甘えちゃいけないですか?」

「いいや、嬉しいよ。新鮮に感じただけだ」


アンダンティーノ殿下にも“新鮮”と言われたことがある。プレスト殿下にも。こちらの世界での私はやはり異端児なんだろうなと思う。分かってはいるけれど、よそ者なんだという気がして少し悲しい。つないだ手に少し力をこめた。


噴水広場から宿に戻る道のりは短い。手をつないでいるこの時間が終わってしまうのが寂しく感じられた。


「......宿に戻ったら、お互い自分の部屋で寝るのですよね?」

「そ、そうだが?」


私の質問にスワロウ様が慌てて赤くなっている。


先の展開を急いでいるように聞こえてしまっただろうか。そういう意図ではないけど、好きならば側にいたいと思うのは普通なんじゃないだろうか?


「その、眠るだけならば同じ部屋で寝ても問題ないんじゃないのかなって...」

「だめだ!絶対に!」

「そんなに強く言わなくても…」

「怒っているわけじゃないんだ。ただ分かって欲しい…」


スワロウ様は、私の手を握り直すとそのまま無言で宿に歩き出した。何がダメなんだろう?はしたないって思われた?それとも刺激してしまうから?私は男性じゃないからよく分からない。


宿に着き私の部屋の前に来ると、“おやすみ”と額にキスをしてくれる。


「明日は、早めに屋敷に戻ろう。明後日からはまた学園があるだろう。オレも本の内容を調べなくてはならないからな」

「はい…」

「元気がないな?」


私は初めて成就した恋に少々浮かれてしまったのかもしれない。淡々と話すスワロウ様の様子に寂しさを感じてしまった。スワロウ様は、ごく当たり前のことを提案してくれているのに。


「いいえ、気を引き締めなくちゃと思っただけです」

「…セイラ、もし、意に沿わない行動をオレがしていたらすまない。だけど、大事に思うからこそ、セイラが望むように問題を解決したいと思っている」

「分かっています。私が子どもなだけです」

「セイラ…オレもそんなできた男じゃないよ。だけど、カッコつけさせてくれ」


スワロウ様の腕が私の背中にまわり、ふわりと抱きしめられた。


(切ないな…切ない)


「おやすみなさい」


部屋に入ると、明日の準備をしてからシャワーに入った。1人で入るのは久々だ。シャワーを浴びていると、今日一日に起きたことが自然と思い出された。


(スワロウ様と私は両想いになったんだ...)


シャワーのしずくがくちびるを濡らす。そっとくちびるに触れると、先ほどのキスを思い出した。


あんな切ないキスは人生の中で二度と経験することはないんじゃないかと思う。冷静に考えれば、私はゆくゆく元の世界に戻ろうとしているのに。お互いに好意を打ち明け合って、何が残るのだろう。きちんと戻れる保証は無いが...。


幸せな気持ちになれたのに先を考えると悲しくて涙が流れた。こんな気持ち初めてだ。しばらくシャワーを浴びながら嗚咽をもらしていた。


シャワーから上がりタオルを身体に巻いたラフな姿で鏡前まで来ると、鏡の中には泣いたのがすぐにバレそうな顔があった。明日、こんな顔をスワロウ様に見せられない。泣いたのを悟られてしまったら、私に告白したことを後悔するかもしれない。そんなのはイヤだった。


(楽しいことを考えなくちゃ!)


パンパンと顔を叩く。屋敷から持ってきた美容化粧水を顔に塗ってお手入れをする。いつもはオランジェが全てしてくれるけど、久しぶりに自分で念入りにスキンケアして気をまぎらわせた。


(このスキンケアする感覚、すっかり久々だわ)


オランジェのスキンケア技術は高く、塗り方が違うのかオランジェが手入れしてくれると、翌日のお肌がみずみずしく弾むようなハリが出る。今日は自力でどうにかしなくてはならない。スワロウ様の前ではキレイな自分でいたい。


...それにしても、やはり婚約者でもない男性と同じ部屋で一晩過ごすのはNGなのだろうか。気持ちが通じていたらまあいいのかなと思っていたけど、スワロウ様がギョッとしていた気がするし、スタンダードではないみたいだ。


(引かれたかも…)


今さら心配になったのだった。

幸せな気持ちでセイラは自分の気持ちを抑えられません。皆さんもそんな経験ありますでしょうか?


もし、作品がいいなと思われましたらぜひブックマーク&評価をお願いしますm(__)m

(☆☆☆☆☆→★★★★★なったら感涙!モチベーショ爆up!皆さまに支えられております)


※投稿は毎日朝7時です。引き続きご高覧頂けるとウレシイです。

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